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2020.05.24

プジョー508SWが良くデキって知ってました? フランス車の進化を検証!

ドイツ車にはない、エスプリ感覚が魅力のフランス車。ネコ足と呼ばれた鷹揚な乗り味もいまや過去の話で、その走りはもはやグローバル水準。でも、やっぱり味がある。そんな中でも実用的で速い、プジョーの508SWをチェックします!

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取材・文/小川フミオ

やっぱりひと味違う、おフランスなステーションワゴン

シューティングブレークスタイル
世のオヤジさん、街に山に海に草原(ゴルフ)に出かけたくてうずうずしていることと思います。まだ一部地域では自粛要請が解除されていませんから、もうすこし三密避けて、なるべく在宅で、COVID-19の収束を待ちたいものです。

外出ができるようになったら、アレしたい、コレしたい。と、オヤジさんたち、夢をふくらませているのではないでしょうか。なにはともあれ、思うぞんぶんゴルフですかね、やっぱり。

もしそんなタイミングで、なにかいいニューモデルないかなと探すなら、けっこうおもしろいクルマ、あります。日本車やドイツ車や英国車(それにイタリアのスポーツカー)になじみのあるオヤジさんには意外な選択かもしれませんが、フランスのプジョーが手がけている「508SW」です。
LEDデイタイムランニングライトが特徴的
特徴は車名「SW」が表すとおり、ステーションワゴンという車型。いまは(あいかわらず)世界的にSUVが人気ですよね。オヤジさんたちも、初代レンジローバーやジープチェロキーなどなど、SUV好きな方も多いのでは?

一方で、ステーションワゴンの便利さも、オヤジさんならよーくご存知のはず。最近は少なくなってきたとはいえ、街の回転式駐車場に難なく入庫できるし、乗り心地の快適さはセダンとほぼ同等ですから。

508SWは2019年に日本発売された、最新のプジョー車であります。サイズは全長4790ミリあって、ホイールベースも2800ミリ。けっこう立派な大きさで、ファミリーで乗るのもよし、あるいは後席を倒せば、サーフボードだってスキーだって入りますから、彼女と楽しい週末旅行も楽しめちゃうでしょう。
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ルーフ全長をすこし短めにしてクーペ感をだしている
日本に導入されているのは、1598ccの4気筒ガソリンモデルが、装備違いで「Allure」と「GT Line」の2種。1997cc4気筒ディーゼルエンジン搭載は「GT BlueHDi」のワングレード。計3種で、すべて前輪駆動です。今回乗ったのはファンの多いディーゼルモデル。

ディーゼルの「GT BlueHDi」は操縦してみると、なるほど人気が高いモデルであることがわかります。エンジンは2000rpmで400Nmというかなり太いトルクを出すので、アクセルペダルの踏みこみ量が少なくても加速が力強いんです。かつ、アクセルペダルをあまり踏まないので燃料消費量も比較的少ない。ディーゼルの利点ですね。

室内で聞くエンジン音がやや大きめなのは、ドイツやスウェーデンや日本の最新のディーゼル車に対するデメリットですが、パワフルかつしっかりした操縦性との差し引きでみると、ぜんぜん許容範囲から外れていないといってもいいのでは。
緩やかな下降線を描くルーフライン

スタイリッシュなシューティングブレイクスタイル

ディーゼルエンジン車は先に書いているように「GT」と名のついたモノグレード(グレード1種類)。なるほど、GTというだけあって、ステアリングホイールを切ったときのノーズの入り方とか、なかなか楽しませてくれるのですよ。

カーブでは曲率の大きさにかかわらず、つまり小さいカーブではすっとノーズが内側を向き、ボディも(昔のプジョー車のようには)ロールしない。大きなカーブを高速で抜けるときの足のふんばりにも、まったく不安なし。

プジョーのステーションワゴンの歴史は長く、1950年に「203」にファミリアールと呼ばれる6人乗りステーションワゴンが登場しています。主力セダンにかならずステーションワゴンを設定するポリシーは、その後、いまに至るまで続いているんですね。
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プジョーの代名詞ともなったi-Cockpit
508SWも、セダン(プジョーではあえて「ファストバック」と呼んでいますが)の派生車種です。ただし昔のように、大人数を乗せるとか、大きな荷物を積むことが最優先されるのではなく、どことなくクーペライクな、ぐっと上下幅を抑えたスポーティなスタイルが特徴になってます。

このボディスタイルをプジョーでは「シューティングブレイクスタイル」と名づけてます。二人乗りクーペを改造して荷室をつけたスタイルのことで、名前のとおり、狩りに行くために欧州(とくに英国)の富裕層が考えたものなんです。

60年代だと、アストンマーティンを買って、専用のボディ架装会社に持ちこみ、リア部分を改造して、ちょっとコンパクトな荷室を付けてもらったのものをシューティングブレイクと呼んでいました。狩りの道具を積み込んで高速をぶっとばしていく、という趣向であります。
フロントシートにはシートヒーターや、電動調整、ポジショニングメモリー(運転席のみ)機能やマルチポイントランバーサポートを装備
いまでこそ、狩りは(動物虐待にもつながるので)あまり褒められた趣味ではない、ってムードですが、当時は金のかかる高級な趣味として認められていたんですね。クルマにはシューティングブレイクというスタイルは残り、こちらは高級なパーソナルカーとして扱われているわけです。

メルセデス・ベンツの先代CLSにも設定されていたし、フェラーリGTC4ルッソ(フェラーリFF)だって、シューティングブレイクの系譜に連なるモデルです。ルーフが長いスタイルって、カッコいいのですよ。

508SWは、テールゲートを備えたクーペともいえるスタイルを強調しています。でも荷室は通常でも530リッターも。メルセデス・ベンツCクラスステーションワゴンでも470リッターなので、スタイルだけではないのですよ。クルマには実用が大事というフランスのクルマづくりの面目躍如とホメてあげましょう。
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GT BlueHDiにはアルカンタラとレザーのコンビネーションによるシートが標準装備
リアスタイルは、横基調のリアコンビネーションランプを中心に、キャラクターラインがしっかり入って、個性的です。交通が多いところでも埋没していません。いい意味で、デザインが主張しています。

外観上の個性は、シルエットにとどまっていません。とりわけフロントマスクは、一目見てすぐ”新しい508だ”とわかります。それは、LEDを使ったシグネチャーランプが設けられているせい。プジョーのシンボルはライオンです。そのライオンが大きなキバを見せたように、縦方向にLEDライトが埋め込まれ、独特のアグレッシブな雰囲気をかもしだしているんです。

インテリアも、スポーティさがしっかりあるんです。上と下を直線的にした独特の造型の小径ステアリングホイールはレースカーを思わせます。ドライビングポジションは高めのセンターコンソールなどのおかげで囲まれ感が強い。パーソナルな雰囲気を大事にしているクルマなんですね。

ほどよいサイズ感で使い勝手良し!

面の作りは緊張感をかんじさせる
「GT BlueHDi」ではシートはレザー張り。座面と背もたれのところのステッチによるパターンのおもしろさもさることながら、側面部分、肩にあたるあたりは、通気の孔が無数に開いたパーフォレーテッドレザーを使うなど、よくよく見ると細やかな使いわけなど、感心させられます。この内装、ぜいたくな気分に浸れます。彼女を乗せてあげるときだって、きちんとおもてなし感覚があります。インフォテイメントシステムには、スマートフォンとのミラリング機能も備わっているので、音楽のアーカイブを楽しむのにもってこいです。

全長4790ミリ、全幅1860ミリ、全高1420ミリのボディは、やや幅が広いと思う人もいるかと思いますが、東京をはじめ日本での市街地の使い勝手としては悪くないです。
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ヘッドランプをうまく使って個性を演出するのが昨今のプジョー流
自分が乗るという前提で欲をいえば、ごくわずかな角度だけ操舵(ステアリングホイール操作)するときの、操舵輪(前輪)の応答がもうすこし速いと、狭い場所での取り回しがさらによくなるんじゃないかと思います。つまり、すっと切ったら、ドライバーの意図どおり、ミリ単位ってかんじで車体も間髪いれずにすっと動く、その感じが自分は好きなんですが、フランスのクルマはあまり得意じゃないんですね。

ともあれ、広々とした後席に家族や友人を乗せるのもいいし、いっぽうで2人でというのもいい。どちらも、508SWにまかせとけば大丈夫。要は許容範囲が広く、使い勝手がいい、ということでしょう。ステーションワゴンにつきまといがちな、日常的な雰囲気がちょっと希薄なのも、人によっては評価ポイントかと。
荷室の存在感をやや消したのが特徴的なプロファイル
価格は「508 SW Allure」が450万2000円、「508 SW GT Line」が493万円、そして「508 SW GT BlueHDi」が526万6000円。

ライバルはボルボの「V60」シリーズがまず思いつきます。全長4760ミリでホイールベース2870ミリのステーションワゴンです。ただしディーゼルの設定はなく、ガソリン(514万円~)とハイブリッド(674万円~)のみの設定です。

ボルボのこのステーションワゴンは(標準の金属サスペンションのままだと)やや硬めの足まわり。荷室にたっぷり荷物を積んで走るってことを想定しているんでしょう。雰囲気でいうと、プジョー508SWのほうがオシャレです。欧州車、ドイツ車でなくても、けっこう味があるんです。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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