
ひとことでは語れない、マルチな魅力
2017年5月に日本で発表された新型ランドローバー・ディスカバリーは、見た目も使い勝手もよい、よく出来たSUVの見本のようなモデルである。
オシャレなキャンプ用ビークルともいえるし、大人数用の機能的な移動手段ともいえる。それでいて堅牢さも感じさせるスタイルは、頼りになると女子ウケもまことによろしい。

さらにスマートフォンなどを使って遠隔操作でシートアレンジなどを事前に設定できるなどハイテク満載なのも、新世代の快適性として大いに評価できるポイントだ。

ようするにひとことで語るなら、おもてなし感覚に満ちたモデルなのだ。室内のクオリティは高いうえに、ぜいたくさを感じさせてくれる作りも女子には大いに喜ばれるだろう。

シートアレンジはスマートフォンで出来ると書いたが、もちろん現場でもごく簡単な操作で3列目シートの操作が出来る。折りたためば広大な荷室が広がる。
このクルマに接すると、この多様な性能を使い倒せることこそ、真にぜいたくなライフスタイルを持っていることの証明だと思えてくる。

2つのエンジンを用意した新型はオンロードでも優等生
ひとつは3リッターV型6気筒ガソリンエンジン。スーパーチャージャーを備え、250kW(340ps)の最高出力と450Nmの最大トルクを発生する。
もうひとつは3リッターV型6気筒ディーゼルエンジン。こちらはターボチャージャーにより190kW(258ps)の最高出力と600Nmという大トルクを発生する。さきにレンジローバーに搭載されて日本でも紹介されているエンジンだ。

どちらのエンジンもすばらしい。ガソリンエンジンは力がたっぷりあってかつスムーズ。アクセルペダルのわずかな動きにも敏感に反応する。高級な雰囲気満載である。
ディーゼルエンジンは、「最初から(ディーゼルと)わかっていなければガソリンエンジンだと思うのでは」と日本法人のエンジニアが言うだけある。静かで、よく回り、力がたっぷり。4リッターを超えるガソリンエンジンのようだ。

よく動き路面の凹凸をていねいに吸収するサスペンションシステムといい、すなおな操縦性といい、気持ちいいフィールのパワートレインといい、たしかに乗用車としても最上位にランキングしたい出来のよさだ。
路面からの音も窓まわりの風切り音もごく低く抑えられているし、オーディオシステムのクオリティも高い。レッグルームが954ミリもある第2列の快適性はロングホイールベースのセダンなみといってもいいだろう。
オプションで装備可能な2名ぶんの第3列シートは、英国生まれだけあって?身長190センチ級のおとなにまで対応。空間的余裕はたっぷりあるのに驚くほどだ。
シートアレンジをスマホからコントロール可能

車両から外部への発進に加え、スマートフォンによる操作も充実しているのがセリングポイントなのだ。
最大8基のデバイスに対応するWiFiホットスポットを装備することも出来るし、「リモートプレミアム」と呼ばれるアプリで外部からの操作が可能だ(ともにオプション)。

“今日はゴルフだから3列めは折りたたんでおこう”とか逆に“今日は子どもたちを乗せるからフルで7人乗りでいこう”とか、使用状況に応じて簡単な操作で電動シートのアレンジが決められるのだ。
部屋で信号を送っておけば乗りこむときにはシートアレンジがすでに整っている。ドアやウィンドウ開閉やエアコンの設定なども外部の端末で操作できる。
旅行やスポーツに行ったとき、かなり注目を集めるであろう装備ではないか。意のままに使えるのが高級車という論に従うなら、新型ディスカバリーはトップクラスのもてなしを提供してくれる。

価格は、ガソリンエンジン「HSE」が779万円、同「HSE LUXURY」が881万円。後者は電動パノラミックルーフ、シートヒーターおよびクーラー、デジタルTVチューナー、前後席プレミアムカーペットマット、センターコンソールクーラーボックス等を備える。
さらに、パワーテールゲートがハンズフリータイプに、専用デザインの20インチホイール、サブウーファーを含めて14個のスピーカーからなるメリディアン・サラウンドサウンドシステム、形状の違うシート等も「HSE LUXURY」の特徴だ。
ディーゼル「HSE」は799万円、同「HSE LUXURY」が901万円。装備のちがいはガソリンと同様である。
オプションとしては下記のものがある。SOS緊急コールなどを備えた「インコントロールプロテクト」、自動緊急ブレーキ、アダプティブクルーズコントロールなどからなる「ドライブプロパック」、電動調節可倒式ドアミラー、5+2シート(7人乗り仕様)、アダプティブLEDヘッドランプ、リモートインテリジェントシートフォルドパック、360度パーキングエイド。

なかでもオフロードで実力を発揮する「テレインレスポンス2オート」「オールテレインプログレスコントロール」などに加え「レーンキープアシスト」や居眠り防止機能つきの「ドライバーコンディションモニター」といった先進的安全装備も搭載。
さらに21インチリム径の専用アルミホイールや、車体色に合わせたルーフカラーの採用などもファーストエディションならでは。ぜいたくだけれど新型ディスカバリーの魅力満載の仕様だ。
全長4970ミリ、全幅2000ミリ、全高1890ミリと大型の車体
190kWの 3リッターV6ディーゼルも250kWの3リッターV6ガソリンもともにすぐれている
オンロードでの快適性は上質なセダンなみ
フローティングルーフともよばれピラーとつながっていないような視覚効果を持つルーフが特徴的
理知的なレイアウトのダッシュボードでギアセレクターは伝統の円筒形にこだわる
レッグルームが954ミリもあり広々とした第2列シート
第3列もレッグルームが851ミリありおとなに十分な広さが確保されている(5+2シートはオプション)
バンパー部分にボリュウム感をもたせたスタイリングはレンジローバー・イヴォークを想起させる
「ファーストエディション」用21インチリム径のホイール
Cピラーが前方に向いて傾いていて躍動感を感じさせる
「ファーストエディション」にはオフロードで効力を発揮する「ケイバビリティプラスパック」が標準装備されている
高速では自動的に車高を下げて空力を向上させるなどするエアサスペンションシステムが標準装備
リアゲートを開けたところのボタンでシートアレンジがコントロールできて便利
シート表皮のオプションは豊富
ホイールベースは2925ミリもある
写真のボディカラーはモンタルチーノレッド
オールテレインプログレスコントロール(オプション)は自動で設定速度を守りながら悪路の上り下りを行う
全長4970ミリ、全幅2000ミリ、全高1890ミリと大型の車体
190kWの 3リッターV6ディーゼルも250kWの3リッターV6ガソリンもともにすぐれている
オンロードでの快適性は上質なセダンなみ
フローティングルーフともよばれピラーとつながっていないような視覚効果を持つルーフが特徴的
理知的なレイアウトのダッシュボードでギアセレクターは伝統の円筒形にこだわる
レッグルームが954ミリもあり広々とした第2列シート
第3列もレッグルームが851ミリありおとなに十分な広さが確保されている(5+2シートはオプション)
バンパー部分にボリュウム感をもたせたスタイリングはレンジローバー・イヴォークを想起させる
「ファーストエディション」用21インチリム径のホイール
Cピラーが前方に向いて傾いていて躍動感を感じさせる
「ファーストエディション」にはオフロードで効力を発揮する「ケイバビリティプラスパック」が標準装備されている
高速では自動的に車高を下げて空力を向上させるなどするエアサスペンションシステムが標準装備
リアゲートを開けたところのボタンでシートアレンジがコントロールできて便利
シート表皮のオプションは豊富
ホイールベースは2925ミリもある
写真のボディカラーはモンタルチーノレッド
オールテレインプログレスコントロール(オプション)は自動で設定速度を守りながら悪路の上り下りを行う
ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。