2026.07.05
【第14回】
“結婚に向いていない人”を好きになっちゃう40代美女。今カッコいいと思う男性像は?
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか、大人の女性たちは何を求めているのかを、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で深掘りします。
BY :
- 文/木村千鶴
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/椙本裕子(YUKIMI STUDIO) 編集/岸澤美希(Web LEON)
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、恋愛も結婚もしなくたっていいこの時代に、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか。大人の女性たちは何を求めているのか。
本連載「林伸次のLove la Bossa」では、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で大人の女性の本音を深掘りします。第14回のゲストは、前回に続いて愛未さん(40歳)です。
前編では、初彼氏がヤリモクですぐに振られてしまったこと、自分を本当に大事にしてくれる人とはあえて距離を置いてしまい、長続きしないことなどを話していただきました。後編ではその後の恋愛についてお話しいただきます。愛未さんは一度は結婚したそうですが……。

全部話しちゃって、嫌いになられちゃたら嫌だなって思う
── 前回、今思い返すと「あの人良かったな」という人もいるとのことでしたが、それはどんな人でしたか。
「すぐに手を出してはこなくて、デートプランを考えてエスコートしてくれたり、話もちゃんと聞いていて、言ったことを覚えていてくれるような誠実さがあったなと思います。でもそれで全部話しちゃって、嫌いになられちゃたら嫌だなって思ってしまう」
── それって原因は分かったりします?
「家庭環境が悪いわけじゃないし、今だって両親との仲も良いですけど、『妹の方が可愛がられているんじゃないか』って勝手に思ってしまっていた部分はあるかも。
親は平等にしていたと思いますが、余裕のない時に『お姉ちゃんなんだから我慢しなさい』と言われたり、私の方が正しいことを言っていても否定されたりとか、結構今でも覚えてるんですよね。『あ、全部受け止めてくれる人っていないんだな』って思ったのはあります」
── そうか。幼少期に圧倒的な信頼感を感じられなかったのはあるのかもしれません。難しいですね。ちなみにその後ちゃんとお付き合いする人はいたんですか。
「よくある話だと思いますが、28歳くらいで“30までには結婚したい”という焦りが私の周囲の人たちにも漂い出して、とりあえず妥協してでも結婚をするような人が増えたんですよね。私もそれと同じく、30歳の頃に結婚をしました」
── 今の言い方だと妥協ですか。
「う〜ん、好きっていう感じではなかったです。でも安心できる人だし、私のことは好きで大事にしてくれる人だと感じたから結婚したんですが」
結婚した相手は、相談もなしに大事なことを決めてしまう“話し合いのできない人”でした

── 何かあったんですね。
「向こうが焦っているというか、すべてを急かすんですよ。プロポーズの翌月には両親への顔合わせ、結婚式場も1カ所下見しただけでもう決めてしまって、私は気持ちが追いつかないままでした。しかもその時すでにセックスレスだったんです」
── なんだろう、ちょっとチグハグですね。
「そう、チグハグなんです。しかも結婚式の前に彼が突然会社を辞めちゃったんです。大手の商社勤務だったので経済的に安定していると思っていたんですが、あっさり辞めて、なんだか激務で有名な会社に転職してしまいました」
── あらら、もう嫌な予感しかない。
「はい、その会社もすぐに辞めてしまい、しばらく無職生活。仕事を辞めるのに相談もないんです。結婚して一緒に生活をしているのに、こんなに勝手に大事なことを決めてしまうんだと、不信感が募りました。最終的には思い詰めてご飯が食べられなくなってしまって。
とはいえ再就職はしましたし、その後話し合って、信頼関係を再構築できるかお互いに検討もしましたが、結局1年ちょっとで離婚しました」
── その期間は苦しかったと思いますが、やめて良かったですね。
「そう思います。話し合いにならない人だったし、メンタルが弱いからだと思いますが、虚勢を張るような威圧的な態度もとられたから。
こんな生活をずるずる続けちゃうのは私の人生にも良くない、だったらひとりの方が楽だわと思って違う街に引っ越しをして、そこからはよくひとり飲みをするようになりました(笑)」
好きになるのは“結婚に向いていない人”

── 離婚したての女性ってすごくモテるって聞きますが、どうでした?
「急にみんなから連絡が来るようなことはなかったですけど、私の中ではすごく開放感がありました。バーなどで仲良くなった同世代の人たちといろんな場に行ったり、遊んだりできるのがすごく楽しかったです」
── その中で恋愛はありましたか。
「最近、結婚を前提に付き合っていた人とお別れしちゃったんです。彼が将来のことを見据えて真面目にお付き合いがしたいって言うので付き合っていたんですが、全然話が先に進まないままだったので」
── どんな人だったんですか。
「アーティストで自由人だったんですよね。結局私、自分自身だけで楽しく盛り上がれるような人に惹かれてしまうんです。でもそういう人って、結婚には向いていないわけで。それが私のジレンマです」
── 自分の世界をもって自由にやっている男が好きなんですね。
「元夫が自己主張のないタイプだったからか、その後は主張の強い人を選ぶようになってしまったんですよね。でも最近、AIに相談したら『刺激がなくても自分の意思や主張をはっきり示してくれる人だったら良いのでは』とアドバイスされて、腑に落ちるなと思いました」
さり気なくスマートで賢い人がカッコいい

── AIってそんな相談にも乗ってくれるんですね。具体的にはどんな人に惹かれやすいんですか。
「さり気なくスマートで賢い人でしょうか。例えば、隣に座ったお客さんに変に絡まれても、振り回されずにスマートに切り返しができる人とか。
コミュニケーション能力があって、人間力があって、みんなにも好かれて。でもスターみたいに目立つ人じゃなくて。そういうことをさり気なくできている人をカッコいい! って思っちゃいます(笑)」
── なるほど、社会で生きる力をもった人というイメージがあります。今後お付き合いをするとしたら、何を重視しますか。例えば経済力とか、会話の楽しさとか、ルックスとか。
「特にイケメンでなくてもいいんですが、見た目的に受け付けない人は無理です。お金持ちである必要もないけど、自分より年収が低いとか、外食は毎回赤提灯みたいなのは嫌です。私、美味しいご飯を食べるのが好きなので。
あとはオドオドしちゃって女の人と話せない人は、お金をもっていても頭が良くても無理。会話の楽しさは重視していると思います」
── すごく具体的で現実的! とっても参考になりました。ありがとうございました。
【林さんから〆のひと言】
結婚と恋愛の関係って難しいんだなあって今回は深く学ばせていただきました。愛未さん、これからも恋愛を楽しんでくださいね。

■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)、『恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない』(Pヴァイン)、最新刊は『30歳になってもお互い独身だったら結婚しようか』(三笠書房)。













