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2026.05.06

【試乗リポート】AMGがF1由来の技術を搭載し手掛けたラグスポ「Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE Coupe」の実力とは?

メルセデスAMG GTクーペといえば、国内でもっとも人気のレースSUPER GTに参戦するLEON RACINGのマシンとしてもおなじみ。その市販バージョンにF1由来のAMGハイパフォーマンスバッテリーを搭載したプラグインハイブリッドモデルが登場した。

BY :

文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/Mercedes-Benz AG 編集/森本 泉(Web LEON)

AMG GTクーペ初のプラグインハイブリッドモデル

Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE Coupe。

▲ Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE Coupe。

メルセデスAMG GTクーペは、レーシングカーのベースにもなるメルセデスAMGのラインアップにおけるトップパフォーマンスモデル。ラインアップは2リッター4気筒+後輪駆動で軽快さがうりの「GT43クーペ」や、4リッターV8+4WDで王道の「GT63 4MATICクーペ」などがあるが、昨年そこに追加されたのが「GT 63 S E PERFORMANCE クーペ」。

AMGの特徴である縦のルーバーが入ったパナメリカーナグリルとボンネットが隆起したツインパワードーム。

▲ AMGの特徴である縦のルーバーが入ったパナメリカーナグリルとボンネットが隆起したツインパワードーム。

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少々長い車名となっているが要はGTクーペ初のプラグインハイブリッドモデル。エクステリアでは、AMG専用の縦にルーバーが入ったフロントグリルやボンネット下のエンジンパワーを想起させるよう隆起したツインパワードームといったGTクーペ共通の意匠を取り入れる。

赤く縁取りされたリアエンブレム。その下に充電口がある。

▲ 赤く縁取りされたE PERFORMANCE専用のリアエンブレム。その下に充電口がある。

ボディサイドには高性能プラグインハイブリッドの呼称である「E PERFORMANCE」のエンブレムを採用。そして、リアエンブレムには赤い縁取りを施し他のモデルとの差別化を図っている。

センターにiPadのようなデジタルスクリーンを配したインテリア。エアコンの吹き出し口はジェットエンジンを模したデザイン。

▲ センターにiPadのようなデジタルスクリーンを配したインテリア。エアコンの吹き出し口はジェットエンジンを模したデザイン。

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オプションのAMGパフォーマンスシート。身体へのフィット感が素晴らしく、ロングドライブでも疲れ知らず。

▲ オプションのAMGパフォーマンスシート。身体へのフィット感が素晴らしく、ロングドライブでも疲れ知らず。

インテリアではデジタルコックピットディスプレイを採用し、対話型インフォテインメントシステムMBUXなども搭載している。シートはナッパレザーのAMG専用スポーツシートを標準装備。オプションでよりスポーティなAMGパフォーマンスシートを選択することも可能。べースは2シーターだが、オプションで可倒式リアシートを装着することもできる。

メルセデスAMGの哲学である「One Man, One Engine」にのっとってつくられたV8エンジン。

▲ メルセデスAMGの哲学である「One Man, One Engine」にのっとってつくられたV8エンジン。

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パワートレインはメルセデスAMGの原則である1人の技術者がエンジン製造のすべての工程を担当する「One Man, One Engine」に則って生産される4リッターV 8ツインターボエンジンをフロントアクスルに搭載。エンジン単体で最高出力 612PS、最大トルク 850Nm を発揮する。そしてリアアクスルに最高出力150kW、最大トルク 320Nmを発揮する駆動用モーターとメルセデス AMGが自社開発した AMG ハイパフォーマンスバッテリーを組み合わせる。エンジンとモーターによるシステム総合の最高出力が 816PS、最大トルクが1420Nm。0-100km/h加速は2.8秒ととてつもないスペックを誇る。

深夜早朝の住宅街でも気兼ねなく走り出せる

インテリアにはことさらハイブリッドであることを主張するようなエレメントはない。センターコンソールにあるスタート/ストップボタンを押すと、エンジンが始動することなく静かにシステムが起動するので電動車であることを認識する。これならば深夜早朝の住宅街でも気兼ねなく走り出せる。

足元には21インチの鍛造ホイールにミシュランパイロットスポーツ5Sを組み合わせる。

▲ 足元には21インチの鍛造ホイールにミシュランパイロットスポーツ5Sを組み合わせる。

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ゆっくりとスタートしEV走行しているとある瞬間にバーンとV8サウンドを放ちながらエンジンが目覚める。駆動用バッテリーの総電力量は6.1kWhと小さく、EV航続距離は最大13km。したがってこのハイブリッドシステムの主眼はEV走行することではなく、パフォーマンスの最大化にある。


F1由来という自社開発の AMG ハイパフォーマンスバッテリーのすごさは、軽量でありながら高出力を繰り返し発揮できる能力を備えていること。EV走行でバッテリー残量がゼロになるまで使いきることはしない。常にいざという時のダッシュのためにスタンバイしている。


そして回生ブレーキの効率のよさ。バッテリーは常に45度前後の最適な温度に保つことで回生機能を向上させている。したがって下りのワインディングなどでは速やかに回生し、登坂で一気にパワーを放つといった使い方もできる。まさにいまのF1マシンのような走らせ方だ。

内燃エンジンでは味わえない新次元の加速感

前後重量配分は「GT63 4MATICクーペ」が55:45とフロントヘビーなのに対して49:51と理想的なものになっている。

▲ 前後重量配分は「GT63 4MATICクーペ」が55:45とフロントヘビーなのに対して49:51と理想的なものになっている。

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ノンハイブリッドの「GT63 4MATICクーペ」だってもちろん速いが、「E PERFORMANCE」はどの回転域でもモーターがアシストしてくれる。ターボラグがなく瞬時に強大なトルクの波が押し寄せるような加速感は内燃エンジン車では味わえないまさに新次元のもの。


回生レベルは4段階で調整することも可能で、状況によってはほとんどフットブレーキを使うことなく止まることもできる。これはブレーキパッドの摩耗軽減にもつながる。現にこうしたスポーツモデルの場合、試乗を終えるとホイールがブレーキダストで真っ黒なんてことが珍しくないが、このクルマでは250km以上走行してわずかしか汚れていなかった。

▲ 荷室容量は通常時182リッター。可倒式リアシートをたたむと562リッターにまで拡大する。

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スポーツカーとして気になるのは車両重量だが「GT63 4MATICクーペ」比で約210kg増とやはり軽くはない。しかしシステムの大半を車体後部に搭載したことで、49:51という理想的な前後重量配分を実現しており重さがそれほど気にならないし、例の加速力がそれを補ってあまりある。ちなみにノンハイブリッドで「GT63 4MATICクーペ」よりも速いモデルが欲しいという御仁のために「GT 63 PRO 4MATIC+クーペ」というモデルも追加されている。こちらはサーキットでのパフォーマンスを追求したハード仕様だ。


「GT 63 S E PERFORMANCE クーペ」は、路面からのショックを補正し、またロールを抑制することで快適性を向上させるAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションを備えており、路面からの突き上げもなく乗り心地は想像していた以上に快適だった。これなら彼女との旅も楽しくなるというもの。時計の話ではないけれど、まさにラグスポなのだ。

Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE Coupe
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■ Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE Coupe

全長×全幅×全高/4730×1985×1355mm

ホイールベース/2700mm

車両重量/2150kg

エンジン型式/V型8気筒ツインターボチャージャー

総排気量/3982cc

最高出力/612PS/5750-6500rpm

最大トルク/850Nm/2500-4500rpm

トランスミッション/9速AT

モーター/交流同期電動機

最高出力/150kW/4500-8500rpm

最大トルク/320Nm/500-4500rpm

システム総合出力/816PS/1420Nm

駆動方式/4WD

一充電走行距離(WLTCモード)/13km

乗車定員/2(4)

車両本体価格/3146万円


公式サイト

HP/https://www.mercedes-benz.co.jp

藤野太一(自動車ジャーナリスト)
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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