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2020.03.20

小さくて速い! メルセデスAMG A35 4MATICの真の価値とは?

メルセデス AMG A35 4MATICといえば、ドライブ好きのオヤジさんにはたまらない、ホットハッチとして大注目の一台。その実力を試してみました。

CREDIT :

取材・文/小川フミオ

使い勝手はバツグン。その走りもバツグン!

メルセデスAMG A35 4MATIC/写真は19インチリムのホイールを入った「エディション1」
写真は19インチリムのホイールを入った「エディション1」
これみよがし、というのは、ちょっと粋じゃないですよね。例えば、スポーツカーで「運転うまいゾ」と能力を誇示するより、ハッチバックでじつは速い、という方が、奥ゆかしさもあり、大人な感じがするものです。

メルセデス・ベンツ日本が2019年8月に導入した「メルセデスAMG A35 4MATIC」は、一見、地味めな4ドアハッチバック。オプションで巨大なリアスポイラーをつけることも出来るんですが、存在をあんまり誇示せずに走らせることも可能です。

でもじつは、かなりの実力派なんですね、これが。特にこのエディション1は、特別。まず目をひくのが、バンパー一体型の大型のエアダム。ここにレース車のようなスプリッターが付きます。バンパーコーナーに、魚のひれのように装着されたスプリッターは、空力特性によって、高速でのコーナリングを劇的に向上させる働きをしてくれます。
メルセデスAMG A35 4MATIC/「エディション1」は写真の「designoマウンテングレー」と「サンイエロー」が各200台の限定販売
A35 エディション1は写真のデニムブルー、A45 エディション1は「designoマウンテングレーマグノ」と「サンイエロー」が限定販売
エンジンは、1991cc4気筒。225kW(306ps)@5800rpmの最高出力と400Nm@3000~4000rpmの最大トルクを発揮。AMGがチューニングした7段ツインクラッチ変速機を介して、前後輪を駆動。この数値を見ただけでもタダモノじゃありません。

ためしに乗り込んで、アクセルペダルを軽く踏み込んでみると、のぞけるような加速。軽量化をはかって1570キログラムに抑えた車体だけに、パワフルさはひとしおです。

瞬発力は、みごと。ギアをドライブに入れて、アクセルペダルを軽く踏んだだけで、飛び出すようにスタートします。高速走行で、定速走行時から追い越し加速するときの身のこなしのするどさも、目がさめるほどです。
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メルセデスAMG A35 4MATIC/TFT液晶モニターを使っている
ステアリングホイールを切ったときは、間髪いれずというかんじで、クルマのノーズがさっと向きを変えます。このレスポンスの良さ、ドライバーはクルマと意志が通いあっているように感じるはず。そのぐらい反応が速いんです。

クルマが自分の思いどおりに動いてくれると感じられるのは、じつにいいもの。そのためには、足まわりと車体の剛性とが重要な要素でありますが、加えてもうひとつ。クルマと自分が一体化していると思えるには、ブレーキペダルを踏んだときの制動力のリニアさにもかかっています。
メルセデスAMG A35 4MATIC/小径ステアリングホイールに専用スポーツシートを備える
スポーツカーの命はブレーキ。速いクルマを作るのは簡単だけれど、速く止まれるクルマはたいへん、とはよく言われることです。その点A35 4MATICは、ぬかりありません。

ペダルのフィールは繊細で、極端なことをいうと1センチ単位で制動距離が調節できそう。かつ、強く踏めば強力な手でつかまれたようなストッピングパワーを発揮してくれるのです。こういうところに、モータースポーツの歴史が長く、F1では2014年から6年連続で選手権を獲得しているメルセデス・チームの存在感を感じさせるではありませんか。

インテリアもかなりスポーティ。ドライブ好きのオヤジさんなら、やる気をかきたてられるでしょう。モータースポーツの世界ではおなじみの、コーナリング中にからだが滑りにくいスウェード調の素材をシート表皮やステアリングホイールなどに採用しているのも、機能的であり、かつ雰囲気的にも気分を盛り上げてくれます。
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メルセデスAMG A35 4MATIC/6500rpmからレッドゾーンが始まる
そもそも、Aクラスというメルセデス・ベンツのラインナップでもっともコンパクトなクルマに、モータースポーツで培った知見と経験を注ぎ込んだホットハッチのアイディアは、2014年に実現しました。

3代目Aクラスに、「A45 AMG 4MATIC」という265kW(365ps)、最大トルク450Nmの2リッターエンジンとフルタイム4WDシステムを搭載したモデルを設定。市場で歓迎されたのが、スタートでした。

それまでこのようなホットハッチは、フォルクスワーゲンや、イタリアやフランスのメーカーが得意とするところ。その市場にいわば”王者”が入ってきたのですが、競合になったところはやりにくかったでしょう。
メルセデスAMG A35 4MATIC/アンビエントライトが備わり雰囲気が楽しい
アンビエントライトが備わり雰囲気が楽しい
現行のメルセデスAMG A35 4MATICは、全長4440ミリ、全幅1800ミリ、全高1410ミリ。導入時に設定された「エディション1」では、大型のルーフスポイラー(通常はオプション)や、19インチリム径のホイールと組み合わされた235/35R19という幅広タイヤを備えています。

メルセデス・ベンツ日本では、このA35 4MATIC(628万円~)に加え、さらなる高性能の「A45 S 4MATIC+」(790万円~)を発売。こちらは、310kW(421ps)@6750rpmの最高出力と500Nm@5000~5250rpmの最大トルクを発生する1991cc4気筒エンジン搭載です。

これも速い。驚くほど速い。かつ、乗り心地はほどよくて、長距離も走れそうです。自動車用語を使うと、グランドツアラーとレーシングカーのいいとこどり。

A35 4MATICとA45 S 4MATIC+の価格差は150万円以上あるけれど、ふところに余裕あるひとなら、おおいに迷ってほしいものです。この時代にこんなハッチバックを作ってしまうメルセデス・ベンツにはホント感心させられます。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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