今回ご紹介するのは、八坂神社からほど近い場所にひっそりと佇む「祇園華舞」。ここは昼と夜、それぞれ一組限定。2名で訪れても、6席のカウンターを丸ごと貸し切ることができるという、LEON読者貴兄におあつらえ向きの店なのです。つまり彼女とふたりで京都を訪れたなら、そこはもうふたりだけの料亭なわけですよ。いわば、知っていること自体がちょっとしたアドバンテージになるタイプの店。京都デートの行き先として、なかなか使える一軒だと思いませんか?
お忍び旅にもぴったりのロケーション
場所は祇園。八坂神社の正門から徒歩2分ほどという、京都観光の動線としても申し分のないロケーションです。ところが一歩路地に入ると、さっきまでの賑わいが嘘のように静かに。

そんな場所に、ひっそりと暖簾を掲げているのが「祇園華舞」です。店内は白木を基調とした落ち着いた空間で、目を引くのは吉野檜の一枚板を使ったカウンター。そしてこのカウンター席が、今夜は二人だけのもの。一日一組限定ですから、ほかのお客さんを気にする必要はありません。大人数での貸切ならともかく、2名でもこの空間を独占できるというのが、この店のなんとも贅沢なところです。

▲ 吉野檜の一枚板を使った美しいカウンターとご主人の都 伸廣さん。
実は、かなりの隠れた実力派です
腕を振るうのは都 伸廣さん。これまで京都ホテルオークラ別邸「粟田山荘」、「星のや京都」、湯河原の老舗「ふきや旅館」などで料理長を歴任。「粟田山荘」で「ミシュランガイド京都・大阪2009」、「星のや京都」では「ミシュランガイド京都・大阪2017」で、それぞれ一つ星を獲得しています。あえて派手な肩書きを前面に出さず、控えめながらの実力派。そんな都さんが、自らの料理道を追求するために一日一組にこだわるのが、ここ「祇園華舞」なのです。

▲ 琵琶湖産の鮎も、ご覧の通りの新鮮さ。炭火焼きでいただきました。
「何が食べたい?」から始まるオーダーメイドの料理
季節ごとに決まった料理を提供するのではなく、ゲストの希望や好みに合わせて、いちから組み立てるのがスタイルです。ディナーは2万4200円と4万2350円の2つのコースがあり、それぞれ予約時にリクエストすれば臨機応変に内容を作り上げて提供してくれるのがうれしいところ。一皿一皿に込められた意外性もまた、この店のハイライト。料理の仕上げを目の前で見せてくれたり、グリルをあえてガラス越しにオープンにして、調理の様子まで楽しめるようにしていたり。このライブ感があるから、食事そのものがエンタテインメントになる。これ、デートという観点ではかなり大事なポイントではないでしょうか。

▲ 京名物の鱧を炭火で焼き霜造りに。もはや極上のパフォーマンス。
ちりばめられた京都の“歳時記“にも注目
もうひとつ印象的だったのが、都さんが大切にしている日本文化と季節感です。なかでも五節句など、日本の歳時記を料理の中にかなり丁寧に取り入れているのが素敵でした。この日は料理や器、盛り付けの随所にお月見を思わせるモチーフが登場。まるで京都の秋そのものを、料理の中に取り込んでいるような仕掛けのオンパレード! 記憶に残る夜を演出してくれます。

▲ 最初の一杯からズルい! 菊酒の食前酒は女性ウケ確約ですよ。
個人的に「コレはデート向き♡」と思ったのが、食前酒の演出でした。今回伺ったのが、ちょうど秋へと季節が移ろう頃ということで、別名「菊の節句」と呼ばれる重陽の節句にちなんだ菊酒が登場。菊の花びらにお酒をつけていただくという、昔から伝わる風習を取り入れたものなのですが、これが実に風味豊か。こういった小さなサプライズが最初にあるだけで、二人の気分が上がるってものですよね。
他にも、戦国時代の武将が戦の前にゲン担ぎで食したと言われる勝栗にちなみ、縁起の良い栗の木のお箸(都シェフ手作り!)が出てきたり。料理のバックグラウンドまでサラリと語れたら、アピールポイントになるはず。そのあたり、事前にシェフと軽く打ち合わせしておくのもいいかもしれません(ただしやりすぎ厳禁ですが笑)。

▲ 八寸はお月見をイメージ。月見団子に見立てた百合根に明石産のタコ、千葉産の落花生・おおまさり。各地の食材を駆使した、アートのような一皿。

▲ 車海老の昆布締めの器に、秋の七草・葛の葉を蓋替わりにする心ニクさ。縁起物の勝栗にあやかって、この夜の勝利も確実⁉︎

▲ 近江牛のモモ肉の炭火焼×無花果。包まれた葉っぱを開く瞬間のトキメキ込みで美味しい一品。
この日の“推し皿”は、秋の美味の頂点・松茸!
この日は女友達と計4名でお店に伺ったのですが、全員のテンションがマックスに達した料理が、秋の風物詩・松茸です。これはもう、食材が強いと言われてしまえばその通りなのですが、見てくださいこのボリューム。土鍋で炊き立て。もちろん国産、長野産でございます。鼻腔をくすぐる芳香に、パートナーも思わずうっとり。食事の終盤、ふたりの距離もぐっと縮まっていることでしょう。

▲ 国産松茸を贅沢に! お焦げまで堪能したら、身も心もホクホクになること請け合いです。
予約困難店になる前に、今からチェックを
祇園という京都随一のプライムロケーションにありながら、一日一組、2名でも貸切。料理は文句なしだし、しっぽりとした雰囲気もデート向き。何よりも知る人ぞ知る存在である今だから、ぜひ訪れてみて欲しいところ。次の京都デートの切り札として、ぜひ。

祇園 華舞(ぎおん・はなまい)
住所/京都府京都市東山区清井町494-2
電話/075-541-1820
入店時間/11:30〜14:00、18:00〜19:00
定休日/火・水・木曜
※一日一組限定・3日前までに要予約。2〜6名で利用可能。
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