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2019.08.18

メルセデス・ベンツGLE 450 4MATIC Sports

新型メルセデス・ベンツGLEはどう変わったのか?

フルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツのミドルサイズSUV、新型GLE 450 4MATIC Sportsに試乗。大型化し7人乗りとなった人気車はどう進化したのか?

CREDIT :

取材・文/小川フミオ

ゆったりとどこまでも行きたくなるSUV

新型「メルセデス・ベンツGLE」が2019年6月に発売された。
2015年のフェイスリフトから4年を経たモデルチェンジとなるが、そのぶん最新の技術がふんだんに盛り込まれているのが特徴だ。

新型GLEは、先代よりサイズが大きくなった。全長は約100ミリ延びて4930ミリとなり、ホイールベースは80ミリ延長された。そして3列シートの7人乗り仕様となったのも注目点である。
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多目的性が喧伝される新型GLE
今回試乗した「メルセデス・ベンツGLE 450 4MATIC Sports」は3リッター直列6気筒ガソリンエンジン搭載モデルだ。ほかには2リッター4気筒ディーゼルの「GLE 300d 4MATIC」と3リッター直列6気筒ディーゼルの「GLE 400d 4MATIC Sports」が日本向けに用意される。

直列6気筒ガソリンエンジンは、S 450やCLS 450 4MATIC SportsやE 450 4MATICで紹介されているパワープラントだ。インテグレーテッド・スタータージェネレーター(ISG)を組み込んでいる。

ISGは、過給機であるターボチャージャーの効果が追いつかない発進時のごく低回転域を担当する。電気モーターを回すことでトルクを補うシステムで、さきに触れた各モデルで、その実力は証明ずみだ。
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全長は約110ミリ延びて4940ミリとなり、ホイールベースは80ミリ延長された
実際に、GLE 450 4MATIC Sportsはボディの大きさをまったく感じさせない力強い走りを味わわせてくれる。最高出力は270kW(367ps)、最大トルクは500Nmという数値だけでは充分に想像できないかもしれない。とにかくパワフルさを感じるのだ。

走り出しからトルクがたっぷり感じられ、エンジンの回転が上がっていくと、ISGの電動モーターが作動し、次にターボチャージャーが、というぐあいで、みごとなパワフルさである。

9段オートマチック変速機は、ドライバーの意思をしっかりくみ取ってくれて、アクセルペダルの踏み込み量などに応じて、変速タイミングを調整してくれる。それがまたなかなかいいぐあいにツボを得ている。
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キャラクターラインを極力廃した最新のデザインで、スポーティなルックス
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ダイナミックセレクトも装備しているので、ドライブモードがいくつも設定されている。選んだモードに応じて、変速タイミングや操舵力の重さやダンピングなどが変わる。私は、乗り心地がびしっとして車体の揺れが少ない「スポーツ」がもっとも好みに感じた。

ステアリングフィールは、しっかりしている。中立付近でも反応をよくしている。
GLE 450 4MATIC Sportsのよさは、力強く走るのだが、いっぽうで快適さを感じさせてくれるところにある。

車体はコーナリング中、安定して動く。たとえばフロントの右側が沈むとリアの左が少し持ち上がる。それがクルマの操縦性に寄与していて、動きがつかみやすいので運転していて安心感をおぼえるのだ。

とにかくスポーティなモデルを、というひとは、おそらくこのあと発表されるメルセデスAMGモデルを待つといいかもしれないが、リラックスして走れる余裕あるサイズのSUVを探しているなら、メルセデスベンツ・ブランドのGLEが充分期待に応えてくれそうだ。

メルセデスの最新デザインで若々しくなった

小さなコーナーが連続する道では、さすがに車体の質量の大きさを意識する。ひらりひらというわけにはいかない。まあ、7人乗りの車体だから、それはしようがない。

全長は4940ミリ、全幅は2020ミリ、全高は1780ミリで、ホイールベースは2995ミリと、堂々たるサイズだ。主市場のひとつである米国では、3列シートのSUVの売れ行きがけっこう好調だという。日本ではそこまで使うかわからないけれど、ゴルフやアウトドアといったとき、この広さは便利だろう。

GLEはスタイリングも若々しくなった。Mクラスと呼ばれていた初代(1997年)の特徴だった、独特の形状をしたリアクォーターピラーはいまも引き継がれているが、全体としては新世代のメルセデス・ベンツのデザインだ。
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センタートンネルのグラブハンドルがユニーク
キャラクターラインを出来るだけ排したボディや、フロントマスクも、水平基調のリアコンビネーションランプも、AクラスやBクラスともどこかでつながる、スタイリングアイデンティティを有している。

とりわけこのクルマならではの個性となっているのはインテリアだ。ドアを開けたとき目をひくのは、四角い空調用のエアアウトレットがウッドパネル上に並ぶダッシュボードの新しいテーマだ。

インテリアトリムと呼ばれる部分の質感で室内の雰囲気はだいぶ変わる。今回の試乗車はマット(つやなし)加工された仕様だったが、いっぽうでピアノブラック仕上げなどを選ぶと、イメージがかなり違う。

センタートンネルに大きなグラブハンドルが設けられ、ヘアライン仕上げでクロームのパネルが内側にはめこまれている。外側はステッチが入ったレザー仕上げ。内側を64色から選べるアンビエントライトが彩っている。夜にドアを開けたとき、同乗者が喜んでくれる、もてなしになりそうだ。
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日本に入るガソリン仕様はISG装備の3リッター6気筒エンジン車のみ
大型のフラットタイプのTFT液晶モニターがダッシュボードに置かれているのは、AクラスやBクラスと共通で、MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)が使える。

「ハイ、メルセデス」と呼びかけることで、インフォテイメントや空調のシステムが起動する、メルセデス・ベンツ言うところの「自然対話式音声認識機能」だ。「暑いんだけれど」と言うと、「室内温度を1度(C)下げます」と応えてくれるというぐあいである。
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アタッチメントを装備すれば趣味の世界が広がる
音声コマンドのやりかたにはちょっとコツがあるけれど、オーナーになれば、すぐにおぼえられそうだ。かつてMBUXが導入された際、メルセデス・ベンツのエンジニアは、走行中に視線を逸らさないので安全、としていた。そのとおりで使い勝手がよい。

価格は、「GLE 450 4MATIC Sports」が1132万円(8%税込)、2リッター4気筒ディーゼルの「GLE 300d 4MATIC」が940万円(10%税込)、3リッター直列6気筒ディーゼルの「GLE 400d 4MATIC Sports」が1089万円(8%税込)となっている。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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