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2017.11.11

575馬力! ジャガーの新型サルーンは、大人な顔したスーパースポーツだ!

ジャガーが575馬力という超がつくほど高性能の高級サルーン、XJR575を発表した。スポーツカーなみの性能をクラフツマンシップで仕上げられたボディに秘めたスペシャルとして大人の男は注目してほしい。

文/小川フミオ

ジャガーの魅力を最大限に味わえるパフォーマンスサルーン

余裕あるサイズの車体にパワフルなエンジンを搭載したのがパフォーマンスセダン。メルセデスAMGなどがすぐ思い浮かぶ。他国でこれに並ぶクルマは稀ともいえるが、数少ない例外がジャガーだ。

ここで紹介するのは、2017年秋に(本国で)登場したばかりのXJR575だ。ひとことでいうと、ドイツ勢の強力なコンペティターである。
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低めの車体に大型フロントスポイラーやスリットの入ったボンネットが迫力
後席に好んで乗るひとも多いジャガーXJサルーンをベースに、ハイパワーの5リッターV8エンジンを搭載したモデル。なにしろ575馬力だ。
 
これまで存在したXJR(550馬力)の代替モデルで、このようにパワーは25馬力もアップしているのが特徴である。
 
LEON.jpを読んでいるひとなら、洒落者のチョイスというものに興味があるだろう。誰もが認めるブランド性も大事だけれど、自身の価値観に従った選択を重視してこそ、とおもうのだ。
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コネクティビティやインフォテイメントの充実ぶりは高性能仕様でも変わらない
ジャガーはそんな選択眼にかなうブランドだ。いちどでもステアリングホイールを握った経験があれば、そのよさがわかる。XJR575はジャガーというブランドの魅力を、極限にちかいかたちで味わうことの出来るパフォーマンスサルーンだ。
 
実車に接したのはポルトガル。さきに紹介したXFスポーツブレークと同じタイミングで、たっぷりと試乗のチャンスをもらえたのだった。

観光都市ポルトから内陸部に入ったところに拡がる、ワインぶどう畑が拡がる山岳地が試乗コース。秋だったので色づく葉が美しかった。
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全長5130ミリの堂々たる大きさ
乗ったのは、特別色で仕立てられた仕様。ジャガー・ランドローバーのSVO(スペシャルビークルオペレーション)によるベロシティブルーという青色が目をひくモデルだ。
 
ボンネットのツインルーバーや赤色のブレーキキャリパー、さらにグロスブラック塗装のホイールが、専用の「575」のプラックとともに外観上の識別点である。
 
内装面ではダイヤモンドステッチを座面中央部に使い、馬力を表す3ケタの数字をヘッドレストレイントに大きく刺繍しているのが目立つ。
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外観を超えた真価は、乗って初めて分かる

オーナーにとっての価値は、じつはそれ以上だ。操縦すると、外観上の特徴をはるかに超えた価値のあるモデルだからだ。
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グロスブラックのホイールと赤いブレーキキャリパーが目をひく
弾けるような加速感にまず驚かされる。1.8トンという重量級の車体だが、軽々と発進する。アクセルペダルの動きにも敏感だ。ペダルに載せた足の力にあわせて、クルマは瞬時に加減速するので、気持ちがいい。
 
ハンドリングはすなおで、かつ車体の反応は意外なほどシャープだ。コーナーではV8エンジンを載せたノーズがすっと内側を向き、次に最大トルク700Nmという力を活かして後輪がどんっとばかりに車体を押しだす。
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575というシートバッジの刺繍とパーフォレーテッドレザーをキルト仕立てにしたシートが専用となる
こうなるとロケット的感覚だ。ワインディングロードではコーナーからコーナーの距離があっというま。足まわりはしっかりとふんばり、豪華な4ドアでいながらまるでスポーツカーの感覚といえる。
 
高速では静かで、意外なほどのんびりと快適に乗っていられる。足回りは堅めのはずなのだけれど、しなやかに動いてくれる。
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エレクトロニックアクティブディファレンシャルで髙出力をうまく駆動力へと変えている
振動の吸収もみごとで、足裏にはなんのバイブレーションも伝わってこない(これは大事なこと)。毛足の長いカーペットは“高級がわかっているなあ”と感心させられる。
 
「タッチプロ」とジャガーが名づけたタッチスクリーン式のモニターによるインフォテイメントシステムも使いやすく、英国のオーディオブランド、メリディアンのサウンドは上品で清冽なかんじを受ける。
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いたるところに「575」の文字が(写真はダッシュボード)
パワフルなのに上品で、品格があるという印象だ。同乗者のもてなしにも、この快適性と空間の広さゆえ、たいへんすぐれている。XJR575でのドライブデートは彼女にも鮮烈な思い出を残してくれるはずだ。

日本での価格は1887万円。納車は2018年初頭からという。人生を楽しむすべを知っているひとは、このクルマ、試してみてほしい。

●小川フミオ

ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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