2026.03.31
京都・二条の一棟貸しヴィラ「ACOA House Nijo」にて日本の影の美学に泊まる
日本独自の美しさは、光の中ではなく、影の中にある。その美学を体現した一棟貸しヴィラ「ACOA House Nijo」は、築100年の町家を舞台に、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を現代に翻訳したような空間。京都の滞在に奥行きを求める方へ、ご紹介させていただきます。
- CREDIT :
文/赤松いづみ(LEON)
旅のなかに余白をもとめて
こんにちは、LEON編集部、金髪担当の赤松です! 今回、ご縁あり京都は二条に位置する一棟貸しヴィラ、「ACOA House Nijo」に宿泊してまいりました。
築100年の古民家をフルリノベーションしたこちら、テーマは「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」とのこと。聞き馴染みのない言葉ゆえ、検索してみたところ、出てきたのは以下。
「陰翳礼讃」とは日本の美意識を語るときによく使われる言葉で、もともとは作家、谷崎潤一郎が1933年に書いた随筆『陰翳礼讃』に由来。
簡単に言うと「明るさよりも、影や暗がりの中にある美しさを愛でる」という日本的な美意識のようで。
西洋建築や現代デザインは、明るい、白い、均一な照明を良しとすることが多いですが、谷崎はそれに対して光が弱いからこそ生まれる陰影。暗い空間に浮かび上がる素材、時間とともに深くなる質感こうしたものに日本の美があると書いたそう。
こりゃあ色っぽいおセンス……!と感じ、実際に空間に落とし込まれた美学に触れたく、京都へのチケットを買ったのでありました。

扉を開ければ光と仄暗がりが広がって
場所は京都駅からタクシーで20分ほど。観光客で賑わう中心地から離れた落ち着いたエリアです。
一棟貸しの宿なので、チェックインは暗証番号。
鍵もフロントもないこの感じ、秘密基地っぽくて好き!

到着したのは15時。扉を開くと出てくるのは柔らかい光のモダンジャパニーズな空間です。床は炭を混ぜた左官仕上げ、広いキッチンは和紙作家・ハタノワタル氏による柔らかな設えがあり。

中庭から柔らかい光が差し込み、素材の質感が影の中からゆっくり浮かび上がって。

中庭にはベンチがあり、ぼんやりするのにぴったりの場所。
で、この奥に、サウナとバスルーム。

▲ お風呂は半露天タイプ。私がお邪魔したのは2月末で、熱々お風呂と冷たい空気が最高でありました。

▲ サウナは2〜3名が一度に入れそうなサイズ感。京都の町家の中庭で外気浴。こりゃぁ背徳的な響きだな……と思ったり。(笑)

室内には、クリエイティブ集団「Jazzy Sport Kyoto」がセレクトしたレコードとターンテーブルも。
影に溶けるという選択

この日は京セラ美術館に篭り、その後ディナーをハシゴ。バーに向かって、というなかなか稼働した1日となりました。
観光客で賑わう活気ある京都の夜を楽しんだ後、長風呂&ちょこっとサウナを楽しんで、キッチンでお酒をすこ〜し楽しんで。

▲ 寝室は2階に。最大で4名が宿泊可能。ナイトウエアは用意がないので要持参。
この宿に泊まって感じたのは、お疲れ気味の読者の皆様にほど来てほしい場所だなということ。
陰翳礼讃の美学は、「暗さ」を否定せず、むしろそこに美しさを見出す。
忙しい毎日を送っていると、どうしても自分の中に翳りが生まれてしまうもの。“元気じゃないと””ポジティブじゃないと!”そんな空気が世の中にはある気がしていて。
けれど、この空間なら無理をしない、凪のような気分でもいいのかなって思わせてくれる趣が。てな提案をしつつ、京都の雅な活気に触れ、静かなホテルでよくよく休めば気づけばリフレッシュできているもの。
街中の賑わいに触れながら、京都の静であり、日本の影そのものの美しさにも触れてみる、リフレッシュにそんな選択肢があることをお忘れなく。
……ちなみに、京都に訪れた時の私のスタイルはこんな感じ(写真下)。
「桜クレパスが歩いとるんか」と友達に突っ込まれるようなカラフル女でしたが、「陰翳礼讃」なる美意識に感銘を受けて。
翳りさえも似合うような、色気ある大人になりたいものです……。
■ ACOA House Nijo
住所/京都府京都市上京区下立売通六軒町西入長門町432
チェックイン/16:00 チェックアウト/11:00
宿泊料金/4万2000円〜(4名利用時、2026年3月現在、季節、人数によって変動あり)
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