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2018.08.12

新型メルセデスベンツAクラスに見るクルマの未来

高級車のコンパクト化に先鞭を付けたAクラスもついに四代目。若返りを掲げた新型だが、その内容はクオリティ感と未来への展望を感じさせるものだった。その理由にジャーナリスト小川フミオが迫る。

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文/小川フミオ

全長4419ミリ(現行モデル+120ミリ)、全幅1796ミリ(同+16ミリ)、全高1440ミリ(同+6ミリ)
全長4419ミリ(現行モデル+120ミリ)、全幅1796ミリ(同+16ミリ)、全高1440ミリ(同+6ミリ)
フルモデルチェンジを受けたメルセデス・ベンツAクラスの試乗会が、2018年4月にクロアチアで開催された。

クロアチアはアドリア海をはさんでイタリアの対岸に位置し、メルセデス・ベンツでも「休養を求めているひとにとってのパラダイス」としている。

1990年代までは紛争の絶えなかった地域だが、いまは年間1300万人の観光客が訪れるという。美しい海岸線で知られ、大小の島が浮かぶ光景は瀬戸内海を思わせる。

それにもまして有名になったのは、2018年サッカーワールドカップでフランスと優勝を争ったことである。

その海岸線と低い山並みと、それらを縫うようにして走る高速道路が新型Aクラスの試乗コースだった。
クロアチアのスプリットそばの街の風景
クロアチアのスプリットそばの街の風景

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キャビンはかなり大きくみえる
キャビンはかなり大きくみえる
4代目になった新型Aクラスは、1.33リッターエンジンの「A200」と2リッターの「A250」。2本立てでの試乗だった。

シャシーも新開発で、乗った印象は、おどろくほど大人っぽいというか、現行モデルよりはるかに質感があがっていた。

クロアチアの海岸線を走り出してすぐそれを感じた。ステアリングホイールを切ったときの重さ。それに対する車体の反応。独特の“ため感”があって、後輪駆動のCクラスを思わせた。
新世代の“シャークノーズ”が特徴的
新世代の“シャークノーズ”が特徴的
速度があがっていくと、乗り心地はしっとりしていく。165kW(224ps)の最高出力を持つA250はやや硬めの脚まわりで、これは多少好みがわかれるかもしれないが、A200はしっとりとしている。

120kW(163ps)の最高出力は現行のA180の1.6リッターユニット(90kW/122ps)よりだいぶパワフルで、それを実感させる加速力なのだが、いっぽうでサスペンションはていねいに路面の凹凸を吸収。落ち着いた走りだ。

メルセデス・ベンツではブランドの若返りを狙っているとのことだが、ぼくは、新型Aクラスはむしろおとなが乗っても不満のない出来だと感じた。

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10.25インチのディスプレイが2枚並んだバージョン
10.25インチのディスプレイが2枚並んだバージョン
メルセデス・ベンツが「若返り」の秘策としているのが、新搭載の「MBUX」だ。メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンスの頭文字を組み合わせた新世代のインフォテイメントシステムである。

そのシステムのひとつはスマートデバイスとの連動。車両の情報が自分のスマートデバイスで読み取れ、レッカー移動されたり、盗難に遭いそうになった場合もすみやかに通知が届く。

もうひとつは、スマートデバイスがキー代わりになるデジタルアクセスキー。スマートデバイスを持っていればドアのロックとアンロック、エンジンスタートなどが出来る。

三つめはボイスコントロールシステムだ。「ヘイ、メルセデス」と呼びかけるとシステムが作動して、窓の開閉など安全性にかかわることを除き、空調やオーディオやシートヒーターなどの操作ができる。

さらにカーシェアリングにも対応している。登録しているひとに(デスクトップコンピューターなどで)許可を出せば、そのひとはデジタルアクセスキーと同様、自分のスマートデバイスで車両を運転できる。
Mercedes meのアプリを使うとスマートデバイスで車両の状態がわかる
Mercedes meのアプリを使うとスマートデバイスで車両の状態がわかる
インテリアデザインも、10.25インチのタブレット型スマートデバイスを2枚立てたようなダッシュボードと、Sクラスゆずりのタービン型エアベントという、斬新さと伝統とを合体させた意匠が新鮮だ。

スマートデバイスのように使えるといっても、メルセデス・ベンツでは手動でも出来る余地を残してくれている。センターコンソールのタッチコントロールも使えるのだ。

だが、「ヘイ、メルセデス」は慣れると便利だ。小さな声でも反応してくれたりするので嬉しいし、たとえばオンナのコと乗っているときもカッコつけられる。

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「ヘイ、メルセデス」と呼びかけたら「なにをしたいですか?」と応えた
「ヘイ、メルセデス」と呼びかけたら「なにをしたいですか?」と応えた
ぼくはオンナのコと一緒ではなかったが、クロアチアの陽光の下、「ヘイ、メルセデス。ちょっと暑いんだケド」と(英語で)言ったところ、「温度を1度C下げますネ」とクルマが応じてくれた。

こういうことを体験すると、自動車の少し先の未来はAクラスの向かう先にありそうだと、ぼくもメルセデス・ベンツの確信をシェアする気になったのだ。

新型Aクラスは2018年秋には日本にも導入されるようだ。MBUXが最初から使えるのかは現時点では不明である。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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