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2024.01.12

俗世にまみれたなと思ったら、坐禅、写経、精進料理がオススメです

ダイナースクラブカードの会員向けイベントとして実施された北鎌倉の名刹、円覚寺での貸切特別拝観に参加してきました。僧侶の案内を聞き、坐禅、写経を経験し、精進料理をいただくことで、俗世にまみれた己をまっさらに戻すことができた、かも?

CREDIT :

文/森本 泉(LEON.JP) 

個人的には若い頃からジジ臭く、お寺やら仏像に惹かれる人生を送ってきたのですが、一方で編集者というのは、激しい勢いで変わっていく世の中に対して常にアンテナを張り続けなければならぬお仕事でもあります。

以前はその刺激が楽しいだけでしたが、歳を重ねるとそんな毎日を時にしんどく感じることも出てくるわけで。その違和感が一定値を超えると、いつもとは違う方向の電車に乗って、時代を経ても変わらぬ古い街並みを探してみたり、昔から続く喫茶店で時間を過ごしたりすることで、自分の中の何かが回復して、安心したり元気になったりということは、大人の皆さまならご理解いただけるのではないでしょうか。
北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
そんなワタクシめが先日伺ったのが、ダイナースクラブカードが会員向けに行った「臨済宗大本山 円覚寺 貸切特別拝観」なるイベント。例年大変な混雑となる紅葉の時期に、普段は行わない貸し切りで、僧侶の案内のもと、「三門(山門)」、「仏殿」や通常非公開の国宝「舎利殿」などを拝観させてくれるというのですから、さすがダイナースクラブさんです。

仕事のストレスもいい具合に溜まってきたある週末、救いを求める気分で参加させていただきました。
しかし、北鎌倉なんて何十年ぶりでしょう。電車に乗れば東京から1時間ちょっとで着くのに、鎌倉方面って意外に足が向かないものです。この日は大船に前泊して朝6時45分の集合時間の15分前には円覚寺総門前に到着。久しぶりの早起きで気分も爽快です。
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北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
▲ 三門(山門)は三解脱(空・無相・無願)を象徴するといわれ、諸々の煩悩を取り払って涅槃・解脱の世界である仏殿に至る門とされている。
円覚寺は、鎌倉時代中期、鎌倉幕府8代執権・北条時宗が建立を発願し、中国・宋から招聘された無学祖元禅師が開山。高い格式を持つ鎌倉五山の第二位として、建長寺とともに鎌倉の臨済宗を代表する名刹です。

象徴ともいえる荘厳な三門は、夏目漱石の『門』に描かれ、川端康成の『千羽鶴』では円覚寺の茶会が舞台になるなど、多くの文学作品のモチーフにもなっています。
まずは僧侶の方に三門や仏殿を案内していただき、寺の歴史や境内の説明を受けます。お勉強というよりは寺の歴史を紡いできた有名無名の人々の物語を興味深く伺ったという感じです。
北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
▲ 舎利殿には、源実朝公が宋の能仁寺から請来した「佛牙舎利(ぶつげしゃり)」というお釈迦様の歯が祀られている。
その後、本日の目玉、舎利殿へ。舎利殿は円覚寺塔頭の正続院の境内にあり、神奈川県で唯一の国宝建造物です。最初の建立は1285年頃。その後何度も火災に遭い、現在の建物は16世紀末に鎌倉尼五山の一つであった太平寺の仏殿を移築したものとか。いずれにしろ400年以上前の建築が今もきれいに残っているって奇跡に近いことです。

禅宗様式の建物は、屋根の勾配や廂の反りが美しく、軒下から扇のように伸びる垂木の広がりが、空間を壮麗に演出しています。通常かなり手前の門から覗かなければ外観すら見ることができない舎利殿の中まで入れるのは非常に貴重な体験でした。 
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北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
▲ 禅堂は僧侶が寝泊まりしながら修行を行う場。畳一畳を割り当てられて、その場で寝泊まりしながら教典を読み坐禅をする。
舎利殿の隣には、「禅堂」があり、こちらでは現在も僧侶たちが坐禅を組み修行するのに使っているそう。さらにその奥は僧侶たちが日常の作業をするスペースになっていて、洗濯する場所、料理する厨房、風呂場にトイレまで見せていただきました。これがおそらく江戸時代から殆ど変わってないんじゃないのという古風なつくりで、その質素な暮らしぶりが窺われて、非常に興味深いものでした。

その場にいた坊主頭の若き修行僧たちを見ていると、何やら甲子園球児にも通じるすがすがしさを感じるのでありました。
北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
▲ 僧侶が使う厨房。薪を焚いて食事を作っている。
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その後は場所を「大方丈」に移動して僧侶の方の特別法話を拝聴。円覚寺創建の精神や、無学祖元禅師の教えについてなど、校長先生の話を聞くような懐かしさを覚えつつ、眠くなることもなく、ありがたく聞かせていただきました。
そして、個人的にとても楽しみにしていた坐禅体験です。以前、取材で別のお寺の坐禅の現場に行ったことはあるのですが、その時は体験できなかったので期待が膨らみます。言われたとおりに座って足を組み、目を半眼にして前方下方向を見るとはなしに眺めます。
北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
▲ 坐禅のようす。円覚寺では椅子に座って行う「椅子坐禅」も実施している。
数十人が一度に坐禅を組むのですが意外と周りは気になりません。体勢も、初めての割にはどこも辛くなく、むしろ心地よい感じです。そして自分の呼吸の数を数えることに集中すると、次第に雑念も消えて穏やかな心持ちになれるような気がしてきます。ふ~。今回はほんの45分ほどではありましたが、実に爽快。コレはクセになりそうです。
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北鎌倉  円覚寺 LEON.JP
▲ 写経は簡単なようで難しい。延命十句観音経は42文字の最も短い経典として知られるが短い中に仏智の真髄が凝縮されている。
お次は部屋を移動して写経へ。「延命十句観音経」というたった42文字のお経を見本をなぞって筆ペンで書き写します。ワタクシ、子供時代、習字を習って初段ぐらいまで行ったのですが、左利きゆえ筆ペンは苦手(普通の筆は右手で書けます)。うまく書けず悔しい思いをしたのでした。
そんなこんなで時は流れ、約3時間をかけてイベントは終了。その後は希望者のみで、精進料理をいただくことに。
ちょうどお腹も空いて来たところに出てきたのが朱塗りの足つき膳に載った料理の数々。もちろん精進料理ですから肉も魚もないわけですが、これが想像以上の美味しさ! 仕事柄、いろんなお店の凝った料理をいただく機会も多いのですが、それらとは対極にあるシンプルな料理。けれども、それが驚くほど美味しいのです。
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▲ この日の精進料理。食事をする広間に行く途中、厨房を覗くと若い僧侶たちが慌ただしく動き回っていた。料理を作るのも食べるのも修行。
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季節の野菜や豆類など限られた食材ではありますが、そこに手間をかけることで、滋味深い味わいはもちろん、食感の違い、温かいもの冷たいもの、見た目の色合いなど、バリエーションも豊かで、ここまで美味しくいただけるのかと感動。この誠意を尽くした「手間」こそ本当の贅沢であるとつくづく実感しました。
身も心もすっかり満足して、半日を終えることが出来た今回の取材。お寺だ、坐禅だと聞いただけで、そんなジジくさいと拒絶しないでください。現役バリバリのオヤジさんであればこそ、ときにはまったく普段と違う体験をすることに意味があるのです。

坐禅とは自分の中に溜まった不要な澱を捨て去ってまっさらな自分になるための修行だそうです。気づかぬ間に、俗世にまみれてあたりに臭気を撒き散らしている、なんてことだけは避けたいもの。
カッコいい大人であるためには、常に新陳代謝を怠らないことが必要なのですね。だからこそ、このようなイベントが大切なのかと。さすが、ダイナースクラブさんは、わかってらっしゃると思った次第。

臨済宗大本山 円覚寺 貸切特別拝観の動画はこちらから!
北鎌倉  円覚寺 LEON.JP

● 円覚寺(えんがくじ)

住所/神奈川県鎌倉市山ノ内409  
拝観時間/3月~11月 8:30~16:30
(境内からの退出時間 17:00)
12月~2月 8:30~16:00
(境内からの退出時間 16:30)
拝観料金/大人500円(高校生以上)
小人200円(小中学生)
TEL/0467-22-0478
HP/臨済宗大本山 円覚寺

ダイナースクラブカード

HP/クレジットカードのダイナースクラブ

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