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2018.09.23

【試乗】 レクサスUX登場。話題の小型SUVの詳細をリポート

いま最も人気の小型SUVに真打ちともいえるモデルが登場する。2018年、各国の自動車ショーでお披露目されたレクサスUXだ。その全貌がついに明らかになった。スウェーデンで行われた試乗会からジャーナリスト小川フミオがリポートする。

CREDIT :

文/小川フミオ

全長4495ミリ、全幅1840ミリ、全高1540ミリ
全長4495ミリ、全幅1840ミリ、全高1540ミリ

海外で話題を呼んだレクサスの小型SUV

レクサスがいまコンパクトサイズのSUVを準備中だ。その名は「レクサスUX」。2018年に海外の自動車ショーで公開され、そのあと、順繰りに各地のイベントを巡回してくるうちに、話題性はどんどんふくらんできた。

そしてついに、ホンモノに乗ることが出来た。2018年9月のストックホルムで欧州仕様による国際試乗会が開催されたのだ。スウェーデンの首都が選ばれた理由は、「グローバルな魅力を持った国際都市だから」とレクサスの担当者は語った。
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L字型のクリアランスランプが眼をひく
レクサスUXは全長4.5メートルのSUVで、現行の「レクサスNX」より約15センチ短い。全高も約10センチ低い。レクサスでこのクルマのチーフエンジニアを務める加古慈氏は「(運動性能や快適性で)ハッチバックに負けたくない」と語っている。

SUVのタフさとハッチバックのスポーティさをクロスオーバーさせたモデルがレクサスUXなのだ。実際にストックホルムでの試乗では、「市街地でのドライブも積極的に味わってほしい」と言われた。

用意されたのは、2リッターガソリンエンジンの「レクサスUX200」と、2リッターガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた「レクサスUX250h」だ。基本的に同じエンジンだが、前者のほうが最高出力は高い。後者はエンジンパワーは抑えられているが、電気モーターがたっぷりのトルクを加えてくれる設定である。
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スピンドルグリルの幅が少し狭く、縦に延びているのが特徴的

加速性能も上々。ハイブリッドがいい感じ!?

前出の加古氏はミレニアル世代や女性のユーザーを積極的に獲得していきたいと話していたが、レクサスUXは男にも魅力的だ。理由はこれまでのレクサスのSUVとは、操縦感覚がまったく別ものだからである。

ひとことで言うと、レクサスUXは楽しい。出足は鋭く、ハンドリングはたしかで、車体の反応はよくて意外なほどスポーティ、そして乗り心地も快適なのだ。コンパクトな車体も、これで充分と言うひとは多いだろう。少なくとも175センチ超の男4人が楽々乗っていられる室内スペースを持つ。

とりわけ感心したのがハイブリッドの「UX250h」だ。エンジンの最高出力は107kW(145ps)で最大トルクは188Nm。そこにモーターの202Nmが上積みされる。専用にマッチングさせたというハイブリッドシステムのおかげか、加速時の反応は期待以上だ。中間加速も充分。気持ちよく、力強い走りを体験させてくれるのだ。
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面と線がかなり強い印象を作り出している
個人的には、ガソリンエンジン(あるいはディーゼルエンジン)と、ハイブリッドシステムの2車がある場合、たいてい内燃機関仕様のほうに軍配をあげてきた。しかしレクサスUXでは初めてハイブリッドを積極的に選んでいいと思ったのである。

乗ったクルマは18インチのランフラットタイヤを履いていたが、多少荒れたカントリーロード(ストックホルムは郊外に出るとすぐに田舎道になる)でもゴツゴツと感じることはなかった。しかもダンピングをはじめとしたサスペンションの設定はうまく、快適性が高い。

ステアリングは中央ふきんでもしっかり微少領域のコントロールが出来るようになっている。味付けはやや重め。高速巡航時などの直進性を担保するためだろうか。個人的には好みの重さだ。
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女性も快適に操作できるようにコントロール類の配置などに気をつかったという

インテリアから開発が始まった!?

とばすのが好きなひとなら、126kW(177ps)に205Nmのガソリンターボである「レクサスUX200」の、それも足回りをすこし固めた「Fスポーツ」仕様がいいかもしれない。専用のグリル、専用の内装と、オーナー心をくすぐる仕掛けもいろいろある。

それでも「レクサスUX250h」のオールマイティぶりには感心させられた。ドライブモードセレクターで「ノーマル」に加えて「エコ」と「スポーツ」(さらにガソリン車には「スポーツ+」も)が選べるので、これを適宜使うだけで充分楽しめる。

ストックホルムの市街地は自転車と歩行者が縦横に入り乱れているかんじで、気が抜けない。レクサスUXには昼夜とわずの歩行者検知、昼間の自転車検知といった機能もついている。欧州でも評価される技術だろう。

田舎道でも別の意味で気が抜けない。見晴らしはいいのだが、小さな集落では制限速度が時速30キロになる。このときちょっとでも速度違反をして検挙されると厳しい罰則が科せられる(はっきり思い出せなくてすみません)。そのとき交通標識を読み込んでくれるロードサインアシストのお世話になった。
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シートはぜいたく路線を追究しているが座り心地など快適
「このクルマの開発はインテリアから始まっています」。加古氏はレクサスUXを乗員中心で設計したとしている。着座位置はいわゆるSUVほど高くなく、ハッチバックほど低くない。見晴らしもそれなりによい、適切な目線が確保されていると感じた。

造型は従来のレクサスのイディオムにのっとったもので、いくら新しいカテゴリーに属するクルマとしても、専用部品を存分に開発するのはコスト面でむずかしいのだろう。斬新さはそれほどでもないが、機能的で、居心地がいいのはたしかだ。

新しさでいうと、オーディオコントローラーがアームレストの先端についたことがあげられる。PCのキーボードを打つときのように手首を支点にして、あとはブラインドでオーディオ音量や曲の選択などが行える。

近い将来、音声コントロールにとって代わられてしまうかもしれないが、物理的操作感は上質なオーディオにとって重要だし、そこは変わってほしくないので、こういう触感は残るといいなと思う。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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