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2019.10.06

大人のミニバンは実直なのがいい。フォルクスワーゲン・シャランTDI Highlineに試乗!

クルマはライフスタイルを拡張してくれる道具だ。そんな当たり前のことを、実直に上質に仕上げたクルマは改めて教えてくれる。今回はフォルクスワーゲンのシャランにフォーカスする。

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文/小川フミオ

本質的な上質を追求したミニバン

燃費はリッター14キロで、高速だけだと15.7キロが公表値
高級車というと、大きなセダンや高性能クーペというのが、通り相場かもしれない。でも上質という点からすると、ミニバンもなかなか魅力がある。

上質というのは、生活の送り方のこと。ゴルフや最近また流行りの感のあるキャンプ、さらにマリンスポーツやスノースポーツなど、さまざまな楽しみを持つライフスタイルはいいものだ。

それにぴったり合うのは、積載量の大きさなど、機能性の高いミニバンなのだ。ここで紹介するのは、2019年10月発売のフォルクスワーゲン・シャランTDI Highline(ハイライン)だ。
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全長4855ミリ、全幅1910ミリ、全幅1765ミリ
これまで日本では1.4リッターガソリンモデルが導入されていたが、全長4855ミリもある車体なので、正直いって走りは今ひとつ。もったいないなあと思っていたところに、今回の2リッターターボディーゼルの追加という朗報である。

いっておくと、そう派手なクルマではない。クロームパーツの使用量は抑えられているし、車体色もダークな無彩色系が多いし、シート表皮の色もダーク系。ひとことでいって、目立つために乗るクルマではない。

なのにあえて、これいいのでは、と推したいのは、クオリティの高さゆえだ。かゆいところに手が届く装備の面では、日本車に軍配が上がる。でもドアの建て付け、シートの作り、さらに各部の作動など、じつにかっちりしている。
機能主義的なスタイリングはいい意味で道具感たっぷり
操舵感覚は軽薄さがなく、ステアリングホイールの適度な重さもいいし、切ったときの車体の動きも、ミニバンとは思えないほど反応がよい。ごく低回転域でもしっかり力を出すディーゼルエンジンの恩恵もあり、ふつうの速度で気分よく走れるのだ。

1968ccの排気量を持つターボディーゼルユニットは、130kW(177ps)の最高出力と、380Nmの最大トルクを発揮する。これに6段ツインクラッチ(2ペダル)変速機が組み合わされ、駆動方式は前輪駆動である。

いま日本におけるフォルクスワーゲン車のディーゼル比率は5割と高く、モデルによっては7割を超えるという。おもしろいのは、ひとことでディーゼルといってもメーカーによって個性があることで、フォルクスワーゲン・シャランの場合は、この車体によく合っているところが魅力だ。
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最高出力130kWの前輪駆動
超がつくようなパワフルさはなく、ガソリンエンジンのスムーズさにはいまひとつ届かないまでも、力は実用上十分で、いちど速度に乗ると静かで、かつアクセルペダルへのレスポンスのいい走りである。

中間加速といって、高速道路などで加速するときは、1500rpmから上なら瞬発力もある。本当は可変ターボとかツインターボだと、もっとスポーティになるだろうけれど、加速のクセをつかめば十分速く走れると思う。

乗り心地も快適志向で、路面の凹凸はよく吸収しつつ、ふわふわとしたところも感じられなかった。高速では路面に張り付くように走る。風切り音も路面とタイヤがこすれて起こるノイズも、低めに抑えられている。乗員は快適なドライブが楽しめるだろう。
レザーシートパッケージは25万3000円
旅行やゴルフなどで高速を使う機会が多いひとは、とりわけこのクルマが好きになれそうだ。実用燃費に近い計測方法による「WLTC」モードによる高速燃費は15キロを超えるのも大きな魅力だろう。

さきに作りのよさのことを書いたとおり、ミニバンとしての機能面ではしっかり設計され、品質も高い。後席用のドアは電動スライド式でとても大きく開く。

3列目シートは、おとなが座っていられる設計で、脚も落ち着くし、背中も後頭部あたりまで支えてくれる。しかもこれが収納式というのに感心してしまう。
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ドイツらしい実直かつメカニカルなユーティリティ性

後席用には電動スライドドアが備わる
3列目シートを起こしているときの荷室容量はミニマムの300リッターであるが、2脚をたたんでしまいスライド式の2列目シートをすべて最も前に出すと711リッターにまで拡大する。とても広々としている。欧州のミニバンの面目躍如だ。

後席ドアか3列目にアクセスするときは2列目シートの背もたれを前に倒す。このときも片手で楽に行える。メカニズムもよく設計されていて、座面が持ち上がってシートバックが大きく前に倒れるようになっているとか、さすがメカ好きドイツ人と感心する出来のよさなのだ。

2列目には3人分のシートが並んでいて、スライドレールを備えている。3つのシートが個別に16センチも前後に動くのも、たいへん機能主義的だ。積む荷物によって容量が変えられるし、3人並んで座るときに少しずつシートをスライドさせることで肩がぶつかるのを防げるからだ。
3個ならんだ2列めシートは個別に前後に移動可能だし前にたたむことも出来る
ミニバンというと、トヨタのヴェルファイア/アルファード、あるいは最近市街地でも見掛ける機会が増えたメルセデス・ベンツVクラスといった高級モデルがあるが、扱いやすさと機能というふたつの点からみると、シャランの存在感は大きい。

価格は529万6000円(10パーセントの消費税込み)で、1.4リッターガソリンエンジン搭載のシャランTFIのトップモデル、Highline(479万円)より約50万円高となる。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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