最近、デスティネーション・レストランという言葉をよく目にするようになりました。デスティネーション、つまり行く先にある飲食店ということで、その店だけをめざしてわざわざ出かける価値のある、遠くの(多くは地方の)レストランを指す言葉です。
たとえば私がいま行ってみたいのは、「徳山鮓」(滋賀県)や「レヴォ」(富山県)、「エタデスプリ」(宮古島)など、どれもなかなか予約が取れず、かつアクセスも簡単ではない宿やお店ばかり。コロナ禍で旅をしにくい現在はなおさら遠い存在です。
そんななか、関西で取材が入ったのをよいことに、1日早く西へ向かいました。向かうはやはり予約の取りにくいことで知られるデスティネーション・レストラン「ヴィラ・アイーダ」です。
「今日の物語の中にはお伝えしたい大切なことが隠されております。それは目に見えません。言葉で語ることもできません。感じていただければ幸せです」
お料理は繊細で軽いのに、シェフの想いがぎゅっと込められたお皿の数々、しっかり受け止めることができたと思います。食べ終わったらなんと午後4時。4時間もランチ食べちゃった(笑)。
「このあと、どうする?」と、同行の友人たちは顔を見合わせ、なんと和歌山ラーメンを食べに行くんですって! 豚骨醤油で見た目はこってりなのに、実はあっさりしている和歌山ラーメン、しかも大好きな「丸田屋」と聞き、心はゆらぎましたが、私はホテルへ直帰。いまこの原稿を書いているというわけです。