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2018.11.04

バイク?クルマ? 新感覚マシン「BRPライカー」が日本上陸!

スノーモビルや水上バイクのパイオニアとして知られるカナダのBRPが手がける「ライカー」が日本でも発表された。バイクでもないクルマでもない新時代の乗りもので、これ、意外なほどいいです。

CREDIT :

文/小川フミオ

BRP Ryker ライカー
全長2352ミリ、全幅1509ミリ、全高1062ミリ、ホイールベースは1709ミリ、シート髙は597ミリで、タンク容量は7リッター

自分をまるごと見せて楽しめる「BRP Ryker/ライカー」という新しい乗り物

BRP(ボンバルディア・リクリエーショナル・プロダクト)はカナダ・ケベックに本拠地を置く、まさにその名のとおりリクリエーショナルプロダクトを手がけていることで知られる。

2018年10月22日に日本で発表された「ライカー」をはじめ、「Can-Am(カナダ=アメリカ)」シリーズの三輪車、スノーモビルの「Ski-Doo」、水上バイクの「Sea-Doo」で世界中に市場を拡大してきた。

今回、ロサンジェルスでジャーナリスト向けの試乗会が開催されたライカーは、前2輪、後ろ1輪のシャシーに600ccあるいは900ccのエンジンを搭載したもの。「モーターサイクルの延長線上でなく新しいリクリエーショナルビークルと考えてもらえれば」と現地で会った開発担当者は語っていた。
BRP Ryker ライカー
ロータックス製900cc3気筒「ACE」エンジンは57.5kW@7100rpmの最高出力と76Nm@6300rpmの最大トルクでシャフトを介して後輪を駆動
すでに日本でも「Can-Amスパイダー」という三輪車を展開しているけれど、価格はもっともベーシックなモデルでも237万円だ。世界的に「高級(すぎる)遊び道具」という認識が支配的だった。そこにあって、今回のライカーは100万円台という(北米では8499ドルから)。

ハンドルバーの右手がスロットルになっているのは二輪車と同じ。タンクを両膝ではさむようにして乗るのも同様だ。しかしコーナリングはあくまでハンドルバーで行ううえに、ブレーキは右足のブレーキのみ、というのはどちらかというと乗用車的といえる。
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BRP Ryker ライカー
ライディングの姿勢はフットペグとハンドルバーの位置調整でかなり自由度が高い
「ツィスト&ゴー」(ひねるだけでスタート)というのがキーワードで、私が乗った900ccのロータックス製直列3気筒エンジンは76Nmの最大トルクを発生するので、発進も力強いし、加速もよかった。

仕様はストリートとラリーエディションの2モデルだ。後者のほうが少しライドハイトが高めで、かつサスペンションのストローク量が多い。世界各地から来た二輪のジャーナリストたちに評判がよかったのは、このラリーエディションだった。

マリブビーチが出発地点で、そこからパシフィックコーストハイウェイを走ったあと、マルホランドドライブなどで知られるロサンジェルスの山岳地帯へ。フリーウェイでも山岳路の上りでも、力不足を感じることはまったくなかった。
BRP Ryker ライカー
この車両は折りたたみ式のタンデム用シートを備えている
前二輪の両端をはかった幅は1509ミリ、ホイールベースは1709ミリもあるので安定感は抜群にある。フリーウェイでは時速60マイルでも不安はいっさいなし。米国の道に多いポットホール(穴ぼこ)だけは前輪でこなしたほうがいいが(後輪だとショックが大きい)、100マイルぐらいこなそうが疲労感は少ない。

コーナリングはさきに触れたようにハンドルバーで行うので、タイトコーナーで飛ばすにはちょっと腕の力が必要だ。車両を抑え込むようにして曲がっていく。場合によっては車体がボトミングしてフェンダーと車輪がこすれる音がするが、フロントが強く外へと出ていくこともないし、リアが暴れることもなかった。
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実際に乗ってみたら、こんな気持ちイイ乗り物ない!?

BRP Ryker ライカー
ラリーエディションでは出力制御などのラリーモードが選べる
ひとことで魅力を語るとしたら、たいへん気持ちがいい。二輪のような爽快感を味わいたいというひとには、二人乗りも出来るし、ライカーは適切な選択になるのではないだろうか。

体型に合わせて簡単にハンドルバーもペダルも前後の位置調整が出来るし、リバースも左足の爪先でギアを入れるタイプなので、取り回しも楽ちんだ。

ふだんは縁のないライディングウェアを着られるという点では、究極のオシャレの道具という側面もある。ヘルメット(オフロードかジェットという場合が多いようだ)やライダーズジャケットなど選ぶ楽しみが味わえる。
BRP Ryker ライカー
Sea-Dooからの応用であるユニークだけれど使い勝手のいいエンジンスタートキー
オプションでパネルが好きな色に変えられるし、オプションパーツが豊富なので、1乗り仕様、2人乗り仕様、ツーリング仕様など、車両じたいも自分好みの仕様に仕立てられる。

「これはニッチ(すきま)をねらった製品ではないと私たちは思っています。新しい市場を創造する大きな可能性をもった製品です。大きく育つ可能性があります」

BRPのエンジニアリング担当プロジェクトマネ−ジャーのバンサン・バラルディ氏は試乗会中にインタビューでそう答えてくれた。「ゲームチェンジャーになりうるものです」と胸を張っていたのが印象的だ。

フロントビューは角を生やした悪魔のようにも見える。まさに今っぽい表現だ。デザイナーのケベック人、アンドレ・コート氏によると、開発の初期段階では幾何学的なモチーフとか、自然のモチーフとか様々な可能性を検討したそうだ。
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BRP Ryker ライカー
サスペンションは前後ザックスのコイル/ダンパーユニットを採用し、リアはプリロード調整式
「あるとき若いデザイナーのスケッチを見て、これはいいと思ったんです。そのまま製品化するのは不可能ですが、ものすごく訴えかけてくるものがあるかたちでした」

若いひとが大きくかかわったプロダクトなのだ。あえて塗装もコーティングもしないボディパーツを多数採用したのはリサイクル性のためだという。これもマイクロプラスチックを廃止しようという今の問題意識にぴったり即している。時代感覚もあるのだ。

これまで同社では三輪車でもユーザーはフェラーリなみに(笑)高齢だったようだが、このライカーで「ぐっと若返らせたい」(さきの開発担当者)としている。うまくいくかもしれない。

ライカーには自動車用の普通運転免許があれば乗れる。日本では2019年3月に発売予定といい、BRPジャパンによると、ライカー600、ライカー900、それにライカー・ラリーエディションが導入されるそうだ。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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