野尻湖畔の静かな森に佇む隠れ家ホテルは、別荘感覚で訪れたい

上信越自動車道の信濃町ICを降りること約15分、野尻湖に突き出した小さな半島に位置する「野尻湖ホテル エルボスコ」。そこは観光地然とした場所ではなく、ありのままの自然を間近に愛でられる場所。客室はすべてレイクビューで、大きく採られたピクチャーウィンドウからは、四季折々の陽光にきらめく湖を眺められます。

この静なる環境がもたらしてくれるのは、言葉の要らない親密なひと時。そのムードをひと際高めてくれるのが、ホテル全体のデザインです。

近代建築の巨匠、清家清氏が手がけたこちらは、ロビーやレストランがあるパブリック棟と等高線に沿って建てられた客室棟とで構成されており、外観は低層で大きな切妻屋根が特徴的です。

インテリアは、自然を美しく見せるミッソーニカラーなど現代の“色”採用しながらも、ひっそりと落ちつく別荘のような居心地の良さに満ちています。ライブラリーには地元ゆかりの作者の蔵書も多数。廊下はプライバシーに配慮し、稜線に沿って奥行きある造りに。客室棟のところどころには湖が見渡せるサンデッキ。

ゲストのほとんどが、こんな館内で読書をしたり、時間と自然を愛でたりして静かに過ごす……。その雰囲気がとても洗練された大人っぽさなのですよ。

このため、最初は1泊だけで訪れたゲストも、リピートの際は2泊以上ステイする人がほとんどとか。それだけ、このホテルで過ごす時間が特別なものということなのです。

“森の中のビストロノミー”がコンセプトのダイニング「moment」では、気軽に本格的なフレンチスタイルのディナーを味わえます。食材は、信州ポークや信濃町産のバターナッツなど、できるだけ地元のものを使っており、隣の集落の朝採りの野菜が普通にテーブルに並ぶことも、ままあります。

食事に合わせるのは、最近、人気急上昇中の長野県小布施町でつくられた金賞受賞ワインをはじめとする地産の数種のワイン。グラスでも頼めるので、いろいろ試してみるのも、楽しいものです。

さらにさらに、館内には信州産蕎麦をいただける「SOBA BAR」があるのも、飲んだ後の〆好きな大人男子には、うれしい限り。部屋に戻る前に、これまた信州産のウイスキーとともにざる一枚、な〜んて大人な夜の過ごし方が堪能できるのです。
ちなみに、朝食は、ダイニングでビュッフェ形式。人気の特製の朝カレーもいただけますよ。

このように、大自然とふたりきりの時間の両方を満喫できるエルボスコ。春の新緑、夏の溢れるような緑、秋の紅葉のグラデーション、冬の枯れ木もまた……。四季折々で表情を変える湖の景色。その眺望も、ここならではのご馳走のうち。大切な人とぜひ、訪れてくださいまし。

目に映るものすべてにいちいち感想を述べるのではなく、景色や時間を心で感じて必要な言葉だけをふたりで共有する――。そんな関係の大人の男女にふさわしい、森の中の隠れ家ホテルでした。

●伊勢の深い杜に包まれて、月の風情を感じる限定6室のプレミアム旅館
いにしえの時代より、人と密接な関係にあった神秘的な月を宿名に冠した宿「月夜見の座」。伊勢の杜に佇む3棟６室の贅沢な空間で、広々とした森を眺めながら、ふたりでぼんやり過ごすという最高の時間を過ごせます。

●下呂温泉を一望する高台から、“天空に遊ぶ”贅沢を叶える宿
日本三大名泉のひとつと謳われる岐阜県下呂温泉の名旅館「しょうげつ」。全21の客室から飛騨の美しい眺望を楽しめる、静かで、ゆったりと寛げる宿です。飛騨牛や鮎など、地元の滋味を堪能できる料理も格別。

●伊東に行くなら……煌めく水平線を望む絶景ホテルで愛のおこもりを
伊東でも屈指の眺望を誇るスモールラグジュアリーホテル「ホテルふたり木もれ陽」。ドリンクのみならずスナックや夜食までオールインクルーシブとサービスも満点。すべて100平米以上の広～い客室でゆっくりおこもりするのにピッタリですよ！

●石川県の山城温泉に、無為な時間こそ最高の贅沢と実感できる宿があるんです
石川県加賀市の山代温泉、その高台に建つ全17室の温泉旅館「べにや無何有（むかゆう）」。「無何有」とは何もないこと、無為であること。ゆっくりと流れる豊かな時間を楽しむ大人のための宿なのです。