2021.04.13

世界が認めた和食「麻布さおとめ」ある日の全皿公開

香港のミシュランで初めて星を獲った和食店のシェフが凱旋帰国! セレブの間で話題の「麻布さおとめ」に伺いました。

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文・写真/秋山 都

LEON.JP食いしん坊担当の秋山都です。

私がまだ20代のころ、ロンドンの日本料理店でウエイトレスとして働いたものの、3日で音を上げた経験は、自らの黒歴史として長く封印してきました。私以外誰も日本人スタッフのいないお店だったため、唯一の日本人としてお客さんにはたくさんのチップをいただいたのですが、注文を覚えられない、ワインを上手く開けられない、そもそも英語がわからない……など数々のミスに自分が耐えられなくなり(当たり前ですよね。日本でも飲食業界で働いたことなかったのに)、ギブアップ。4日めの朝に「おばあちゃんが死んだので日本に帰ります」と電話し、辞めさせてもらったのですが、そのとき電話を受けた同僚ウエイトレスの「Oh, Dear……(あらまぁ)」という声が今も耳に残っています。嘘をついて辞めたりして、すみませんでした。

あ~、懺悔できてすっきり! と、なぜそんなことを思い出したかといえば、先日「麻布さおとめ」に伺い、世界に認められた五月女広之(さおとめひろゆき)さんによる和食を堪能したからなのでした。
▲ 20年10月末にオープンした「麻布さおとめ」。カウンター7席のみの小体なつくり。
五月女さんは銀座の「久兵衛」で鮨職人としてのキャリアをスタートさせ、オランダや英国の「ホテルオークラ」、「NOBU」等で腕を振るい、香港では自らの名を冠した「Kaiseki Den by Saotome」をオープン。香港のミシュランで和食店として初めて星を獲得し、その後10年に渡って星をキープするという偉業を成し遂げた料理人なのでした。

海外の和食店といえば高いばかりで美味しくない、やたらとサーモンやマヨネーズを使う、中華料理と混同している、などのイメージがありました(少なくとも私が働いていたロンドンの店はそうでした)が、五月女さんの世界はさにあらず。正統派で、まっすぐ、美しい和食でした。聞けば五月女さんは定期的に帰国し、「分とく山」や「菊の井」、「青柳」などの名店で修業。自らの腕をブラッシュアップする努力を怠らなかったそうなのです。

香港は世界の富豪が集まる美食の街としても知られていますが、その香港で認められた五月女さんの世界とはいかに? ある春の日のコースを全皿ご紹介します。
▲ ホタルイカ、クルマエビ、山菜、木の芽、筍。
PAGE 2
▲ クチコと筍の茶碗蒸し。
▲ 白魚のからあげ、自家製からすみがけ。
▲ 松葉ガニのしんじょ。
▲ トロの薄づくり、おろしわさび。
▲ 松葉ガニ。
PAGE 3
素材を活かした味わいと、美しい器の妙……少し酔ったかな? というタイミングで出てくるのが、5、6貫のお鮨。ほどよくお腹も落ち着くし、和食の中盤に握り鮨って、とてもよいアイデアかと。
▲ トロ(この日は長崎産)。
▲ さっとあぶったノドグロ。
▲ ウニ
▲サバ。ちょんと乗せた辛子が泣かせる……。
▲ 煮ハマグリ。
▲ トロタク。文句なし。
PAGE 4
お鮨をいただき、もう山の頂上は見えたかな? と思いきや、ご馳走はまだまだ続きます。鮑、白子、フカヒレ……という珍味のオンパレード。

「日本酒、おかわりお願いします!」
▲ 蒸し鮑の肝ソース。
▲フグの白子焼き。
▲揚げフカヒレ。
そしてコレが!! 「はい」と手渡された時、「なに? サツマイモ?」と思いましたが、ひと口かじってビックリ!
▲ 繊維の長さが品質の良さの証。
なんとこちら、フカヒレです。お出汁で炊いて味をふくませ、揚げているのだそう。このお料理がこの日唯一「香港らしさ」を感じさせるものでした。お出汁で炊くと、フカヒレってこんな滋味深い味になるのですね。
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▲ トマトジュレ。
▲ 聖護院かぶらのすりながしと蓮もち。
▲ シャトーブリアン。
さあ、いよいよ〆かしら、というタイミングで五月女さんが何やらスリスリしだしました。
▲ ごはんを炊いているのは中川一辺陶による雲井窯の土鍋。
キタ——ッ! やっぱりトリュフでしたか。和食の〆にトリュフごはんは最近しばしばお見受けしますが、こちらはなんとウニの炊き込みごはんの上にトリュフ。む~ん、贅沢すぎます!
さわやかな甘味のオレンジのゼリーをいただいて、この日の豪華ディナーは終了。
振り返ればとても品よく、正統派の懐石料理をいただいたような印象。ホンモノだからこそ香港の食通にもウケたのでしょう。私の「今日イチ」はやっぱりあのフカヒレ。忘れられないなぁ……。

麻布さおとめ

住所/東京都港区西麻布3-1-9
予約・お問合せ/☎03-5843-0537
おまかせコース2万6600円~。
*完全予約制につき、営業時間や定休日はお問合せください。

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