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2019.08.12

スーパーGT300クラス 第5戦@富士スピードウェイ

白煙を上げたAMG GTにいったい何が!? 表彰台圏内一転のリタイア…

シリーズ最長800㎞で争われるスーパーGT第5戦@富士スピードウェイ。4回のピットストップが義務づけられたロングレースにおいて、LEON RACNGは表彰台圏内を激走。そして73周目、悲劇が襲って……。

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文/大谷達也、近藤高史(LEON)

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炎暑のなか、二日間で延べ6万人以上が訪れたスーパーGT第5戦。年々、増加する関心の高さがうかがえる。
 タイでの海外戦を間に挟み、国内ではおよそ2カ月ぶりの開催となったスーパーGTシリーズ第5戦。その舞台は、全長1.5kmのロングストレートが待ち構える富士スピードウェイだ。いつもであれば、ストレートスピード勝負のこのサーキットで苦戦を強いられるはずのLEON号だが、今回はチームがマシン・バランスを完璧に仕上げたことで、黒澤治樹選手と蒲生尚弥選手のふたりは公式練習から確かな手応えを掴んでいた。
 そして迎えた公式予選。まずは蒲生選手がQ1に臨むと、トップのニッサンGT-Rとわずか0.372秒差で4番手に食い込み、Q2進出を達成。Q2を担当した黒澤選手も蒲生選手とほとんど遜色のないラップタイムをマークするが、上位陣が大幅なタイムアップを果たしたために12位という結果に終わった。
 しかし、決勝レースは500マイル=約800kmの長丁場。グリッドポジションよりはマシンの仕上がりがいいことのほうがはるかに重要である。しかも、予選に投入したのは決勝でのロングランを見据えた仕様のタイヤ。つまり、レース中の追い上げが大いに期待できるわけで、LEONレーシングの面々は強い期待を抱いてこの日の走行を終えたのである。
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ピットストップで順位を下げるたび、オーバーテイクショーを見せたLEONレーシングの走りはライバルチームの脅威だったに違いない。
 決勝当日の天候も快晴。8月の強烈な日差しがサーキット全体をジリジリと照りつけ、気温は33℃、路面温度50℃以上という酷暑のなかで500マイル・レースのスタートは切られた。
 第1スティントを受け持った蒲生選手は序盤から積極的にプッシュ。2周目には11番手、4周目には10番手とグングン順位を上げていき、28周目には3番手を走行するライバルに肉薄。何度もテール・トゥ・ノーズとなりながらメインストレートを駆け抜けていった。そして31周目には前を行くライバルがピットストップを行ったことで暫定的に3番手に浮上。続く34周目に最初のピットストップを行い、タイヤ交換と給油により16番手に後退したものの、蒲生選手からステアリングを譲り受けた黒澤選手は直ちに反撃を再開。43周目に10番手、52周目に7番手まで挽回し、あれよあれよという間に3番手争いを演じるポジションまで再び這い上がってみせた。
 LEONレーシングは順調に60周目に2度目のピットストップ。蒲生選手へのドライバー交代と給油を済ませると今度は、チームはタイヤ無交換のままマシンをコースに送り出した。実は、この作戦を見越して黒澤選手はタイヤを温存しながら周回を重ねていたのだが、それでいながらトップに迫るポジションまで上り詰めたのだから驚きとしか言いようがない。それほど、今レースのマシンとチームのコンディションが良かったということなのだ。
 さて、LEONレーシングがコースに復帰した時、蒲生選手は13番手となっていたが、68周目に事故処理でセーフティカーが出動するまでには7番手へと浮上。タイヤ無交換作戦ながら、まさに手のつけられない速さを見せていた。
 しかし、LEONレーシングの快進撃はあっけない幕切れを迎える。73周目、ボディ側面からかすかに白煙が見え始めたため、蒲生選手は緊急ピットストップ。停車するや否や、マシンは激しく白煙を噴き上げ、チームは消化器を噴霧して火災の発生を防いだ。
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ピットクルーもマシンの出来と自らの作業に自身を抱いていただけに、リタイアはバッドラックとしか言いようがない結果だった……。
 いったい、マシンに何が起きたのだろうか──?
 実はその直前、他のマシンが落としたであろうクルマのパーツがフロントグリルのネットをも突き破り、オイルクーラーを直撃。このためエンジンオイルが漏れ始め、エンジンの潤滑と冷却に大きな支障をきたしていたのだ。「当たる場所が1㎝ずれていたら、こんなことにはならなかったのに……」 マシンのダメージを確認した黒澤選手は、そう語ると天を仰いだ。
 タイ大会での表彰台獲得で勢いに乗り、今回も表彰台を狙える展開だっただけに、この結果はかえすがえすも残念。しかし、ここまで強い手応えを掴んだLEONレーシングの勢いを止めることは誰にもできない。次戦オートポリスでも、胸のすくような活躍を見せてくれることだろう。

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