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2019.03.17

【まとめ】ジュネーブモーターショーから注目モデルをどっさりお届けします!

3月に開催されたジュネーブでの国際自動車ショー。自動車を環境が劇的に変化するなか、各社が提案した次世代のクルマとは? ジャーナリスト小川フミオがリポートする。

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取材・文/小川フミオ

VW、アウディを筆頭にEV(電気自動車)が続々登場!

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フォルクスワーゲンのユニークなEV「ID.バギー」
クルマと付き合うなら、今年あるいはその先のトレンドを知るのは大事だろう。ファッションやウォッチと同じだ。2019年とそれ以降、どんなクルマが出てくるか。知るのに絶好の機会といえるジュネーブでの国際自動車ショーが3月に開催された(17日まで)。

2019年のショーで見られた傾向を簡単に記すと、ハイパースポーツカーの乱舞と、電気自動車(EV)の着実な広がりだ。とりわけEVは乗用車もスポーツカーもと、数多い出展である。
とりわけ目をひいたのは、フォルクスワーゲン(VW)と、アウディだ。気候変動抑制のための「パリ協定」(2015年)を、米のトランプ大統領は離脱するとして世界中にショックを与えたが、欧州ではしっかり生きている。

自動車によるCO2量を抑制するために欧州連合(EU)が定めている「排ガス規制」は厳しくなるいっぽうだ。それが各自動車メーカーが代替燃料(つまり電気など)のパワートレイン開発に力を入れる背景となっている。
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アウディ「Q4 e-tronコンセプト」は新しいフロントグリルが話題に
VWは今回のショーで「ID.バギー」という60年代の米国西海岸のクルマ文化を連想させるコンセプトモデルを発表して話題を呼んだ。スタイルはまるでザ・ビーチボーイズの歌に出てきそうなデューンバギーであり、フルオープンのボディはいかにも楽しそうだ。

VWの狙いは、しかしじつは、別のところにある。EVのために開発した「MEB」というプラットフォームをグループ企業でも使うし、さらにサードパーティにも販売する計画なのだそうだ。これは同社のヘルベルト・ディースCEOがインタビューに応えて教えてくれたこと。

そこで”こんなクルマを作ってはどうでしょう?”というサンプルとして企画されたのが、今回の「ID.バギー」なのだ。実際にVWでは2019年にEVの「ID.」シリーズを欧州で発売する予定だ。これは目が離せない。

アウディも負けていない。ジュネーブショーの広いブースに並べたは、EVとハイブリッドのみ、といういさぎよさである。「e-tron(イートロン)」と名付けたEVは2018年に国際試乗会も開催されたが、このあと二の矢、三の矢と魅力的なモデルが控えているのだ。
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ホンダ「HONDA e」は欧州で300万円台相当の価格になるとか
日本勢では、ホンダが「2019年に欧州で、そのあと日本でも発売します」と言うコンパクトなEV「HONDA e」を発表した。N-ONEを思わせるキュートなルックスを持つ一方、フルデジタルコクピットを採用するなど凝っている。

マツダは日本でも発売予定のコンパクトSUV「CX-30」をこのショーで発表した。CX-3とCX-5の間に入るモデルだが、スタイリングも内装も、新時代のデザインになったのが注目点だ。かつパワートレインには、低燃費を謳う圧縮着火ガソリンエンジンを使った「スカイアクティブX」も搭載予定という。

デザインを統括したマツダ・デザイン本部の柳澤亮氏に会場で会った。氏によると「スリーク&ボールドというデザインテーマの下、のびやかなサーフェス(ボディ面)でひとつの動きを作るよう心がけました」ということだった。
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マツダ「CX-30」は日本でも売れそう
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プジョー、アルファロメロ、アストンマーチンも魅力的なモデルを発表!

プジョーは「208」のフルモデルチェンジ版を一般公開した。ライト類の造形にも凝っているし、インテリアも先進的だ。かつユニークなのは、欧州で逆風が吹いているディーゼルエンジンを捨てたこと。ガソリンとEVのみの展開となる。

アルファロメオも「トナーレ」というちょっとコンパクトなSUVのコンセプトモデルを持ち込んだ。プラグインハイブリッドのパワートレインも予定しているそうだ。
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プジョー「e-208」はEVシフトの象徴
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EVはスポーツカーにも多かった。ジュネーブショーの特徴は、ベンチャー的なメーカーが多く出展することだ。たとえば2019年は、VWの監査役会会長を務めていたフェルディナント・ピエヒの息子、トニ・ピエヒが共同経営者を務める「ピエヒ」が「マークゼロ」というEVスポーツカーのコンセプトを発表した。

歴代フェラーリのデザインなどで知られるピニンファリーナの量産(というほど多くないが)部門アウトモビリ・ピニンファリーナは創業者のファーストネームを車名にしたEVスポーツ「バティスタ」を発表。静止から時速100キロまで、信じられないけれど、2秒で加速するという。

ハイブリッド・スポーツも注目に値するモデルが多い。ひとつはマクラーレンのハイパー(超)スポーツ「スピードテイル」だ。まるで量産車とは思えない、速度記録を狙ったクルマのような外観だ。航空機のような水滴型のキャビンはガラスで覆われていて、ドライバーが中央に座る3人がけのレイアウトも大きな話題に。パワートレインの詳細は明らかではないが、「1050馬力で、最高速は時速403キロ」とマクラーレンは発表している。
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実際に販売するとは信じられないマクラーレン「スピードテール」
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BMW Mでレースカーなどを担当していたエンジニアと組んだピエヒの「マークゼロ」
アストンマーティンも負けていない。フォーミュラ1のレッドブル・アドバンストテクノロジー(RBAT)がシャシーと空力の開発に手を貸している「AM-RB003」というルマン・プロトタイプのようなモデル、それにそのロードゴーイングバージョンともいえる「ヴァルキリー・ビジョン・コンセプト」を初お披露目した。

「いま鋭意開発中で2022年の発売を予定しています」。開発を総指揮するマット・ベッカー氏はそう教えてくれた。SUVの「DBX」は発表されなかったので尋ねると、「今年の秋までにはお見せしますよ」と答えてくれた。

もちろん、スーパースポーツも花盛りだ。ランボルギーニは大きな面積のブースを使い、美しい「アヴェンタドールSVJロードスター」を発表した。

メルセデス・ベンツが12気筒搭載のSクラスの最終特別仕様を出したいっぽうで、ランボルギーニは「もてるものをすべてつぎ込んだ」とステファノ・ドメニカーリCEOが語るとおり、770馬力の6.5リッターV12を堂々と載せ、静止から時速100キロまでを2.9秒で加速させるそうだ。
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ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJロードスター」はスタイリッシュでかつバカ速い
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メルセデスAMGの「GT Rロードスター」は577馬力のV8搭載
気筒数でも希少価値でも群を抜いているのが、ブガッティがお披露目した「ラ・ボワチュール・ノワール」だ。16気筒搭載の、ほぼ手づくりのモデルである。デザインディレクターのアヒム・アンシャイト氏によると「2年前にコンピューターでデザインを完成させた時点でオーナーが決まりました」という。税抜きで1100万ユーロと言われる、世界に1台だけのモデルである。
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ブガッティ「ラ・ボワチュール・ノワール」はまぼろしといわれる戦前のスポーツクーペ、クーペ・アトランティクの別称でもある
ファラーリは488GTBの後継車「F8トリブート」を2台、ブースに並べて話題を呼んでいた。3.9リッターV8エンジンは720馬力とパワフルで、静止から時速100キロまで2.9秒で達してしまう。

「トヨタGTスープラ」もジャーナリストの話題を集めていた。魅力的な色に塗られたモデルを並べ、さらに今回のショーで初公開となる「GT4コンセプト」が華やかなカラリングで目をひいた。

メルセデス・ベンツはEVの「EQ」を前面に押し出すいっぽう、メルセデスAMGの「GT Rロードスター」など、走りを追求することも忘れていない。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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