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2026.09.20

渡邊圭祐インタビュー。「年齢はただの数字。でも、富士山は30代のうちに登ってみたい」

「仮面ライダージオウ」でのデビューからキャリアを重ね、映画やドラマ、舞台で幅広く活躍する俳優・渡邊圭祐さんが舞台『Yerma イェルマ』に出演します。舞台への思い、そして年齢にとらわれず、自分らしく楽しむ時間のつくり方について伺いました。

CREDIT :

写真/江森康之 スタイリング/岡本健太郎 ヘアメイク/秋月庸佑  文/岡本ハナ 編集/鎌倉ひよこ、森本 泉(Web LEON)

渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

「仮面ライダージオウ」でのデビューからキャリアを重ね、映画やドラマ、舞台とさまざまな役柄を演じてきた渡邊圭祐さん。今回出演する舞台『Yerma イェルマ』では、とある秘密を抱えるイェルマの夫・フワンを演じます。


実際にお会いした渡邊さんは、端正なルックスでありながら、気負ったところのない、自然体の人。そんな落ち着いた雰囲気がふっと変わるのが、芝居の話になった時。目の奥にすっと力が入り、言葉にも熱がこもる。それまでの柔らかな佇まいとのギャップに、俳優にかける想いを感じました。


今回は『Yerma イェルマ』で演じるフワンという人物への向き合い方をはじめ、共演者との関係や、念願だったシアタートラムへの思い、そして年齢にとらわれず、自分らしく楽しむ時間のつくり方について伺いました。

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舞台にあがることは、役者を続ける上でかけがえのないピース

── 9月21日に開幕する『Yerma イェルマ』では、主人公・イェルマの夫、フワンを演じられますね。久しぶりの舞台ですが、出演が決まった時のお気持ちは?


渡邊圭祐さん(以下、渡邊) 久しぶりという感覚はありませんでした。今回の取材時に「3年ぶりのストレートプレイですね」と言われて、初めて気がついたくらい(笑)。去年は朗読劇をやらせていただいていて、自分の中では「舞台に立っていない」という感覚がなかったんです。


── なるほど。では、あらためて舞台と映像では、どんな違いを感じますか?


渡邊 板の上に立って、生でお芝居を見せるというのは、やっぱり映像とは全然違います。映像だと、一つのシーンやト書きに対して、まずは自分なりに解釈して演技をする。そこに監督から指示があって、議論をしながら、少しずつすり合わせていくんです。


でも舞台は、一つひとつのことに対して、どう見せるのか、どう立つのか、その答えをみんなで探していく。そこは大きく違いますね。舞台を経験することで、役者として本を読む力が純粋に高くなっていく感覚があります。僕の中では、役者をやっていく上でかけがえのないピースなんだろうなと思っています。

── コメントでは「念願のシアタートラム」とありましたが、渡邊さんにとってどんな劇場でしょうか?


渡邊 僕は、舞台に頻繁に足を運ぶ方ではないけれど、そのなかでもシアタートラムにはよく行くんです。もちろん作品そのものの力もあるけれど、劇場のつくりも大きいと思います。客席と舞台との距離が近くて、板の高さも含めて、没入感が強い。


歩き方ひとつとっても、一歩一歩にちゃんと意味を持たせないといけない。ただ、普段歩いている時って、そこまで考えていないじゃないですか。だから演じる上でも、無意識に動いているように見えるくらい、身体に役を馴染ませておく必要がある。


だからこそ、シアタートラムはすごくいい劇場だと思っています。ようやくそこに立てるんだな、というのは素直にうれしいですし、役者にとって特別な劇場でもある気がします。

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渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

▲ ジャケット157万8500円、パンツ23万9800円、シューズ参考商品/すべてボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)

「共感できない」からこそ、おもしろい

── 脚本を読まれた印象はいかがでしたか? 作品の魅力を感じたところも教えてください。


渡邊 すごく難しいなと思いました。2回目を読むのに躊躇するくらいで(苦笑)、「これはどういう意図なんだ?」と、すぐには答えが出ない部分が多かったです。 


そして、演出の稲葉賀恵さんをはじめ、みんなで口を揃えて言っているのが、「登場人物に共感できない」ということなんです。でも、それが面白い。むしろ、その「共感できない」というところが、今回の作品をつくる原動力になっているんですよね。


── 「共感できる」という作品は多いですが、その反対は珍しいですよね。


渡邊 唯一共感できると思えるのは、フワンの姉くらいです。親のしがらみがあって、フワンとイェルマ夫妻の家で暮らしているという設定で、そういう環境自体は身近にもありそうですし。でも、その姉に対しても、理解できない部分はものすごく多いと思うんです。 


でも、そういうところが面白い。観終わったあとに、隣の人といろいろ議論したくなるような作品なんじゃないかなと思います。

── 渡邊さんご自身は、これまで役を演じる時は、どこかに共感できる部分を探すことが多かったのでしょうか?


渡邊 そうですね。「ここは共感できるな」という部分を探して、それを手がかりにしている気がします。だから今回も、これからそういうものを見つけていく作業はしていくんだろうなと思っています。


── フワンはかなりデリケートな役柄ですよね。現時点では、どんなふうに役と向き合っていますか? 


渡邊 原作の設定から現代版にアダプテーションされた物語の中で、とてもデリケートに描かれているなと感じました。ロルカのエッセンスも加わっていて、すごくセンシティブな役でもあります。


── では、これからさらに役を深堀りする感じですね。 


渡邊 現時点では、動きだったり視覚的な仕掛けが多い作品になりそうだな、という予感があります。シアタートラムという劇場の空間をどう使って表現するんだろう、と思うようなト書きも結構あるんです。だから、舞台上で自分の身体をどう動かし、どう見せるのか。そこは、ある程度覚悟しています。


今は、僕らがこの作品にどう向き合って、どう伝えるべきかを稽古で試行錯誤しているところです。自分たちなりにちゃんと咀嚼したものを、観に来てくださる方に優しく受け渡せたらいいなと思っています。

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渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

答えを探しながら、作品をつくる

── 一緒につくりあげていくメンバーもそうそうたるメンバーですね。


渡邊 演出が稲葉(賀恵)さん、劇作がオノマリコさん。さらに共演者の方々のお名前を伺って「楽しそうだな」って。憧れていた劇場で、このメンバーと舞台をつくることができるんだと思うと、どうなるんだろうっていうワクワク感がありました。


── 今、ちょうど本読みが始まったところとのことですが、稽古場はどんな雰囲気ですか?


渡邊 すごくいい空気で進んでいます。今はディスカッションしながら、1場面ずつの理解を深めているところです。みんなの解釈を混ぜながら一緒に作品をつくっていっている段階ですが、役のことや作品のことについて、稲葉さんはとてもよくお話してくださるんです(笑)。


そんな和気あいあいとした雰囲気の中で、それぞれが自分の役やシーンについて意見を出しています。さらに、そのシーンに出ていない俳優もみんなでイメージを共有している。だから、「じゃあ、この後の僕のシーンは、こういうことなんですね」といったように、自然と理解が深まっていくんです。


── フワンの妻・イェルマ役の咲妃さんの印象はいかがですか?


渡邊 まだ二人でシーンを作っていく段階ではないので、あくまで今の印象ですけど、お茶目ですごく明るい、ひまわりみたいな人だなと思っています。

── そんな咲妃さんと、芝居ではどんなふうに向き合っていますか?


渡邊 フワンという役について、咲妃さんが「どう思いますか?」って問いかけてこられたことがあって、その時にお互いにしっかりと議論を交わしました。すごくストレートな方だと感じましたね。僕が言ったことに納得できなかったら、ちゃんと「それは違うと思う」って言ってくれそうだな、と。信頼できる方だなと思っています。


── いい稽古期間になりそうですね。


渡邊 そうですね。それに、まとめてくださるいっけいさん(渡辺)という存在がすごく大きいので、安心しています。かなりバランスの取れた座組だと思います。

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渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

舞台のために、身体を整える

── 舞台は公演期間も長いですが、今気をつけていることはありますか?


渡邊 普段、そこまで体調管理を意識するほうではないんですけど、やっぱり喉ですね。舞台は生ものなので、体調を崩してしまったらどうにもならない。身体が資本だということを、すごく実感します。


── 公演期間中は、なかなか外に出る時間もないですよね。普段はアクティブな方ですか?


渡邊 基本、外にいる気がします。家にいるのも好きだけど、できるだけ太陽の光を浴びておきたい。でも、舞台を控えているとそうもいかなくて……。稽古場が地下にあることもありますし、天気が悪いと缶詰の日々が続いてしまう。リフレッシュする方法は毎回、自分なりに探しています。


── そうなると、自分へのご褒美をしたり?


渡邊 それが、特別なことがしたいわけでもないんです。いつもよりちょっと高いUber Eatsを頼むこともありますけど、それですごく満たされるということもなくて(笑)。 


── なるほど。ちなみに、渡邊さんご自身は、普段どんな舞台を観に行かれるんですか?


渡邊 知り合いが出ているとか、以前観た舞台で気になった役者さんが出演されている時、ポスターを見て「面白そうだな」と思う時などに観に行きます。例えば、ぽつんと人物が一人だけ写っているポスターって、すごく惹かれるんです。適度に引き算ができていて、余白のあるものに惹かれる傾向があります。

── 公演が終わったら、少しゆっくりした時間も持てそうですね。今、やりたいことはありますか?


渡邊 舞台が終わるからというわけではありませんが、地元の友人と「旅行したいね」と、話していて。海外もいいですが、家庭を持ち始めている人もいますし、「年1回の旅で、日本を少しずつ制覇しようか!」みたいな話もしていて。


── 日本を巡る旅、いいですね。ちなみに、47都道府県のうち、今はどのくらい行かれていますか?


渡邊 仕事で地方に行くことが多いので、6割くらいは行っているかと思います。東北、関東、北陸あたりは、ほぼ制覇しているのですが、周りがおすすめしてくれる沖縄にはまだ行ったことがなくて。ありがたいことに、こうやって年を重ねると、美味しいと思えるものも増えてくるので、そういうものを楽しむのもいいなって思います。

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自分の“芯”に水をあげて、育ててあげられる人って、カッコいい

── ところでLEONでは皆さんに伺っているのですが、渡邊さんが思う、カッコいい大人とはどんな人でしょう?


渡邊 そうですね、「自分がある人」でしょうか。やりたいことや好きなことを貫いていたり、家族愛があって家庭をすごく大事にしていたり。自分の中にちゃんと芯があり、水をあげて、育ててあげられる人って、カッコいいなと思います。


── 具体的に、どなたかいらっしゃいますか?


渡邊 今言った「カッコいい」とは少し意味合いが違いますが、最近よくお会いするアナウンサーの方って職人でカッコいいなと思います。現在、「ZIP!」で水曜パーソナリティとしてマンスリー出演しているのですが、身近で見ていると、落ち着きや対応力が素晴らしくて、まさに仕事ぶりがプロフェッショナル! 尊敬していますし、カッコいいなと思っています。

渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

▲ ニット42万200円(参考価格)、ベルト12万7600円、ほかは前出と同じ/ともにボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)

── 30代になって、年齢に対する向き合い方は変わりましたか?


渡邊 特に変わっていない気がします。30歳だからちゃんとしなきゃ、みたいなことも考えたことがありません。むしろ、年齢を意識したら終わりな気がしていて。職業柄、幅広い年齢の役を演じるので、「いまだに高校生役をやるのか」と思ってしまったら、演じられなくなる。気づいたら40歳、50歳、あ、もう還暦だ! くらいでいいんじゃないですかね。年齢は、ただの数字としか思っていませんから。


── そうなんですね。それでも30代のうちにやっておきたいことはありますか?


渡邊 富士山に登りたいです。成田凌くんが「30歳までに登ろう」と言って、20代ぎりぎりで登っていて。それを見て、僕も体力があるうちにやっておけばよかったなと思いました。なので、30代のうちには挑戦してみたいですね。

── 最後に、本公演を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。


渡邊 本作には、様々な悩みを抱えたキャラクターが登場します。不意に感じるカッコよさや色気を放つ人物がいる一方、「分かり合えない」と感じる人物もいるかもしれません。観終わったあとに、自分なりに考えさせられることがある作品だと思います。ロルカの傑作を現代に再構築した本作は、今の時代が抱える切実な問題を描いています。ぜひ劇場でご覧ください。

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渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

● 渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ)

1993年11月21日生まれ、宮城県出身。仙台でモデル活動を経て、2018年「仮面ライダージオウ」で俳優デビュー。近年は、映画『八犬伝』(24年)、『女神降臨 Before 高校デビュー編』『女神降臨 After プロポーズ編』(25年)、NHK大河ドラマ「光る君へ」(24年)、ドラマ「銀河の一票」(26年)などに出演。映画やドラマ、舞台と幅広く活動し、独自の存在感を放つ。


渡邊圭祐  『Yerma イェルマ』  WebLEON  仮面ライダージオウ

『Yerma イェルマ』

スペインの詩人・劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカの不朽の名作『イェルマ』を、劇作家・オノマリコと演出家・稲葉賀恵が現代に再構築。自らの存在価値や居場所を見出そうともがく女と男たちの姿を通して、「家族の在り方」や「自己の存在意義」を問いかける。主人公イェルマの夫・フワン役を渡邊圭祐が演じる。

【東京】9/21~10/12 シアタートラム 【兵庫】10/17~18 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 【宮城】10/31~11/1 多賀城市民会館 大ホール 【愛知】11/7~8 東海市芸術劇場 大ホール

HP/https://setagaya-pt.jp/stage/32248


※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

ボッテガ・ヴェネタ ジャパン 0120-60-1966


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