誰でもドリフトが簡単にできる絶好の機会です!
クルマ好きであればその楽しみ方や嗜好によらず、誰もがこのテクニックを自在に操りたいと思うものでしょう。とはいえ、タイヤを空転させながら車体をコントロールすることは、そう簡単なことでないばかりか、そもそも技術を磨くにしてもリスクが大きすぎるってもんですよね。
ましてや自己所有の高級車ともなれば、よほどのリッチであろうとも、そうやすやすとドリフトトレーニングなんてできるもんじゃありません。
ところがそんなドリフトトレーニングを安全に、かつレジャーとして体験できる機会があるんですね。
特にヨーロッパ勢は地の利を活かして、スウェーデンやフィンランドに自社のマシンとスタッフ、専属のプロフェッショナルドライバーを派遣して、世界中からゲストを招いては、冬の間ひと月以上にわたってイベントを開いています。
なかでもメルセデスAMGがスウェーデンで毎年1月中旬から3月中旬(年毎の気象条件などにより変動)の3ヶ月間に渡って開催している『メルセデスAMG ドライビングアカデミー』は、1シーズンにおよそ450名の参加者を集めるという盛況ぶりだそう。
そんなプログラムに参加する機会を得たのでレポートします。
「思い切りスライドさせられそうじゃないか!」って!?
ちなみにサントーニとAMGの関係はドライビングシューズのコラボ製作にはじまり、いまではバッグや周辺ギヤの製作など密接なもの。もちろんジュゼッペ本人がAMGのオーナーなのは言うまでもないですね。
実は昨年の冬にも同様のプログラムに誘ってくれていたのだけれど、気温の問題であえなく中止に。で、今年こそはと、あらためてのお誘いでした。
とはいえ、フィヨルドの地形からそこかしこに点在する湖の規模はそれぞれが広大で、AMGのアイスサーキットには講習項目にあわせてバリエーションに富んだ大小5つのコースが用意されます。
コース製作はドライビングアカデミーチームによる手製で、氷上の雪をかき分けて面を整えた簡単なもの。かき分けられた雪はうまい具合にバリアとグラベルを兼ねるわけです。
「今年は雪が少なくて、バリアが低いから、思い切りスライドさせられそうじゃないか!」とジュゼッペ。
ロシアからはツアーでカップルの参加も
ちなみに、氷の厚さが15cmあれば、クルマが乗っても平気だそうで、30cmなら大型トラックが、70cmもあれば大型の旅客機が着陸できるらしい!
我々が参加した日は、ロシアからのゲストが14名にドイツから4名が参加。そこにジュゼッペとその息子、アメリカ人ジャーナリストと僕の合わせて22人が参加となった。
ロシアのゲストたちはどうやらパッケージツアーで参加しているようで、男女カップルでの参加も数組いた。
最近では今回のようにロシアからの参加者と、やはり中国からの参加者が増えているそうです。日本では例年はJTBがツアーパッケージをまとめているらしい。
深夜便で出発したから少しは楽なはずだけど、結局ロッジに着いたのが現地時間の17時くらいだったので、なかなかの長旅感でしたね。
おいおい、いきなり氷の上かよ
え〜、20時間以上かけて到着したばかりだから、休ませてくれないんですかね〜、なんて言ってる暇もなく、矢継ぎ早に3日間のプログラム説明とクルマの挙動に関する原理の説明に。メモをとる間もありません(笑)。
20分間のブリーフィングを終えると、「5分後にロビーに集合してください」と。そうです、時間は18時前。もちろんあたりは真っ暗です。
我々が乗り込んだのはまずはC63。暗かろうが、明るかろうが、やることは同じ。
エンジンをかけてシートポジションを決めたら、あとは走るだけ!