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2020.05.10

アメリカンSUVに再注目!? キャデラックXT6に乗るってなんかイイかも

イマドキのSUVとも、本気なクロカンとも違う。そうキャデラックXT6にはアメリカンSUVならではのおおらかな味わいがあります。しかも、実は(失礼)すっごく先進的。その魅力を解析いたします。

CREDIT :

取材・文/小川フミオ

アメリカンSUVでしか味わえない、唯一無にな味わいがイイんです

キャデラック「XT6」
全長5060ミリ、全幅1960ミリ、全長1775ミリ
SUVって聞くと、やっぱりアメリカだよなあって思うオヤジさんは、古い世代? いやいや、やっぱりアメリカ製SUVはひと味ちがってます。キャデラック「XT6」はほかにない個性があって、乗ってみる価値が充分にあると思うんです。

日本で発売されたキャデラックXT6は、2019年に米国で発売された最新モデル。メルセデス・ベンツGLEより少し大きい、余裕あるボディサイズで、3列7人乗りというのが、まず大きな特徴。

米国でSUVは3列シートがないと売れない、と言われているぐらいニーズが高いのです。キャデラックはもっと大きなサイズのSUVであるエスカレードでも3列シートを採用しているので、手慣れたもの。
キャデラック「XT6」
キャビンが大きくて見るからに実用性が高そう
XT6は、2列めが独立してアームレストまで備える、いわゆるキャプテンシートとなっていて、左右席の間から3列めのシートにアクセスできるウォークスルー機能を持ってます。これがかなり便利なのは、こういうクルマに慣れたおやじさんなら、先刻ご承知ですね。

スタイルは、さきに日本市場に導入されているスポーティなルックスのXT5ともまた違い、ルーフの前後長をたっぷりとった機能主義を感じさせます。見た目からして広そう。ウィンドウグラフィクスを工夫したりして、妙にスタイリッシュさを狙うような、あざとさがないのは、逆に好感もてちゃいます。

それでいて、フロントマスクといい、リアのコンビネーションランプといい、しっかりキャデラックファミリーであることをアピール。とりわけフロントマスクは、縦型のLEDによるシグネチャーランプと、幅の狭いヘッドランプのケースとで、ちゃんと”ひと味ちがう”ってアピールが効いているではありませんか。
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キャデラック「XT6」
ドライバーズシートは目線も高いし居心地がいい
運転してみて、まず感じるのは、意外なほど足回りがしっかりしていることです。カーブでは、車体のノーズの沈みこみを適度なところで抑えているんです。大きな車体だけれど、カーブが連続する道だって、くいくいいけちゃいます。

考えてみたら、米国にだって、カーブの多い道あるんですよね。有名なところではロサンジェルス近郊のマローランド(マルホランド)ドライブ。あんな道もOKでしょう。

3649ccV型6気筒エンジンは、最高出力231kW(314ps)と最大トルク368Nmを発生。四輪を駆動します。小さくないボディですが、充分なパワーで、出足もいいし、追い越し加速もかったるさは一切ありません。
キャデラック「XT6」
独特の形状のリアコンビネーションランプでキャデラックとわかる
アクセルペダルの踏み込みに対する加速のよさと、にぶくない操舵(ステアリングホイール操作)感覚が、うまくマッチしているのですね。そして、どことなく、車体の動きが鷹揚。ふわんっと路面の凹凸をこなすので、運転が好きなおやじさんだったら”いいねえ”と思うこと、まず間違いなし。

最近SUVの世界ではクロスオーバーというジャンルが出てきて、セダンのような操縦感覚をウリにしているモデルもあります。それはそれでいいのですが、XT6の、セダンともクロカン(クロスカントリー)型4WD車とも違う、この独特の”味”は貴重です。

変速機は9段オートマチックです。7速でようやく直結なので、低めのギアを使ってパワーを引き出すのが得意です。特にドライブモードセレクターで「スポーツ」をセレクトすると、アクセルペダルへの反応が速いトルクバンドをしっかりキープしてくれます。
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キャデラック「XT6」
最高出力231kW(314ps)@6700rpm、最大トルク368Nm@5000rpmとV6エンジンは高回転型

快適でラグジュアリーなキャビンはロングドライブにぴったり

米国にはカーブもあるし、一方で、長い長いまっすぐな道もあります。そこをXT6に乗って走っていったりするのでしょう。そういうときに疲れないのは重要な性能のひとつなんですね。

もうひとつ、大事なのは、安心して、信頼して乗っていられるか、ということです。XT6のびしっとした剛性感の高い車体には、ユーザーの期待をしっかと受け止める能力が感じられるんです。

室内は雰囲気よくデザインされています。キャデラックのプレミアムセダン、ダッシュボードはCT6などにも通じるテーマでまとめられています。ダッシュボード、ドアトリム、すべてが立体的な造型で、有機的につながっていているんです。
キャデラック「XT6」
アダプティブクルーズコントロール、前後歩行者対応オートマチックブレーキ、レーンキープアシストなど安全装備も豊富
試乗したクルマはベージュのレザーをシートに張った内装で、日本車にはない色彩感覚が新鮮ではないですか。ダッシュボード中央部に左右線対称に木目が展開するウッドパネルが張られているのも目をひきます。

キャデラックでは、ホンモノに見える、ではなく、ホンモノを使う、ということを素材選びのポリシーにしていると説明しています。トゥルートゥマテリアルという、クルマの内装デザインの考えかたが採用されているのですね。

レザー、クロームの金属パーツ、数種類のレザーといった素材が、他に類のない世界観を実現しています。シート背もたれの模様はキャラデラックの「クレスト」というエンブレムの輪郭をモチーフに。各部に凝っているのも、オーナーには嬉しい点であります。
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キャデラック「XT6」
3列および2列目シートのバックレストを倒せるので荷室容量は大きい
第2列のシートは、さきに触れたように、キャプテンシート。これ、ぜいたくな気分でいいですよね。後席に大事な人を乗せるときは、かなりいいかんじのおもてなしになること間違いなし。

そして第3列にもちゃんとシートが。爪先が前の席の下に入らないので、おとなには脚まわりがすこし窮屈かもしれません。でもそんなに長い時間でなければ、充分乗っていられます。

そしてこの第3列のシートを使っている状態でも、荷室容量は357リッターが確保されているから大したもの。キャリーオンなら2つ楽々積めます。ゴルフに行こうよって誘うときは、第3列のシートを折り畳めば荷室広大です。4人で楽々なのですよ。
キャデラック「XT6」
6名乗車

実は非常に先進的な技術が搭載されています

キャデラックは、コネクティビティに代表される先進技術採用にかけては進取の気性に富んでいます。米国では、衛星通信システムと三次元のロードマップを組み合わせたナビゲーションと自動操舵システムが実現化されているんです。

メーカーが、この道なら手放しで走っても大丈夫だろうか、とすべて事前に調査してオーケイを出した道だったら、ステアリングホイールから手を離したまま、どこまでも走れるシステムが搭載されているんです。

日本ではあいにく衛星システムが使えないため、残念ながら、同じようにはいきません。でもきっちり新しくて、ゼンリンの市街図とオンラインVICSのデータを組み合わせた、クラウドのマップを使ったナビゲーションシステム搭載です。
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キャデラック「XT6」
4 種類のドライブモード(ツーリング、AWD 、スポーツ、オフロード)が選択できる
クルマにマップがインストールされていないため、アップデートの必要もなく軽く動くのが、セリングポイント。カーナビの地図データが新しいの古いの、なんて言っている時代は過去のもの、ということです。

電子技術といえば、キャデラックが2015年発表のセダン、CT6で早々と実用化したリアカメラミラーも、これ、便利です。画像のクオリティも上がっています。

カメラは外に向かって付いているわけですから、後席に何人座ろうが、何を積もうが、後方視界がまったく影響されないのが大きな利点であります。それに室内の物理的な鏡面ミラーより映し出される範囲が広いし、夜間見やすいので、たいへんありがたい装備です。
キャデラック「XT6」
CT6日本仕様につづいて「DR(自律航法)マップマッチング対応クラウドストリーミングナビ」標準装備
ドイツや日本のSUVの次を探しているおやじさんには、こういうわけで、XT6に乗って頂きたいと思うわけです。雰囲気あるクルマなので、選んだひとのポリシーを感じさせるのも、評価したいポイントなのですよ。

価格は870万円。オプションはペイントだけ、というのがキャデラックのマーケティングです。カメラ、グラスルーフ、BOSEの「Performance Series」サラウンドサウンド 14スピーカーシステム、「DR(自律航法)マップマッチング対応クラウドストリーミングナビ」、20インチホイールなど、ほぼすべてが標準装備。

一見安いと思っても、ほとんどの装備がオプションで、結局予想以上に高くなってしまった。そういうことがないように、というのが、キャデラックを輸入している日本ゼネラルモーターズのポリシーなのですね。これも評価したいポイントです。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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