フルモデルチェンジを遂げたカムリは“いいクルマ”になった

カムリは北米で38万台、中国で10万台、サウジアラビアやUAEを含むGCC(湾岸協力理事会)で5万台を記録(すべて2016年に実績)。トヨタでは「グローバルミッドサイズセダン」と名づけている。
今回の新型カムリは2017年初頭に北米仕様としてベールを脱いだ。最大の特長は、一見すると少し難解な、TNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)なる最新のクルマづくりが採用されたことだ。

女性も喜ぶ極上の乗り心地を実現した新型カムリ
しかし新型カムリに乗ると誰でも“セダンっていいじゃない”と思うはず。落ち着いた走りと、剛性感の高いボディ、それに余裕あるサイズの室内は女子ウケもいいだろう。

乗るとかなりスムーズ。電気モーターで音もなく走るし、負荷が増えると(ある程度速度が上がると)エンジンが始動する。トヨタのハイブリッドの流儀として2つのパワートレインの移行はきわめて静か。音もなく行われる。
モーターの恩恵もあり低回転域でのトルク感はたっぷり。まったく車体の重さを感じさせず、かつ新設計のサスペンションを得たことで、乗り心地はとてもしなやかだ。
ニッケル水素に対してより軽量のリチウムイオン電池を採用したこともあるだろう。飛ばしても重い電池にサスペンションが負けて、いわゆる底つき感が出るようなこともなく、きわめてソフトな乗り心地だ。

必然的に「運転がうまい人」だと思われる仕掛けがある
新型カムリの特徴としてトヨタ自動車の開発車は「意のままの走り」を挙げている。実際にステアリングホイールを切ったときの車体の反応のよさには驚く。
ドライバーはコーナーに入るとき、だいたい曲がり方をイメージすることが多い。速度との関係もあるけれど“この大きさのコーナーだったらあっという間に抜けたい”とか“このコーナーは横Gを強く出さずにきれいに曲がりたい”とか。

サスペンションシステムが車体のロールを制御したりブレーキへの介入が上手に行われるせいだろう。え?と驚くほどカムリではコーナーが実に気持ちよく曲がれる。この感覚は一度体験するべきだろう。
さきに触れたように車体のロールも制御されているため、乗員のからだが振られて不愉快な思いをすることもない。つまり、カムリなら助手席の女性に“運転がうまい”と思われるということだ。
コーナーが連続する道ではドライブモードでスポーツを選ぶとよりしゃっきりしたかんじになる。ドライブモード切り換えスイッチなどついていてもいなくても同じようなクルマもあるけれど、カムリはきちんと2つの異なるキャラクターを楽しめるだろう。

街中でふと見かけたときに“きれいだな”と思わせるスタイリングだ。言い換えれば趣味のよいプロダクトなのだ。プレミアムセダンのマーケットでは、メルセデス・ベンツやBMWが大御所だけれど、カムリでトヨタは新しいポジションを築いたとさえいえる。
ファッションがカジュアル化しつつあっても、やっぱりスーツを着ると身も心もひきしまる。そんな人に、セダンはいいと思う。遊びや趣味は人生でもっとも大事なもののひとつだけれど、フォーマルは生きていくひとつの指針になるものだ。セダンというのはそういう生き方にぴったり合う乗りものである。女性たちもそれにはきっと同意するのではないだろうか。
カムリは前輪駆動で価格は329万4000円からとなる。
エンジンの最高出力は131kW (178ps)、最大トルクは221Nm、電気モーターの最大トルクは202Nmと大きい。
後席は広いうえに着座位置が極端に低くなく乗り降りも楽なのがいい。
エンジンの最高出力は131kW (178ps)、最大トルクは221Nm、電気モーターの最大トルクは202Nmと大きい。
カラーヘッドアップディスプレイも用意されている。
助手席側にはソフトパッドの使用領域を増やすなどやさしい印象のある室内。
運転支援系の操作類はステアリングホイールスポークの右がわに、オーディオを含めて情報操作系は左がわにまとめられている
トランク容量は524リッターとハイブリッドながらかなり大きい。
ドライブモードセレクターやEV走行優先スイッチなどがセンターコンソールに。
安全装備はプリクラッシュセーフティシステム、レーンデパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールに加え、後退時に衝突を軽減・回避するシステムもオプションで。
カムリは前輪駆動で価格は329万4000円からとなる。
エンジンの最高出力は131kW (178ps)、最大トルクは221Nm、電気モーターの最大トルクは202Nmと大きい。
後席は広いうえに着座位置が極端に低くなく乗り降りも楽なのがいい。
エンジンの最高出力は131kW (178ps)、最大トルクは221Nm、電気モーターの最大トルクは202Nmと大きい。
カラーヘッドアップディスプレイも用意されている。
助手席側にはソフトパッドの使用領域を増やすなどやさしい印象のある室内。
運転支援系の操作類はステアリングホイールスポークの右がわに、オーディオを含めて情報操作系は左がわにまとめられている
トランク容量は524リッターとハイブリッドながらかなり大きい。
ドライブモードセレクターやEV走行優先スイッチなどがセンターコンソールに。
安全装備はプリクラッシュセーフティシステム、レーンデパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールに加え、後退時に衝突を軽減・回避するシステムもオプションで。