Padron Family Reserve No.50
一概にはいえませんが、熟成期間が長ければ、それだけ味わいに深みや、ふくよかさがでる傾向があります。例えば、同じシャンパンでも、クリュッグやドン ペリニヨンは通常より瓶内の二次熟成を長くすることで、あの典雅ともいえる味わいを出すことができるのです。
長熟というのは、高級のひとつのベクトルなのです。高級シガーであれば、3年くらいは熟成させたりしますが、今月の一本はなんと10年も熟成させた特別なシガーです。
ニカラグアを代表する銘ブランド、パドロンが、会社創業50周年を記念して2014年にリリースした、ファミリー・リザーブNo.50です。

「パドロン ファミリー・リザーブNo.50」
典雅な芳香は、口腔内から脳天までとろけさせてくれます。熟成という工程が、分子レベルでどのような変化を与え、人の五感にどのような働きをするか?実は、科学的な根拠は、証明されていないのです。
しかし、私たちは直感的に、嗜好品は熟成をすると“角がとれて丸みを帯びる”ことを知悉しています。このシガーの煙の質そのものに、トロリとした丸みを感じるのでした。
ちなみに、男は発酵こそしませんが、それでも円熟という熟成の仕方はあるでしょう。円熟のある着こなしこそ、女性を酔わすのであって、それこそオヤジの特権であります。そのためには、このシガーのように、10年は熟成が必要ですかね!?
問い合わせ
ヒロミエンタープライズ
☎03-3823-0931
中村孝則●コラムニスト
世界各地を独特の視点で読み歩き、さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。