ポイントリーダーとして誰よりも重いハンディウェイトに苦しめられてきたLEONチームにとって、これは朗報のようにも思えるが、話はそれほど単純ではない。
第4戦もてぎで通算獲得ポイントが39点となったLEONチームは、計算上117kgのハンディウェイトを積む状況となったが、安全上の理由によりハンディウェイトの上限は規則で100kgと定められているため、第5戦富士、第6戦鈴鹿はこの100kgを積んでレースを戦ってきた。それが今回は半減となったのだが、その後チームはさらに11点を上乗せしており、現在の通算ポイントはなんと51点。
1ポイントあたり1.5kgで計算すると、第7戦もてぎで搭載するウエイトハンデは76.5kgとなるが、これも規則により小数点以下が繰り上げとされ、77kgものウェイトを搭載することとなった。つまり、ウエイトハンデ半減と言いながら、現実に減ったのは23kgのみ。ランキング2番手のライバルが100kgから62kgへと38kgも減ったのに比べると、その差は歴然としている。
要するに、第6戦は100㎏のウエイトハンデを積むライバルチームたちとしのぎを削っていたのだが、ここに来て12㎏以上も重たい、文字どおりハンデを背負っての戦いとなったのだ。
希望の光もあった。もてぎといえばLEONチームがもっとも得意とするサーキット。なにしろ過去3年間で優勝2回、2位1回というバツグンの成績を残してきているのだ。それだけに、今回も上位入賞に大きな期待がかかっていた。
GT300クラスの13番手につけた。ちなみに蒲生選手は20ラップを周回したが、チームメイトの菅波冬悟選手も18ラップを走って蒲生選手と遜色のない1分48秒370を記録。展開次第ではQ1突破が十分に期待できる結果に、チームの士気は高まった。
「Q1突破を狙って公式予選に挑みましたが、予想以上にウエイトハンデが効いて10番手に終わりました」。予選終了後、黒澤治樹監督はそう語ると悔しそうな表情を浮かべた。「クルマのバランスもいいし、タイヤのスペックも決勝の戦いを見据えてチョイスしています。菅波選手のアタックにもほぼミスはありませんでしたので、やはりウエイトハンデの影響が大きかったと考えられます。ただし、明日は確実にポイントを獲得しなければいけないので、これからクルマを見直し、最善を尽くして決勝を迎えるつもりです」
明日のレースは20番グリッドから、午後1時にスタートが切られる。相性が良いとされるもてぎで、女神は微笑むのだろうか。