2022.03.13

【京都の新個性派ライフスタイルホテル Vol.3】

昔の花街を思わせる路地が丸ごとホテルに！「Nazuna 京都椿通」

アフターコロナを見据えて続々と新しいホテルがオープンする京都。お洒落で個性的なライフスタイルホテルをシリーズでご紹介します。

CREDIT :: 写真・文／古関千恵子

ウルトララグジュアリー系からバジェット系まで、今、京都はNEWホテルが花ざかり！背筋をのばした特別な旅というより、京都リピーターにおすすめしたい、 “ライフスタイルホテル”をピックアップ。デザイン性と居住性が両立し、しかもお値打ち！ 3回目は昔の花街を思わせる街並みをそのまま改修してホテルにしてしまった「Nazuna 京都椿通」をご紹介します。

23軒の町家が並ぶ、路地一帯をひとつの宿に

“Nazuna”とは、利用されなくなった伝統的な建築物に手を加え、新たな魅力を加えて再利用する宿泊施設の開発・運営会社。旅館・ホテル形態と一棟貸し（バケーションレンタル）の２タイプがあり、Nazunaは前者にあたります。

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▲ レセプション棟２階のラウンジから見た客室。
▲ 表玄関。この奥にレセプション棟があり、その先に椿通が。
▲ ディテールにもこだわりが。

▲ レセプション棟２階のラウンジから見た客室。
▲ 表玄関。この奥にレセプション棟があり、その先に椿通が。
▲ ディテールにもこだわりが。

「Nazuna 京都椿通」は、中心地から２駅ほど離れた四条大宮付近。取り壊される予定だった築110年以上の町家群、1400㎡ものエリア一帯を引き取り、ひとつのホテルとしてリノベーション。1年間かけて23軒の町家の客室を改修、レストラン棟とレセプション棟を新設し、2020年にオープンしました。

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しだれ柳が揺れる門を抜け、レセプション棟の２階のラウンジでチェックイン。この棟を抜けると、まるでワープしたかのように明治時代の町家の通りが広がります。

2階建ての町家の客室は、すべて半露天風呂付き

L字型をした椿通に軒を連ねるのは、23軒の町家の客室。５タイプに分かれる客室はすべて２階建てで、半露天風呂付きです。

ラグジュアリータイプの「TAKE」と「MIZU」は計９室。１階に半露天風呂のバスルームとリビング、２階にベッドルームの造りになっています。デラックスタイプの「IWA」、「HANA」、「HA」は計14室。1階に半露天風呂に面してベッドルームを置き、２階は布団が敷ける畳スペース。それぞれのテーマに沿ったインテリアになっています。

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▲ 客室「TAKE」。テーマをモチーフにしたインテリアデザイン。
▲ TAKEの１階にはリビング、その奥に半露天風呂が。
▲ TAKE2階のベッドルーム。竹がふんだんに使われています。

▲ 客室「TAKE」。テーマをモチーフにしたインテリアデザイン。
▲ TAKEの１階にはリビング、その奥に半露天風呂が。
▲ TAKE2階のベッドルーム。竹がふんだんに使われています。

今回、滞在した「TAKE」は天井にカーブを描いた竹が敷き詰められたデザイン。２階の窓から日没を迎えた通りを見下ろすと、ぽつり、ぽつりと明かりが灯り始めます。夕食を準備する湯気こそ立っていませんが、まるで110年前の町の暮らしがそのまま再現されたようです。

家の軒下には提灯が下がり、石畳の通りには置き行灯やところどころに火災予防のブリキのバケツが置かれています。各部屋の入口には番地のような部屋番号など、遊び心も利いています。

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▲ 半露天風呂。周囲は民家なので、あまり騒がないように……。
▲ テーマのモチーフがさりげなく格子窓に。
▲ 客室ナンバーもまるで標識のよう。

▲ 半露天風呂。周囲は民家なので、あまり騒がないように……。
▲ テーマのモチーフがさりげなく格子窓に。
▲ 客室ナンバーもまるで標識のよう。

“おせっかい”を身上とする、マニュアルのないサービス

サービスの理念は“おせっかい”。

そう聞くと引いてしまう人もいるかもしれませんが、スタッフはゲストの笑顔のために、会話を大切にし、努力を惜しみません。

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▲ ラウンジにはドリンクやスナックが用意されています。セルフでどうぞ。
▲ お土産を聞いたら、道順までもわかりやすく教えてくれました。
▲ ちなみに、姉妹ホテルのNAZUNA京都御所の「光の蔵風呂」。色とサウンドが変化し、浮遊感が味わえる貸し切り浴場です。※NAZUNA京都御所の宿泊ゲストのみ

▲ ラウンジにはドリンクやスナックが用意されています。セルフでどうぞ。
▲ お土産を聞いたら、道順までもわかりやすく教えてくれました。
▲ ちなみに、姉妹ホテルのNAZUNA京都御所の「光の蔵風呂」。色とサウンドが変化し、浮遊感が味わえる貸し切り浴場です。※NAZUNA京都御所の宿泊ゲストのみ

たとえば何の気なしに聞いた「今、喜ばれる通な京土産は何？」の質問にも、あちこち調べて、情報を山ほど集めてくれました。おすすめのアイテムや、その店への行き方など、親身な対応には、感動さえ覚えるほど。

これまでもマニュアルにはないサービスに心動かされたゲストから、チェックアウト後の部屋にスタッフ宛ての感謝の手紙が数多く残されてきたとか。ただ寝泊りするだけではない滞在が期待できます。