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2017.07.15

新型ランドローバー・ディスカバリー。洗練を極めた陸の王者は、どう進化したのか?

英国が誇る、まじめなクロスカントリー車、ランドローバー・ディスカバリーがついにフルモデルチェンジ。その全貌に迫る。
取材・文/小川フミオ
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ひとことでは語れない、マルチな魅力

SUVの老舗といえば英国ランドローバー。かつては軍用に使えるスペックスを誇るクロスカントリー型4WDで知られたが、近年はオシャレ度もぐっと向上している。
 
2017年5月に日本で発表された新型ランドローバー・ディスカバリーは、見た目も使い勝手もよい、よく出来たSUVの見本のようなモデルである。

オシャレなキャンプ用ビークルともいえるし、大人数用の機能的な移動手段ともいえる。それでいて堅牢さも感じさせるスタイルは、頼りになると女子ウケもまことによろしい。
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190kWの 3リッターV6ディーゼルも250kWの3リッターV6ガソリンもともにすぐれている
5世代目になる新型ディスカバリーは特徴の多いクルマだ。ひとつは7人乗れるパッケージ。それから今回から搭載された3リッターV6ディーゼルエンジンの驚くほどの出来のよさ。

さらにスマートフォンなどを使って遠隔操作でシートアレンジなどを事前に設定できるなどハイテク満載なのも、新世代の快適性として大いに評価できるポイントだ。
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理知的なレイアウトのダッシュボードでギアセレクターは伝統の円筒形にこだわる
最新の技術として進化した電子制御式エアサスペンションも注目だ。悪路を走るときは車高を上げて走破性を高めるいっぽう、エンジンを切るかセイフティベルトを外すと乗降性の向上のため自動的に車高を13ミリ下げてくれる。

ようするにひとことで語るなら、おもてなし感覚に満ちたモデルなのだ。室内のクオリティは高いうえに、ぜいたくさを感じさせてくれる作りも女子には大いに喜ばれるだろう。
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フローティングルーフともよばれピラーとつながっていないような視覚効果を持つルーフが特徴的
趣味性の面でも多様性に富む。マリンスポーツ好きのために開発された腕時計型の「アクティビティキー」はカギの保管に悩むサーファーにとって福音だ。

シートアレンジはスマートフォンで出来ると書いたが、もちろん現場でもごく簡単な操作で3列目シートの操作が出来る。折りたためば広大な荷室が広がる。

このクルマに接すると、この多様な性能を使い倒せることこそ、真にぜいたくなライフスタイルを持っていることの証明だと思えてくる。
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オールテレインプログレスコントロール(オプション)は自動で設定速度を守りながら悪路の上り下りを行う

2つのエンジンを用意した新型はオンロードでも優等生

日本に導入される新型ランドローバー・ディスカバリーはフルタイム4WDシステムに、8段オートマチック変速機。エンジンのバリエーションは2つだ。

ひとつは3リッターV型6気筒ガソリンエンジン。スーパーチャージャーを備え、250kW(340ps)の最高出力と450Nmの最大トルクを発生する。

もうひとつは3リッターV型6気筒ディーゼルエンジン。こちらはターボチャージャーにより190kW(258ps)の最高出力と600Nmという大トルクを発生する。さきにレンジローバーに搭載されて日本でも紹介されているエンジンだ。
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第3列もレッグルームが851ミリありおとなに十分な広さが確保されている(5+2シートはオプション)
ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車ともにHSEと、より装備が豪華になったHSEラグジュアリーの2グレードが設定されている。

どちらのエンジンもすばらしい。ガソリンエンジンは力がたっぷりあってかつスムーズ。アクセルペダルのわずかな動きにも敏感に反応する。高級な雰囲気満載である。

ディーゼルエンジンは、「最初から(ディーゼルと)わかっていなければガソリンエンジンだと思うのでは」と日本法人のエンジニアが言うだけある。静かで、よく回り、力がたっぷり。4リッターを超えるガソリンエンジンのようだ。
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リアゲートを開けたところのボタンでシートアレンジがコントロールできて便利
ジャガーランドローバージャパンでは、「新型ディスカバリーはオンロードで気持ちがいいことを強調したい」(広報担当者)としている。

よく動き路面の凹凸をていねいに吸収するサスペンションシステムといい、すなおな操縦性といい、気持ちいいフィールのパワートレインといい、たしかに乗用車としても最上位にランキングしたい出来のよさだ。

路面からの音も窓まわりの風切り音もごく低く抑えられているし、オーディオシステムのクオリティも高い。レッグルームが954ミリもある第2列の快適性はロングホイールベースのセダンなみといってもいいだろう。

オプションで装備可能な2名ぶんの第3列シートは、英国生まれだけあって?身長190センチ級のおとなにまで対応。空間的余裕はたっぷりあるのに驚くほどだ。
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シートアレンジをスマホからコントロール可能

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バンパー部分にボリュウム感をもたせたスタイリングはレンジローバー・イヴォークを想起させる
新型ランドローバー・ディスカバリーについて語るとき、コネクティビティという単語がよく出てくる。

車両から外部への発進に加え、スマートフォンによる操作も充実しているのがセリングポイントなのだ。

最大8基のデバイスに対応するWiFiホットスポットを装備することも出来るし、「リモートプレミアム」と呼ばれるアプリで外部からの操作が可能だ(ともにオプション)。
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「ファーストエディション」用21インチリム径のホイール
「リモートプレミアム」アプリでは「インテリジェントシートフォルド」という機能に注目だ。離れた場所からシートのアレンジを操作できる。

“今日はゴルフだから3列めは折りたたんでおこう”とか逆に“今日は子どもたちを乗せるからフルで7人乗りでいこう”とか、使用状況に応じて簡単な操作で電動シートのアレンジが決められるのだ。

部屋で信号を送っておけば乗りこむときにはシートアレンジがすでに整っている。ドアやウィンドウ開閉やエアコンの設定なども外部の端末で操作できる。

旅行やスポーツに行ったとき、かなり注目を集めるであろう装備ではないか。意のままに使えるのが高級車という論に従うなら、新型ディスカバリーはトップクラスのもてなしを提供してくれる。
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Cピラーが前方に向いて傾いていて躍動感を感じさせる
安全装備も多い。オフロードでも実力を発揮するサラウンドカメラシステム標準装備。加えて歩行者検知機能つき自動緊急ブレーキ、先行車追従型発進機能つきアダプティブクルーズコントロール、パークアシスト、ブラインドスポットアシストなどがオプションで用意されている。

価格は、ガソリンエンジン「HSE」が779万円、同「HSE LUXURY」が881万円。後者は電動パノラミックルーフ、シートヒーターおよびクーラー、デジタルTVチューナー、前後席プレミアムカーペットマット、センターコンソールクーラーボックス等を備える。

さらに、パワーテールゲートがハンズフリータイプに、専用デザインの20インチホイール、サブウーファーを含めて14個のスピーカーからなるメリディアン・サラウンドサウンドシステム、形状の違うシート等も「HSE LUXURY」の特徴だ。

ディーゼル「HSE」は799万円、同「HSE LUXURY」が901万円。装備のちがいはガソリンと同様である。

オプションとしては下記のものがある。SOS緊急コールなどを備えた「インコントロールプロテクト」、自動緊急ブレーキ、アダプティブクルーズコントロールなどからなる「ドライブプロパック」、電動調節可倒式ドアミラー、5+2シート(7人乗り仕様)、アダプティブLEDヘッドランプ、リモートインテリジェントシートフォルドパック、360度パーキングエイド。
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「ファーストエディション」にはオフロードで効力を発揮する「ケイバビリティプラスパック」が標準装備されている
発売を記念して限定販売される「ファーストエディション」(1031万7000円〜)はほぼフルオプション搭載。

なかでもオフロードで実力を発揮する「テレインレスポンス2オート」「オールテレインプログレスコントロール」などに加え「レーンキープアシスト」や居眠り防止機能つきの「ドライバーコンディションモニター」といった先進的安全装備も搭載。

さらに21インチリム径の専用アルミホイールや、車体色に合わせたルーフカラーの採用などもファーストエディションならでは。ぜいたくだけれど新型ディスカバリーの魅力満載の仕様だ。
● 小川フミオ

ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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