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2026.02.14

織田裕二インタビュー。「格好つけても、これまでやってきたことは表情や立ち居振る舞いに出ちゃうんです」

デビューしてまもなく40年。常に世代を代表する俳優として走り抜いてきた織田裕二さんが連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』で主人公の宋江を演じることに。ドラマへの意気込みと「俳優」という仕事に対する思いを語っていただきました。

CREDIT :

文/長谷川あや 写真/興梠真穂 スタイリング/加藤哲也 ヘアメイク/加藤まり子(MARVEE) 編集/森本 泉(Web LEON)

織田裕二 Web LEON 水滸伝

1990年代のトレンディドラマを牽引していた、織田裕二さん。LEONなオヤジさんたちの中にも同時代を生き、ともに年を重ねてきた織田さんに親しみを抱いている人が多いのでは? そんな織田さんも、デビューしてまもなく40年。2月からは主人公の宋江を演じる連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』の配信・放送を控える織田さんの現在地、そして、「俳優」という仕事に対する思いを語っていただきました。

俳優という職業を選んだのは消去法。他に選択肢がなかった

── 織田さんといえば、「東京ラブストーリー」の(永尾)完治から35年。以来、世代を代表する俳優のひとりとして走り続けてきたわけですが、お変わりないことに驚きです。


織田裕二さん(以下、織田) 本当ですか(笑)。自分でも思っていた以上に長くこの仕事を続けて、ここまでやってこれたのは、すごくラッキーでした。僕、高校時代に親友から「織田は将来どうするんだ?」と随分心配されていたんです。大人になったら自分が面白がることができる仕事に就きたいと思って、でもそれがなんなのかわからなくて。俳優という職業を選んだのは消去法でした。他に選択肢がなかった。オーディションを受けるようになって、幸運にも仕事をいただくようになり、その後、いろいろな壁にぶつかりながら、ここまでどうにかやってきました。

──実際にやってみて、天職だと思いましたか?


織田 やってみると、想像していたより地味な仕事でした(笑)。ただ、現場には職人気質の人が多く、気が合うんです。今思えば、スタッフ側でも良かったかもしれません。もちろん自分なりに頑張ったつもりですが、この年齢まで俳優を続けられるとは正直思っていませんでした。僕のことを心配してくれていた親友には、「いい仕事に就けて良かったよな」と言われました。

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織田裕二 Web LEON 水滸伝

▲ ジャケット7万9200円/GUY ROVER、タートルネックセーター6万1600円/DRUMOHR、スラックス3万74000円/DEVORE Incipit(すべてBIND PR)、靴9万4600円/パラブーツ

──デビューから間もなく40年。2月から配信・放映がスタートする『北方健三 水滸伝』では、主人公の宋江(そうこう)役を演じます。豪華キャストが集い、大規模なロケが行われている大作と聞いていますが、撮影にはどんな意気込みで臨んだのでしょう?


織田 最近はあまり意気込まないようにしているんです(笑)。昔は毎回意気込んでいたんだけど、少し前の作品で、あまり意気込まずに(現場に)入ったらうまくいったので。今は意気込まないのもありかなというターンに入っています。

── 経験を重ねるなかで、織田さんも都度変わってきている、と。


織田 そうですね。若い頃は焦りもあったし、イメージを覆したいという気持ちもありました。「東京ラブストーリー」の完治役だけでは終わりたくないという気持ちも強かったですしね。完治って優柔不断じゃないですか(笑)。それに当時は、ある役が当たると、その後、似たような役しかオファーが来ないという風潮があったんです。その状況をどうにか打破したいともがいた時期もありましたが、だんだんと裸の自分でそのままぶつかっていけばいいと思うようになりました。


オファーをいただいた役を一生懸命作り上げる、それが以前演じた役と似てしまったら、それはそれで仕方ないと今は思っています。

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織田裕二 Web LEON 水滸伝

みんないつも同じ方向を向いているわけでないことは常に頭に入れておく

── 誰にでも優しいけれど、恋愛に不器用な完治が、35年の時を経て、「梁山泊」の頭領 である宋江に。織田さんが演じる宋江を楽しみにしている人は多いと思いますが、織田さんは宋江という人物をどう捉えていますか?


織田 僕が今までやってきたタイプの役とは少し違うので、正直、オファーをいただいた時は驚きました。宋江は特徴がないところが特徴なのかなと。彼は武術に長けているとか、わかりやすいヒーローではありません。普通の人です。でもなぜか人の心に刺さる。それが宋江の武器なんです。敵にいたら嫌なタイプなんじゃないかな。味方の心を奪われるかもしれないから、すごく厄介だと思います。

── そんな不思議な“普通の人”である宋江の周りに、中国全土から豪傑たちが集まってきますが、その理由はどこにあると思いますか?


織田 半分くらいは、(卓越したリーダーシップを持つ)晁蓋(ちょうがい)のおかげなんじゃないかな(笑)。先ほどもお話しした通り、宋江自身は特別変わった人ではありません。普通の人が普通に小さな幸せを求めたら、それすら許されない世の中になっていた。


目の前で次々と悲しい出来事が起こるなか、自分に何ができるかを考えて、その思いを世直しの書『替天行道(たいてんぎょうどう)』に記します。それが世の中でくすぶっていた人々の心に火を付けたんでしょうね。「俺もそう思っていた!」と多くの人々の心を動かし、それを続けていたら、国家の矛盾に気づいてしまった。──いったい、いつの時代の、どの国の話をしているんだろうね(笑)。

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織田裕二 Web LEON 水滸伝

── 今の我が国にも通じるような(笑)。


織田 そうなんですよ。それに、この作品にはたくさんの魅力的なキャラクターが登場しますが、このあたりも現代に通じると思っています。「この人は僕に近い」「私だったらこんな行動は取らないわ」「こんなことで悩むんだ、この人」といった感じに、自分に置き換えて観ると楽しいんじゃないでしょうか。

── ところで宋江は多くの人がイメージするリーダー像とは違うということですが、たくさんの作品で主役を演じてきた織田さんも現場でリーダー的な役割を担うことが多いと思いますが……。


織田 (ややかぶせ気味に)ないない、そう考えたこと全然ないです!


── 意外です。では織田さんが理想とするリーダー像とは?


織田 リーダーって、結局は“周り”次第だと思うんです。俳優という仕事でいえば、信頼できる共演者やスタッフがいれば、必ずしも主人公がシュートを打つ必要はありません。ここぞというタイミングで、誰かがシュートを決めればいい。主人公に求められているのは、周囲を見渡して、上手に、面白くパスを回すことなんじゃないかなと、思うようになりました。

── ビジネスマンにも通じる話かもしれません。では、織田さんご自身が人と接する上で、大切にしていることってなんでしょう?


織田 人それぞれ価値観や好みは違います。みんながみんないつも同じ方向を向いているわけではないということは常に頭に入れておくようにしています。例えば、映画などでは、やはり監督の嗜好が作品に反映されます。そこに僕の好みを加味したら、奇跡的にすごく面白いものができちゃいました、ってことが時々あるんですよ、この世界には。それが面白いんですよね。

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織田裕二 Web LEON 水滸伝
織田裕二 Web LEON 水滸伝

── そこに、俳優という仕事の醍醐味があると。


織田 そうかもしれません。少し前にね、30年ほど前に共演した俳優さんと、また共演する機会があって、「試しにやってみようか」と30年前の台詞を言い合ってみたんです。すると、それを見ていた監督が「泣けてきちゃいました」って。恥ずかしながら僕もうるっときました。


別に泣くようなシーンじゃないんですよ。「俺たちジジイになったね」と笑いながら、長く続けているとこんなうれしいこともあるんだなと温かな気持ちになりました。年齢や経験を問わず、芝居が好きでたまらないという俳優と一緒に仕事をするのは楽しいですし、力がもらえます。

── 最後に、織田さんが考える「カッコいい大人像」を教えてください。


織田 年齢を重ねて、最近は定年退職前後の役柄のオファーをいただくことが増えてきました(笑)。このくらいの年齢になってくると、多少格好つけても、これまでやってきたことが表情や立ち居振る舞いに出ちゃうんですよね。ちょっと話したらすぐバレてしまいます(笑)。なので、あまり自分を作らないようにしているかな。どうせバレちゃうんだもん。


あとは、僕の場合、若い頃から、自分の中で、「こういう人間にはなりたくない」というルールを決めていました。それは今も守るようにしています。例えば? それはお酒の席じゃないと言えないな(笑)。

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● 織田裕二(おだ・ゆうじ)

1967年生まれ。神奈川県出身。俳優・歌手。1987年、『湘南爆走族』で映画デビュー。「踊る大捜査線」シリーズなど映画、ドラマに多数出演し、数々の賞を受賞。日本のTV・映画界を牽引してきた。一方で、高校時代から音楽活動を行っており、1987年には、シングル『BOOM BOOM BOOM』で歌手デビューを果たし、2005年には、第19回日本ゴールドディスク大賞を受賞。多方面で活躍している。世界陸上では、1997年のアテネ大会から2022年のオレゴンまでの13大会連続でメインキャスターを担当。2025年の東京大会では、スペシャルアンバサダーを務めた。2026年秋には、代表作のひとつ「踊る大捜査線」シリーズの14年ぶりとなる新作『踊る大捜査線 N. E. W.』の公開が控えている。

WOWOW × Lemino 連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』

WOWOW × Lemino 連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』

シリーズ累計発行部数1160万部を超える、北方謙三の小説『水滸伝』(集英社文庫刊)。これまで映像化されていなかった大作が、日本ドラマ史上規格外のスケールで初の映像化。WOWOWと Lemino にて、2月15日(月)から放映がスタートする。『水滸伝』は腐敗した世に抗う“はみ出し者”たちの闘いを、現代にも通じる「理不尽な権力への怒り」や「仲間との絆」とともに描き出す群像劇。『三国志演義』『西遊記』と共に中国三大名著(または三大奇書)に数えられる『水滸伝』を巨匠・北方謙三が新たな解釈をもとに大胆にアレンジし、再構築。


連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』には主人公・宋江を演じる織田裕二をはじめ、反町隆史(晁蓋役)、亀梨和也(林冲役)、満島真之介(楊志役)、波瑠(済仁美役)ら豪華キャスト陣が集結。若松節朗(映画『沈まぬ太陽』『Fukushima 50』など)をはじめ、村谷嘉則、佐藤さやかが監督を担当。脚本は、劇作家・作詞家・舞台演出家の藤沢文翁(舞台『キングダム』)、主題歌「夜を渡る鳥」はMISIA(ソニー・ミュージックレーベルズ)が手がける。

HP/連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」公式サイト

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