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2020.05.15

VOL.02 「イタリアと日本のスターシェフ」

日本に世界的なスターシェフが現れにくい理由

「ぐるなび」のエディトリアル・プロデューサーとして超高級から庶民派まで全方位にわたる豊富な食体験を誇る業界の“グルメ番長”松尾 大さんが、食のトレンドを押さえつつ、新たなグルメの楽しみ方をご提案する連載です。

CREDIT :

文/松尾 大 イラスト/東海林巨樹、林田秀一

「ぐるなび」のエディトリアル・プロデューサー松尾 大さんが、食のトレンドを押さえつつ、新たなグルメの楽しみ方をご提案する連載。第2回のテーマは……。

■Theme02「イタリアと日本のスターシェフ」

先日、とあるイタリア人シェフとスターシェフの話になりました。例えば、ミシュラン三つ星や世界のベストレストラン50で殿堂入りをするなど、あらゆる最高評価を受けた世界の頂点と言える『オステリア・フランチェスカーナ』。この店を率いるマッシモ・ボットゥーラ氏はまさに世界的なスーパースターシェフです。
「伝統的な料理を再構築」というところまではよく聞く話ですが、アーティスティックで、かつ料理の完成度の高さという意味では飛び抜けた存在です。現在はグッチとコラボしたオステリアやカジュアルレストラン、さらにはホテルの経営にまで乗り出した実業家でもあり、尊敬される料理人です。

でも、日本にはそういうスターシェフっていますか? 実は欧州の星付き店の2番手は日本人だらけです。完成度の高い料理を作るには繊細な日本人が絶対必要だと言うのです。日本にスターが現れにくい一番の原因は料理人の技量より客の厳しさなのではないかと。

レストランでの時間を楽しむというよりアラを探す人の多さは口コミなどを見ればわかりますし、シェフが店にいないと批判する。華やかな舞台に立つと本業を忘れたと言う。外に出て刺激を受けるべきなのに、そういうことを許さない頭の固い人が日本にはまだまだ多い。だから、なかなか突出した存在が現れにくい。

日本でスターシェフを育てるためにはもう少し温かい目で彼らの「創作」活動を見守ってあげるべきなのでは?と思った次第。

松尾 大

雑誌編集者を経て、2015年にぐるなび入社。グルメウェブサイト『dressing』を立ち上げ、編集長、2017年よりエディトリアルプロデューサーに就任。のべ2万軒以上の店に足を運んできた“グルメ”番長。

2020年1月号より

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