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2018.05.22

スーパーGT300クラス 第3戦@鈴鹿 

レクサス、トヨタ、スバルの国産車が表彰台。ランボルギーニ、メルセデス勢はわずかに届かず…

昨年の1000㎞から300㎞へ。耐久から高速レースへと様変わりした鈴鹿でのスーパーGT。予選からコースレコード・タイムが続出するなか、メルセデス・AMG GT3を駆る65号車LEON RACINGは、いかに戦ったのかーー。

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取材・文/大谷達也、近藤高史(LEON)

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 開幕戦の岡山国際と第2戦・富士を2戦連続の4位で終えたLEONチーム。この結果、チャンピオン争いでは合計16ポイントを手に入れて5番手につけているが、ポイントを獲得すればするほど多くのウエイトハンデを科せられ、勝利から遠ざけられるのがスーパーGTのルール。第3戦・鈴鹿で65号車、LEON RACINGが積んだウェイトは実に32kg。1kg、いや100gを削るために懸命の努力を行うレーシングカーにとっては、つらいハンディキャップだ。
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名物の観覧車が見守る鈴鹿サーキット。今年から300㎞レースになり、タイヤの消耗が気にならなくなったり強風の影響でまれに見る高速レースとなった。32㎏のウエイトハンデを背負って戦ったLEON号。
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 公式練習と公式予選が行われた土曜日は強い風が鈴鹿サーキット周辺に吹き付けた。メインストレートでは追い風となって最高速度を伸ばす効果が期待されたが、高速道路を走っていて横風を受けると進路を乱されるのと同じように、必ずしもメリットばかりを生み出すとは限らない。そんな難しいコンディションのなか、午前中の公式練習でLEON号は10番手タイムをマーク。今戦からLEONチームは、同じAMG GTでも2018年モデルの新車を投入していたが、「クルマがシャキっとしたように感じる(黒澤治樹選手)」ことはあってもセッティング自体を大きく変更する必要はなく、走り始めから順調に準備を進めることができた。

 午後に行われたノックダウン方式の予選では黒澤選手がQ1に出走。走行を開始して3周目に1分57秒570、4周目に1分58秒253をマークしたところで他チームの1台がコースアウトしてクラッシュ。その車両を回収するために赤旗が提示されてセッションは一時中断とされた。およそ10分間の中断の後、Q1は残り6分間で再開されたが、黒澤選手はあえてコースインしなかった。タイヤの消耗を防げるうえ、これ以上、記録を更新するのは難しいとの判断からだった。案の定、セッションが再開されてからもLEONチームの記録を上回るチームはなく、14台が通過できるQ1を11番手で突破。続いて行われたQ2では蒲生尚弥選手が1分56秒643の好タイムをマーク。翌日の決勝レースに6番グリッドから挑むことが決まった。
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五月晴れに恵まれた第3戦。日本における最高峰のモータースポーツを心待ちにしていた3万3000人という観衆がサーキットに訪れた。
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迎えて日曜日も晴れ。前日の風もだいぶ収まって、穏やかな五月晴れとなった。スタートドライバーを務めたのは黒澤選手。恒例のローリングスタートは無事に乗りきったものの、LEON号が装着するブリヂストン・タイヤは、長い周回数を安定したラップで走り切れるいっぽう、適正な温度域までウォームアップするのにやや長めの時間を要する。この影響等もあり、オープニングラップは7番手、2周目には8番手とポジションを落としたものの、その後は安定したペースで周回を重ねていく。さらに13周目にはGT500

クラスの1台がコースアウトしたため、これを回収するためにセーフティカーが出動。全車、ゆっくりしたペースで周回を重ねることになる。

 と、ここでレースが動いた。ペースが遅いセーフティカーの出動中にピットストップを行えばロスタイムを最小限に抑えられ、レースを有利に展開できる。もっとも、スーパーGTではレース周回数の1/3を越えないとルールで決められたピットストップを消化したとは見なされない。その1/3の周回数を間もなく迎えるため、チームによってこのタイミングでピットストップを行うか、当初の予定どおりレースの折り返し付近でピットストップを行うかで判断が分かれた。

 結果的にセーフティカーランが終わったのは1/3を迎える直前だったが、この頃から徐々にピットストップを行うチームが現れる。LEONチームもやや早めの18周目にピットストップ。タイヤ交換をフロントの2本にとどめて作業時間を短縮するとともに、給油、蒲生選手へのドライバー交代を済ませてコースに復帰した。この影響で一時20番手以降までポジションを落としたLEON号は、上位陣がピットストップを行うたびに順位を上げ、33周目には元の8番手まで挽回。終盤戦に向けて、蒲生選手の追い上げに期待がかかった。

 ところで、GT300クラスのトップを走るチームはタイヤを1本も交換しないタイヤ無交換作戦でピットストップ時間を短縮し、一時的にポジションを上げていたが、タイヤの摩耗が進むに連れてペースダウン。結果的に8番手のLEON号までがひとつのかたまりとなって走行する緊迫した状態となる。その後もトップを守り続けたこのチームが、後方からのプレッシャーに敗れて36周目に首位から陥落すると、まるでドミノ倒しのように次々と順位が入れ替わり、LEON号もレース終盤の48周目にこの車両をパス。7位となってチェッカードフラッグを受けた。

 結果的にスターティンググリッドからひとつ順位を落としてのフィニッシュとなったが、ドライバー、メカニックともにひとつのミスもなくレースを戦い終えることができた。しかも今回も4ポイントを追加することに成功。こうした地道のポイントの積み重ねが、シリーズ終盤の順位争いで大きな意味を持ってくるのだ。いっぽうで、チャンピオンを狙うには大量ポイントを獲得する必要もあるのは確か。そのためにも、1戦1戦をミスせず着実に戦い、勝利のチャンスをうかがうことが重要となる。

 次の第4戦はシリーズ唯一の海外戦。6月30日〜7月1日に灼熱のタイ・ブリーラムで開催される。現在、シリーズ・ポイントで6位につけるLEON RACING。1位から8位までが僅か10ポイント差という大激戦を抜け出すチームは、果たしてーー。
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鈴鹿サーキットに出展していたメルセデス・AMGのブースを訪れたLEON RACING LADYの4人。第2戦・富士で実際に使用していたブリヂストン・タイヤの展示や、話題の新車がズラリ。

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