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2026.01.11

フェアレディZ33からフィアット パンダまで。レジェンド評論家が、今また乗りたいクルマを語ります!

長きにわたり、第一線の自動車ジャーナリストとして活躍してきた筆者が、自動車遍歴を振り返ります。今回はフィアット パンダ、初代プリウス、アウディTT、フェアレディZ33などが登場!

BY :

文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

イラスト/溝呂木 陽

岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第274回

「もう1度乗ってみたいクルマ達!」その3

イラスト 溝呂木 陽 日産 フェアレディZ33 フィアット パンダ

明けましておめでとうございます!


新しい年が、皆様にとって幸い多き年になりますよう願っています。今年もよろしくお願いいたします。


わが家の正月三が日は、普段、なかなか会う機会のない親戚や友人達と会ったが、楽しく、ハッピーな時間を過ごすことができた。「いい正月‼」だったとご報告しておく。


さて、新しい年の話は、「もう1度乗ってみたいクルマ達!」その3からスタートする。まずは、1996〜7年辺りに息子が買った「フィアット パンダ」をピックアップする。これは「愛すべきクルマ‼」だった。

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「天才デザイナー!」と呼ばれるジウジアーロの描いたルックスは、どこからみても愛らしく、目の前にあるだけでハッピーな気分にさせてくれた。


コンパクトなボディながら実用性は高く、シンプルなインテリアながら、使い勝手もデザインセンスも抜群だった。


息子のパンダはキャンバストップだったが、これも粋でカッコよかった。


前にも触れたが、当時のわが家は2世帯住宅の1階に僕たちが、2階に息子家族が住んでいた。クルマは3台。僕用と息子用が1台ずつ、そして、子供の送り迎えや買い物用に1台というコンビネーションだった。


フィアット パンダは息子が買ったのだが、家族全員のお気に入りになり、僕も家内も、空いている時はよくパンダに乗った。


エンジンは水冷4気筒(パンダ45)で、軽い車重と相まってよく走った。ハイウェイを使っての遠出も苦にならなかった。


フットワークは上々で身のこなしはよく、さらには布製シートの出来のよさも相まって、乗り心地もよかった。

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でも、なんと言っても、パンダのいちばんの魅力は「ジウジアーロがもたらした、インテリアをも含めた、粋で愛らしい姿」にトドメを刺すだろう。


わが家にパンダが居た時、わが家のパスタの消費量は増え、イタリアン レストランに行く回数がグンと増えたことをよく覚えている。


さらには、笑顔も多くなったように記憶している。いや、「多くなったような、、」ではなく、間違いなく「笑顔は多くなった」。


1997年には、MB(メルセデス ベンツ)SLK 230コンプレッサーが、わが家のガレージの一員になった。


スイッチ操作だけでHT(ハードトップ)が自在に開閉するところが最大の特徴であり魅力であるモデルだ。


時間を遡ると、1934年には世界初の電動HTモデルをプジョーが開発しているし、1957年にはフォード フェアレーン500 スカイライナーが、1989年には限定500台ながらトヨタ ソアラが、、といったように前例はある。

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だが、本格的に、あるいは本気で取り組んだのは、MB SLKが最初と言ってもいいのではないか。僕は国際試乗会で乗って気に入り、その場でオーダーを入れた。


当時のわが家には、アルファ155とアウディ 80アバントがあったが、その2台とのコンビネーションも良かった。コンパクト系を好むわが家の気分にもマッチした。


SLKに次いでわが家の一員に加わったのは、1997年にデビューした世界初のHV車、初代プリウスだ。


性能的な物足りなさはあった。だが、日常的な淡々とした走りでの燃費と走り味は、「新しい時代の波」を感じさせるものだった。


そして今や「HVは、総合的な、あるいは現実的な視点から見たCO2問題のエース的存在」であることが、多くに気づかれ、認められる存在になっていることは知っての通りだ。


プリウスの翌年、わが家のガレージに収まったのはアウディTT クアトロ。試乗会はイタリアのヴェローナで行われたが、文字通り「ひと目見ただけ」で夢中になった。外観も内装も、すべてに惹かれた。

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当然、すぐオーダーを入れた。たぶん、日本ではいちばん早いオーダーだっただろう。ちなみに初代TTは、テールスポイラーなしとありの2台を買った。


デザイン的にはスポイラーなしが断然好きだった。だから後先考えずすぐ買った。だが、乗っているうちに高速域のスタビリティ不足への不安がどんどん大きくなり、4カ月後にはスポイラー付きに買い替えた。


デビューしてから28年経った今でもなお、初代TTのデザインが醸し出すオーラには強く惹かれたままだ。


2019年、TTデビュー20周年を記念してアウディ ジャパンがレストアした時も、お願いして、箱根往復のドライブをさせていただいた。なんともハッピーな1日だった。


僕のiPhoneの壁紙には、巨匠、小川義文さんから贈っていただいたアウディTTの写真を使わせていただいているが、クルマ好きの方はもちろん、そうでなくても、多くの方々が「いいなぁ‼」と声を上げてくれる。


僕のiPhoneの壁紙は、きっと、いつまでも、小川義文さんから贈られたアウディTTのクールな姿が飾り続けることになるだろう。いや、間違いなくそうなる。

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アウディTTから半年後くらいに、ルノー ルーテシアが、わが家の一員になった。


フレンチコンパクト大好きな家内のリクエストで買ったのだが、息子一家も含めて、家族全員が好きになった。


わが家のクルマ代替期間は短く、車検を取り直して乗ることなど滅多にない。いや、ルーテシアまでは1台もなかった。


そんなわが家にルーテシアは、なんと7年も居続けた。大記録だった。それだけ、家族全員に愛されたということになる。


7年経った時も、家族は「まだまだ乗り続けたい」と言っていた。だが、ディーラーから「そろそろ部品供給が厳しくなってきましたので、、」との言葉で、踏ん切りがついた。


ルノー ルーテシアの後任として、わが家の「ファミリーカー」になったのは、ボルボの初代後期型V40。ブルーグレーのボディカラーもいい感じで、これまた家族みんなのお気に入りになった。


子供達もどんどん大きくなってきていた頃なので、サイズ的にもピッタリ馴染んだ。

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今回の原稿は、5代目フェアレディ「Z33」を締め括りにする。


僕が買ったクルマではないが、開発にも深く関わり、カリフォルニアをフルに駆け巡った「思い出多きクルマ」として、ぜひ、書き残しておきたいからだ。


フェアレディZは、知っての通り北米市場で人気があり、北米市場が育てたクルマと言ってもいい。


バブル崩壊が引き金となり、日産が経営危機に陥った時、Zの開発は中断された。そして、経営を立て直すためにカルロス ゴーンがトップになり、日産の大改革が始まった。


そんな状況下で、僕は日産の役員と多くの意見を交わした。特に、ゴーンが連れて来たフランス人の役員は「日本を知るため」「日産を知るため」だろう。僕に多くの意見を求めてきた。


意見交換の時間が、最長7時間に及んだこともあった。


そんな中でこんなやりとりがあった。「岡崎さん、現在の日産車で継続すべきモデルと、そうでないモデルの名をお聞かせください」


僕は即答した。「日本市場ではGT-R、北米市場ではZです。それ以外は、すべて新しいモデルにしてしまってもいいと思います」と。

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これは、もちろん「売れる」「売れない」という話ではない。


この話はよく理解されたようで、GT-RとZは残された。中断していたZ33の開発にもGOがかかった。


その仕上げ段階で走りまくったのが、カリフォルニアだったということ。ある時は開発スタッフとともに、ある時は一人で自由に。


もしも、昔の良き思い出を辿れる旅ができたら、、、。LAをスタートし、ラスベガス、フェニックス、ツーソン、サンディエゴ等々を巡り、LAに戻る、、もしも、Z33でそんな旅ができたら、もう最高にハッピーだろう‼

岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。
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