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2017.06.28

新型アウディA5。力強く、美しい、進化するスペシャリティクーペに乗った

取材・文/小川フミオ

個性が際だった新型アウディA5は模範的な美しいクーペだった

クーペというのはいいものだ。欧米人が深く愛するだけある。男だって女だってグラマラスなかたちに心を動かされること間違いない。なかでも代表的な1台がアウディA5だ。

2017年4月に新型が日本でも発売された。このA5じつはA4とA6のあいだに位置するモデル、という単純な存在ではない。
太いリアクォーターパネルと比較長いルーフでも躍動感はそこなわれていない
太いリアクォーターパネルと比較長いルーフでも躍動感はそこなわれていない。
アウディのラインナップにおける奇数モデルの特別性をおぼえておいても損はないだろう。「ライフスタイルカー」とメーカーでは位置づけているのだが、A5を体験すると「ライフスタイルカー」というアウディの主張がよく理解できる。

余裕あるサイズと高い居住性という機能性もさることながら、美しさがなによりの個性として際立っている。フルモデルチェンジにあたりラインナップを一新した。いっきにクーペ、スポーツバック、そしてカブリオレという豪華な布陣での展開である。

「(第2世代は)美しさとスポーティな走りと実用性の融合」とはアウディの謳い文句。ここで紹介するクーペをみてもよくわかる。
A5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツは全長4690ミリ、全幅1845ミリ、全高1365ミリ
A5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツは全長4690ミリ、全幅1845ミリ、全高1365ミリ
全長4690ミリというサイズはじつはA4(4735ミリ)よりコンパクト。2人で楽しむことを前提に開発されているから、適切なサイズである。日本ではA5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツのみの展開。185kW(252ps)の最高出力を持つ2リッター4気筒エンジンにアウディの切り札、クワトロシステムの組み合わせだ。

その上には260kW(354ps)の3リッターV6のS5クーペというスペシャルモデルも用意されるが、A5クーペでもスタイルとパワーのバランスのよさを十分楽しめるはずだ。
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運転するとバランスのよさが印象的だったA5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツ

2007年に発表された初代はシンプルなボディラインが美しいモデルだった。そこに力強さを加えたのが新型の個性といえる。

うねるような車体側面のキャラクターラインと、張り出しを強調された前後のフェンダーがひときわ目を惹く。細部を見てもスタイリングのうまさがわかる。リアクォーターピラーが後輪の上にのっかるようなデザインはとくに注目点。美しいクーペのセオリーどおりである。
185kW@5000〜6000rpmの最高出力と370Nm@1600〜4500rpmの最大トルクを発揮する2リッターエンジンにクワトロシステムの組み合わせ
185kW@5000〜6000rpmの最高出力と370Nm@1600〜4500rpmの最大トルクを発揮する2リッターエンジンにクワトロシステムの組み合わせ
クルマにもファッションなどと同じで、美の法則がある。アウディはそこがよくわかっているメーカーだ。それにより古典的な美に現代的エッジが加味されている。ぼくは箱根のワインディングロードと高速道路でA5クーペを試乗した。2016年の欧州での試乗会につぐ二度目の体験だ。

欧州ではパワーがしっかり出るうえに、すなおな操縦性が印象に残った。日本でも期待は裏切られず、しっとりしてオトナっぽいクルマだというのが第一印象だ。パワーの取り出し方は使い勝手を重視したというかんじだ。最大トルクが1600rpmという低い回転域から発生しはじめる設定により街中では十分速い。

7段ツインクラッチ変速機は、上手にパワーを引き出す設定で細かくギアを選ぶようだ。通常は2000rpmよりすこし上をキープし、アクセルペダルの踏み込みに即座に対応して加速する。
各種の新技術をエレガントで品質感の高いインテリアに取り込んでいる
各種の新技術をエレガントで品質感の高いインテリアに取り込んでいる。
高速でも空力ボディのおかげもあるだろう。ぐんぐんとスピードがのっていく感覚だ。エレガンスとパワー感を併せもったスタイルによく合う走りっぷりである。安全装備も充実している。アダプティブクルーズコントロールや車線内走行を助けるアクティブレーンアシストが備わる。

混雑した道で自動ブレーキと自動発進を繰り返すストップ&ゴーや、時速0キロから65キロの範囲で渋滞中に先行車に一定の距離を開けて追尾しハンドル操作も行うトラフィックジャムアシストも備わった。

価格はA5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツが686万円。よりパワーを求めるひと向けのS5クーペが913万円だ。

ちなみに売れ線の4ドア、A5スポーツバック2.0TFSIクワトロ スポーツは686万円、S5スポーツバックは913万円と、上と同価格。A5カブリオレ2.0TFSIクワトロ スポーツは757万円。S5カブリオレは998万円だ。

環境適合型エンジン搭載の前輪駆動、A5スポーツバック2.0TFSI(2.0TFSIが252psのところ190ps)は装備簡略化されたベーシックグレードで546万円からとなる。

●小川フミオ

ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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