2026.06.10
【試乗リポート】レクサスESの最新モデルからピュアエンジン車が消えた!? その全貌に迫ります!
レクサスブランドがデビューした1989年から続く、看板車種のひとつがES。その8代目となる新型モデル登場は2025年。そして、2026年6月、日本での発表が予定されている注目のプレミアムセダンにカリフォルニアでジャーナリスト小川フミオが試乗した。
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写真/LEXUS INTERNATIONAL 編集/高橋 大(atelier vie)
レクサスの伝統を受け継ぐ名車の新時代進化型

▲ ハイブリッド版もBEV版(写真)もラジエターグリルは目立たないデザイン。
おやじさん、ここらでオーセンティックなもののよさに目を向けてみませんか。と、言いたくなったのが、レクサスの新型セダン「ES」に乗ったからです。
ESは、レクサスブランドがデビューした1989年から続く、ひとつの看板車種。2025年に発表されて、26年6月に日本でも発表予定の新型で8代目となります。
私が乗ったのは、米カリフォルニア州のサンディエゴ。空港から30分ほどクルマで走ったラホヤを中心に、海岸線と内陸部をドライブしました。
ゴルフ好きのおやじさんには、丘陵コースの「トーリーパインズ」でおそらく有名な土地ですね。内陸の丘陵地帯はゆるやかなカーブが続き、ドライブにも最適でした。
ラホヤのリゾートホテルにいると、メモリアルデイ(5月の最終月曜日)の休日を控えて全米各地からやってきた米国のおやじさんたちが、連れ合いや友人たちとくつろいでいました。

▲ トランクは独立式だけれどファストバックスタイルは従来型から踏襲。
米国人は、昼はアロハ的な開襟シャツに綿ショートパンツ、夕食時にはモヘヤの紺ブレとかの装い。ストローハットもかぶって、まさにラルフローレンやブルックスブラザースのカタログの世界そのままです。
しかも、メキシコ風味の食事前には、だいたいカクテルを頼みます。ビールは昼の飲み物で、夕方のカクテルタイム以降は、マルガリータ、テキーラサンライズ、マティーニ、ピニャコラーダをおいしそうに楽しんでます。
服装にしても食事にしても、新奇なものも楽しむ余裕をもってはいても、ここぞというときは、オーセンティックで決める。そんな世界観を感じさせる場所に、きれいなセダン、ESはよくなじみます。

▲ なめらかな面づくりでいかにも空気抵抗が低そう。
レクサスESは、全長5メートルを超えるサイズの車体をもち、ホイールベースも長め。キャビンスペースには余裕があります。
いっぽう、短く見えるテール(トランク容量はかなり大きい)でファストバック的なデザインは継承。スタイル的な躍動感がしっかりあります。服でいえば、カットが今風なのですね。
新型ESの内容的な特徴は、ピュアエンジン車がないこと。今回ドライブしたのは、BEV(バッテリー駆動EV)の「ES500e」(AWD)と「ES350e」(FWD)。それからハイブリッドの「350h」(両方)であります。
余裕あるサイズのボディに加え、伸びやかなデザインは、カリフォルニアの路上でも、しっかり存在感があります。フロントマスクはあえてラジエター用開口部を目立たないデザインにしています。

▲ LEXUSの文字がライトで目立って見えるのも新型の特徴。
シンプルに見えるフロントマスクと、それに対して強く抑揚のついたボンネットと車体のサイドパネルの組合せ。一目で、わかる人はすぐ「ESだ」と知ることになります。躍動感のあるデザインです。
セダンというオーセンティックなカテゴリーのなかにあって、現代的なテイストを採り入れている。そこが新型ESの特徴なのですね。
ボディデザインだけではありません。先述したとおり、環境対応型の電動パワートレインを採用。レクサスの言葉を紹介すると「マルチパスウェイ」となります。
温室効果ガスゼロへの道はさまざま(マルチ)だということで、BEVもハイブリッドも、用意したということです。
車内はいわゆるデジタライゼーションが進んでいます。たとえば、「レスポンシブヒドゥンスイッチ」。なにもないようなダッシュボードに手をかざすと、スイッチが現れるというぐあいです。

▲ 日本では写真の米国仕様と異なり右ハンドルでレスポンシブヒドゥンスイッチも用意される。
BEVとハイブリッド、どちらもよく走ります。とりわけ個人的に気に入ったのは、ES500eであります。力強い加速感と、意外なほどの静粛性。エンジン車では両立しにくい要素です。
全輪駆動システムは「DIRECT4」。車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、発進加速性、操縦安定性の向上、低電費を同時にねらったものです。
しかも走りのよさが追求され、駆動力配分は、前輪0対後輪100から、100対0まで、走行状態や路面状況に応じて、瞬時に変えていくというもの。
じっさいに、すばらしく気持ちのよい走りが味わえます。それに輪をかけるように、正確な操舵性と、しっかりとしつけられたサスペンション設定で、ドライビングの楽しさが堪能できるのです。

▲ 水平基調のダッシュボードと整理された操作類のレイアウトで広々感がある。
じつは私が乗った米国仕様は、電子制御のAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)をそなえていませんでした(日本仕様には予定されているようです)。
通常、電子制御サスペンションのほうが、乗り心地と操縦性ともに高くなるので、ふつうの金属バネのサスペンションはどうかなと、ややギモンに思っておりました。予想はいい方向へとはずれ、しなやかな乗り味と、すなおなハンドリングは、十分満足いきました。
前輪駆動のES350eは、電子制御システムが限られることもあり、走りでES500eには絶対かなわない、と思っていました。
けれども、こちらもうれしい予想はずれ。前輪が力強く車体を引っ張ってくれるし、操舵に対する車体の反応はよいものがあります。ブレーキも2トンを超える車体に対してしっかり効き、ラホヤのカーメルバレーの山岳路を思うぞんぶん走れたのですよ。

▲ 足元も頭上も空間的余裕がたっぷりある後席。
いっぽうハイブリッドのES350hはというと、オススメはAWDです。後輪はおなじみE-Fourのモーター駆動。
ダイレクト4ほどの凝ったシステムではありませんが、後輪にも駆動力がかかる分、加速はよく、速度変化の激しいインターステーツでも、他車を抑えて走れました。
ES350hの前輪駆動は、動力性能ではやや分が悪いのはしようがありません。それでもいちど走り出してしまえば、交通の流れをリードできるぐらいの速度で巡航できます。

▲ 立体的な造型のフロントシートはホールド性高し。
2.5リッター4気筒エンジンは、始動タイミングが、従来より早めになっているので、ちょっと強めにアクセルペダルを踏むと、エンジン回転計の針が踊り上がります。
感心したのは、エンジン音が以前よりずっと静かになっていること。レクサスのエンジニアによると、エンジンルームなど静粛性を高めることに気を配った結果だそう。
おかげさまで、上質感が味わえるのです。新型ESシリーズを語る際、レクサスの開発者は「エレガンス」という言葉を使いますが、なるほど、無理せず、快適に速い。そんな印象なのです。
あの子とのドライブにスポーツカーやSUVもいいでしょう。でも、おとなの落ち着きを見せるには、やっぱりプレミアムサイズのセダン。それに同意してくださるおやじさんなら、ぜひ新型レクサスESのステアリングホイールを握ってみてくださいませ。
■ Lexus ES 500e(プロトタイプ)
全長×全幅×全高/5140×1920×1560mm
ホイールベース/2950mm
車重/2205〜2285kg
バッテリー駆動 全輪駆動
システム最高出力/252kW
乗車定員/5名
一充電走行距離/約610km
■ お問い合わせ

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