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2026.04.29

【試乗リポート】999台限定のハイパースポーツモデル、アストンマーティン「ヴァルハラ」に乗った!

F1で培った技術を投入した最強のアストンマーティン「ヴァルハラ」。開発当初はレッドブルレーシングが協力し、現在ではアストンマーティン・アラムコF1チームのノウハウが随所に活かされいるという。ほぼピュアレーシングマシンの「ヴァルキリー」と双璧をなす存在の注目の新型車をジャーナリスト小川フミオが試乗リポートします!

BY :

文/小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/Aston Martin lagonda 編集/高橋 大(atelier vie)

F1で培った技術を投入した最強のアストンマーティン

▲やっぱりこのグリーンがいちばん人気だそう

アストンマーティンが、999台限定のハイパー(超高性能)スポーツ「ヴァルハラ」をついに発売です。ついに、というのは、そのすごすぎる内容ゆえ。待ってました、と言いたくなるのは、同社初のミドシップ量産車で、V8エンジンのプラグインハイブリッドシステム搭載なのです。


サーキット走行と、快適な日常使い、ともに(超)高得点の出来映えであります。他人とひと味もふた味もちがうクルマに乗りたいオヤジさんには、ぴったりのスポーツカーかと。


そもそも、アストンマーティンって、オヤジさんの心をくすぐるブランドではないですか。1964年の『007ゴールドフィンガー』登場のアストンンマーティンDB5は、ヘッドランプからマシンガンが突き出したり、リアウインドウの背後から防弾シールドが上がったり……。

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子どものときはそっちに気がとられましたが、長じるにいたって、アストンマーティンといえば、あのたたずまいこそが最大の魅力、と感じられるように。


スタイルよし、性能よし。世紀の洒落男、ジェームズ・ボンドのクルマとして選ばれた理由はそこかと深く納得したものです。

▲車高の低いレーシーなモデルゆえスムーズな乗降のためにディヒドラルドアはマストなのです

オヤジさんはどうでしょうか? もちろん、2006年の『カジノロワイヤル』に登場したアストンマーティンDB V12ぐらいからしか知らないよ、なんて方もいらっしゃるでしょう。もちろん、それでもいいわけで。いずれにしても、アストンマーティンは、永遠の憧れみたいなものではないでしょうか。ステアリングホイールを一度でも握った経験のあるかたは、納得では? アストンマーティンの魅力を、さらに大きく拡げようというのが、「ヴァルハラ」です。


アストンマーティンには、現在、世界耐久選手権(ルマン24時間レースとかですな)などで活躍する、ほぼピュアレーシングマシンの「ヴァルキリー」があって、それと双璧をなすのが「ヴァルハラ」です。

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▲排気管が2本、キャビン背後から上に向かって突き出しているのも迫力!

F1で培った技術を投入した、というのが開発者の言。当初はレッドブルレーシングが開発に協力し、いまはアストンマーティン・アラムコF1チームのノウハウが随所に活かされています。


炭素樹脂製のシャシーに、やはり炭素樹脂のボディが被せられています。車高はうんと低いので、乗降性を考えて、上に跳ね上がるディヒドラルドアを採用。開口面積をぎりぎりまで確保しています。


ボディは自社の風洞でもって、徹底的に空力抵抗を減らすよう煮詰められています。なに気なく見えるボディの曲線も「空力のためにデザインされたものです」(担当デザイナー)ということです。


排気管は4本出し。うち2本は、リアウインドウ背後から、力強く上に向かって突き出しています。マクラーレンにも、同様の設計を採用したモデルがありました。排気効率を考えたレース技術のたまもののようです。

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アストンマーティン ヴァルハラ

▲フロントマスクはDBシリーズやDBXとも共通のおなじみアストングリル。

ボディ各所の空力処理もF1マシンとのつながりを感じさせます。たとえば後輪前に設けられて、空気の流れを調整するボルテックスジェネレーターの形状もF1マシンを連想させます。


操縦感覚は、驚異的にスムーズです。ドライバーの力量に合わせて走れるのも、アストンマーティン・ラゴンダ(正式社名)のエイドリアン・ホールマークCEOをして「次世代のスポーツカー」と言わせしめる理由でしょう。


793kW(1079ps)のシステム出力は、8段デュアルクラッチ・ギアボックスを介して後輪に伝えられます。前輪は2基のモーターで駆動。もう1基のモーターがギアボックスに組み込まれています。


4ℓV8エンジンは、基本設計は「ヴァンテージ」や「DBX」といった現行車とおなじです。が、徹底的に手が入れられています。

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▲レースモードを選ぶとリアからウイングが立ち上がり後輪へのダウンフォースを生みます。

エンジン自体が超スムーズに回るのとともに、デカいターボチャージャーとうまく調整されていて、さらに電気モーターが要所要所で介入。発進から超高速まで、思いどおりに走れます。


私は、スペイン・バスク地方パンプローナちかくのナバラサーキットで乗ったあと、山道と市街地を走ってみました。


サーキットで「レース」モードを選ぶと「アクティブエアロ」が作動。リアから巨大なスポイラーが立ち上がるとともに、フロントの内部では整流板が電動で作動。


アクティブエアロは、速度に合わせて空力の流れを調整。リアウイングの角度はやはり電動で細かく変わり、高速では強烈なダウンフォースで後輪の接地性を高めます。いっぽう、高速からのブレーキングでは、楯のようになりエアブレーキを効かせてくれるのです。

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フロントのモーターは、速度やコーナリングGでもって、左右輪の駆動力を個別に制御。例えばカーブで外側に車体がふくらもうとするアンダーステアを打ち消してくれます。

▲ボディは審美性が高いけれど、じつは空力的に考えぬかれたもの。

というわけで、サーキットではおもしろいように、思いどおりに走れます。言うまでもなく、ていねいにラインを選んで加減速の調節が最重要なんですが、ハッとした瞬間があったとしても、車両がきれいに立ち直らせてくれるのです。


一般道では、意外なほど乗り心地が快適です。これまでにスーパースポーツカーに乗った経験があるひとなら、乗りこんですぐに、クルマに慣れるでしょう。


SUVしか乗ったことのないオヤジさんにとっても、視界はいいし、加減速の調整はやりやすいしで、違和感なく走れるはず。というか、「ヴァルハラ」の魅力にヤラれちゃうと思います。そこがクルマのたのしさなんですね。

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▲軽量化のためにシンプルな仕立てのダッシュボードですが必要な快適装備はほぼ揃ってます。

Aston Martin Valhalla

全長×全幅×全高:4727×2208×1161mm

最低地上高:110mm

ホイールベース:2760mm

エンジン:3982ccV型8気筒ターボPHEV 全輪駆動

最高出力:793kW(システム)

最大トルク:1100Nm

最高速度:310km/h

0-100km/h加速:2.5秒

EV走行距離:12km

価格:1億2890万円(税込み)


■ お問い合わせ

アストンマーティンジャパン

https://www.astonmartin.com/ja

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