2021.02.25

韓国、日本、デンマークの涙腺崩壊映画3選!

仕事が忙しくなればなるほど、逃げるように映画館に駆け込んでいます。携帯電話を強制的にオフにできて、すべてのことから解放される映画館が唯一の駆け込み寺。ということで、『野球少女』、『すばらしき世界』『ある人質 生還までの398日』という涙なしでは見られない映画3本をご紹介します。

CREDIT :

文/遠藤加奈(LEON)

こんにちは、LEON編集部の遠藤です。時計や美容だけでなく、カルチャーっぽいことも追いかけております。仕事が忙しくなればなるほど、逃げるように映画館に駆け込む日々。

携帯電話を強制的にオフにできて、すべてのことから解放されるのは、長時間フライトと映画館だけ。海外へのフライトがない今、映画館が唯一の駆け込み寺というわけです。

ということで、現在公開中&もうすぐ公開のオススメ映画3本をご紹介します!

1. 『野球少女』

「梨泰院クラス」でトランスジェンダーを演じたヒョニ役のイ・ジュヨン主演。もちろん梨泰院はドハマりしたので(不時着より梨泰院派)、ふ〜んあの子ね、見てみようかなと前情報ほぼなしで鑑賞(ちなみに、秘密の森のあの嫌な検事役のイ・ジュニヨクも出てる!)。期待値はそこまで高くなかったのですが(失礼しました)、とあるシーンで号泣。グサグサ刺さる名台詞の数々に心打たれました。
あらすじは……
天才野球少女として中学生時代は一躍名を馳せたチュ・スイン(イ・ジュンヨン)は高校卒業を迎えようとしています。134㎞/hの速球を投げられるものの、女子という理由でプロテストの申し込みも受け付けてもらえず、母親からも反対され、悶々とした日々を送っていました。

そこに野球部の新任のコーチとしてチェ・ジェンテ(イ・ジュニヨク)が赴任してきます。スインの生意気な態度もあって、コーチとは犬猿の仲。ジェンテは夢を諦めさせようとしますが、スインは言うことを聞かず……。
スインの「私の未来は私にも誰にもわからない、私にさえ」とか母親の「生きているだけで大変なのに、なんでわざわざ苦労する道を選ぶの」と言うセリフが冷たいようで愛に溢れていて、そうだよなぁと心にドスンと響きました。
韓国映画やドラマを観た後は、必ず韓国料理が食べたくなりますが、こちらも右に同じ。ぜひお店の予約をしてから映画を観に行ってください!

『野球少女』

3月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
配給:ロングライド
© 2019 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

PAGE 2

2. 『すばらしき世界』

さまざまな場所でプロモーションを目にしている方も多いと思うので、私が言わずとも、なのですが、本当に素晴らしい作品だったのでご紹介したいと思います。
三上(役所広司)は旭川刑務所から、13年の刑期を終えて出所します。しかし孤児院で育った三上には身寄りがなく、弁護士(橋爪功)の手を借り、賃貸契約や生活保護などの手続きをなんとか終え、生活を整えていきます。そんな彼に興味を抱いたのがテレビプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)。制作会社で働いていた津乃田(仲野太賀)に依頼し、生き別れた母親と再会するという感動のドキュメンタリー番組を制作しようとするのです。

しかし、ケースワーカーや運転免許更新窓口の女性に激昂してしまったりと、普段はいい人なのですが、感情のコントロールが効かず仕事探しは難航して落ち込む三上。そんな夜、ある事件が起こり……。
こちら、作家・佐木隆三が、実在の人物をモデルに、刑務所から満期で出所した身寄りのない男の再出発を書いた小説『身分帳』を元に、「ゆれる」や「ディア・ドクター」で知られる西川美和が監督した作品です。
三上は、その真っ直ぐな性格ゆえ、時に正論すぎて話が通じなかったりして、クスリと笑えるのですが、その反面あぁ生きにくそうだなぁと見ていて苦しくなります。

三上の住むアパートの近くにあるスーパーを経営している松本(六角精児)もそんな不器用な三上を不憫に思って色々と手を尽くしてくれるのですが、松本がきっと心から三上を思っていることがあらわれたセリフ、「良かったじゃない」の言葉にもう涙腺が決壊しました。思い出しても泣けてきます。
生きていくと苦しいこと、悲しいこと理不尽なこともたくさんやってきます。それも人生です。ただ自分に嘘をつかないで格好をつけないで、小さな幸せを大切にしていこう、そんなことを思いました。

『すばらしき世界』

全国公開中
配給:ワーナー・ブラザース映画
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

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3. 『ある人質 生還までの398日』

怪我のために体操選手の道を断念したダニエルは、ずっと夢だった写真家に転身。戦争の中にある普通の人々の日常を撮影するため、シリアの非戦闘地域を訪れた。だが現地の情勢が変わり、ダニエルはISに誘拐され拷問を受ける。家族は巨額の身代金を用意するために奔走するが、犯人側は容赦なく追い討ちをかけ、過大な要求を突きつけてくる……。
ジャーナリストのプク・ダムスゴーが書き上げた「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書刊)を原作に、398日間にわたってシリアで過激派組織IS(イスラム国)の人質となり、奇跡的に生還を果たしたデンマーク人写真家ダニエル・リューの過酷な体験と、決して諦めなかった家族の奔走をスリリングかつ感動的に描き出しています。
この作品を見た際、きっと胸に浮かぶのが2名の日本人が人質になり殺害されてしまったことかと思います。当時私はイタリアに住んでいて、やりきれない気持ちで教会に行き祈りを捧げました。そんな心が毛羽立つような感覚が呼び起こされるほど、リアルな描写。

フィクションでしょと思ってしまう過酷な環境。結末を知っているのに、グッと引き込まれていき、デンマーク政府のテロリストにはお金を払わないという方針は正しく、誰も責めることができない葛藤。もし身代金を支払って無事人質が解放されたとしても、何も解決できておらず、むしろ状況を悪化させている事実に呆然と無力感を感じました。
今でもテロや過激派組織と闘っている場所があること、あの時の怖いとも悲しいとも違う、形容し難い気持ち悪さを忘れてはいけないこと、自分がいかに平和で恵まれた生活を送っているか、そんなことを思い出させてくれた映画でした。

『ある人質 生還までの398日』

ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町ほか全国公開中
配給:ハピネット
© TOOLBOX FILM / FILM I VÄST / CINENIC FILM / HUMMELFILM 2019

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