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2018.10.14

【試乗記】BMW X2は、小型SUVの本命なのか?

最近各メーカーのSUVはクラス分けが細分化している。AudiのQ2、3、5、7、8、メルセデスのGLA、C、M、S、G。そしてBMWは、X1、X3、X4、X5、X6。そこに1と3の間を埋める、X2が登場した。その実力はいかに?

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文/小川フミオ

BMW X2 最大トルクは1350rpmから発生するので力強い
最大トルクは1350rpmから発生するので力強い

百花繚乱のSUVラインナップのなかで、X2はどんな個性を放っている?

いまSUVの世界は百花繚乱の感がある。べつの言い方をすれば、自分の好みに合ったモデルがみつけやすくなっている。スポーティなモデルがいいなら、BMW X2はどうだろう。

ゴツさよりもクーペのような都会的なモデルがいいというのは、いまっぽい選択だ。そんなひとにはBMWが発表した「X2」はいいかもしれない。比較的コンパクトな車体に、軽快なスタイリングの組み合わせが魅力的だ。

そもそもSUVは機能がすぐれていた。といっても、オンロードでもしっかり走る性能においてである。オフロード用は業務用だったが、両方をこなせるモデルが出てきて、やがて一般のひとが乗るようになった。
BMW X2 全長4375ミリ、全幅1825ミリ、全高1535ミリの4ドアボディ
全長4375ミリ、全幅1825ミリ、全高1535ミリの4ドアボディ
”ホンモノ志向”が強いひとがSUVに接すると(行かなくても)”オフロードでのデパーチャーアングルは?とか、サスペンションアームの追従性は?とか、ディファレンシャルギアのロックの形式は?”などと言ってしまう。

BMWはX2をして、SUVならぬSAC(スポーツアクティビティクーペ)と定義しているだけに、そこらの割り切りはいい。上記のようなことはあまり気にしていない(と思える)。なによりドライビングが命なのだ。

全長は4375ミリに抑えて、まさにクーペのようにリアゲートを前に倒している。コンパクトで軽快な印象を強調しているスタイリングが印象的だ。そして実際に走らせると、BMWのクーペのようである。
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BMW X2 SACというだけあってリアゲートまわりの造型感覚が軽やか
SACというだけあってリアゲートまわりの造型感覚が軽やか
このクルマはオフロードうんぬんというのでなく、まさに4ドアのクーペのように使いたい。それどころか、よりレーシー(レースカー的)なイメージがよく合っているのだ。

なにしろ、レースカーのような合成スウェード張りのシートも用意されている(「 M Sport X」に標準装備)。ブラックにイエローのステッチ。これがよく似合うクルマなのだ。

クルマのオプションは、もちろん、そのクルマの特徴を強調するためのものである。マーケティング部門が主導することはあっても、デザイナーが力を貸す。X2のスポーツシートは”走りを楽しんで”をというメッセージを強力に送ってくる。

エンジンラインナップは2種。スポーティなMスポーツが人気?

BMW X2 ガルバニックゴールドというボディカラー
ガルバニックゴールドというボディカラー
X2には1.5リッター3気筒エンジンと前輪駆動を組み合わせたX2 sDrive 18iと、2リッター4気筒エンジンに4輪駆動のX2 xDrive 20iがある。それぞれによさがあるけれど、とくに人気が高いのは後者のM Sportだとか。

X2 xDrive 20i M Sport XにはMスポーツサスペンション専用装備される。加えて、マニュアルシフトが出来る8段の「スポーツマチックトランスミッション」と、扁平率45パーセントのタイヤも備わる。いろいろな点でスポーティに仕上げられているのだ。

BMWのシンボルであるキドニーグリルは上下から圧力をかけたかのように薄く、そして横に広がり、シャープなヘッドランプと大型のエアダムとで、M Sportのコンセプトがマッチしている。

「エクストリーム・スポーツにインスパイアされたエクステリア・デザイン」とBMWがするスタイリングを持つ。たとえばフローズングレー色のトリムがフロントバンパーの一部やホイールアーチに設けられているといった具合だ。というわけで、X2に乗るなら、とことんスポーティに、というのはいいと思う。
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BMW X2 M Sport Xのステアリングホイールはパドルシフトつき
M Sport Xのステアリングホイールはパドルシフトつき
走りもSACというだけあって、ユーティリティよりアクティビティ(行動性)に重点が置かれているのがわかる。2リッターエンジンは141kW(192ps)の最高出力と280Nmの最大トルクを発生する。十分すぎるパワーといえる。シャシーの剛性感は高く、ステアリングホイールの操舵感覚は適度に重厚だ。足回りもしっかりしていて、軽薄さはみじんもない。

スピードを上げていくとより落ち着いてきて、コーナリング時に”いいクルマを買ったことを嬉しく思えるのではないだろうか。たいていクルマというのは、外出先で停めたときの姿を見て改めて自分の買い物を自己評価するのだけれど、X2は動いているときの一瞬で好きになれる希有なクルマといえるかもしれない。
BMW X2 M Sport X専用のアルカンターラ張りのスポーツシート
M Sport X専用のアルカンターラ張りのスポーツシート
スポーティなSUVということでX2 xDrive 20i M Sportのライバルを探すと、ミニ・クーパーSクラブマンやメルセデス・ベンツGLAがまず思いつく。でもどちらもここまでスポーティに振ったスタイリングではない。その点でも存在感は際だっている。

スタイリングで選んでも、ドライブの楽しみもちゃんと備わっている。その意味でX2はまさに旬なのだ。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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