2023.03.02
富裕層じゃなくても自宅に呼べる！ 凄腕ケータリングシェフ3人の事例
ホムパはしたい。だけど料理には自信がない……そんな「お招き上手」ワナビーにおすすめしたいのが「ケータリング」。凄腕シェフが自宅にやってくるから、アナタは座っているだけでOK！
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撮影／吉澤健太（長谷川 慎シェフ） 文・編集／秋山 都
凄腕シェフが自宅へやってくる！
パンデミックが加速したケータリングサービスとは？
「来週うちでホムパするんだ。遊びにこない？」と誘ったはいいものの、心配になるのは料理の腕。作り置きしておけるような冷菜ばかりだとゲストのお相手はできるものの料理のメリハリに欠けるし、では温かい料理をとキッチンにこもっていてはおしゃべりもままなりません。ゲストが到着した時点でいくつか料理を食卓に並べておき、さらにメイン料理はオーブンに入れておけば……あ、でもワインはどうしよう？ たしかゲストのひとりはワイン通だったし、ウチのワインじゃ口に合わないかも。な～んて、考え始めるとドツボにハマるのがホムパ。しかも、生ハムとローストビーフ用の牛肉、それとチーズも……と欲張ると結構コストがかさむんです。
こんな不安や不満をすべてきれいに解消できるのが、料理のプロを自宅に呼べるケータリングサービス。従来より軽井沢などで暮らす別荘族の間では当たり前に行われていましたが、それはあくまで富裕層の人向けに限定されたもの。我ら庶民には高嶺の花……と思い込んでいたけれど、ここ数年のパンデミックにより事情が変わってきたようなのです。いったい幾らくらいで、どんなサービスが受けられるのか？ 凄腕シェフと、そのシェフのケータリングサービスを実際に利用したユーザーの声をご紹介します。
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■ 長谷川 慎さん（神奈川県真鶴町）
超人気イタリア料理店を閉めてケータリングシェフへ転身
1人目は長谷川 慎さん。その名前をご存知ない方でも、イタリア料理店「golosita.（ゴロシタ.）」なら聞き覚えがあるのでは？ 2014年から7年間、東京・恵比寿にてカウンター10席のみのイタリアンレストランとして営業していましたが、21年にクローズ。オーナーシェフの長谷川さんは、現在は森に囲まれ相模湾を望む真鶴半島（神奈川県）にキッチンと洋菓子工房を構え、ケータリングシェフとして活躍しています。
▲ ある日のケータリング現場で。コンテンポラリーアートが随所に配された「ABODA SALON」（東京都渋谷区広尾3丁目）はイベントスペースとしてリース可能。
「golosita.」といえば、芸能界やファッション業界にファンが多く、深夜までにぎわっていることで有名な店でした。そんな人気店を閉めた理由について長谷川シェフは「実は店をやっている頃から常連さんの別荘がある軽井沢や箱根にはよくケータリングに出かけていました。コロナで店を閉めざるを得ない状況が続き、自宅に料理しに来て欲しいというお客様がどんどん増えていった。そのうちに、アレ？ 店が無いのは身軽で自由で楽しいぞ、と気づいたんです」と語ります。
▲ ある日のケータリングメニューより、ブラータチーズとラディッキォ タルディーボ（イタリアの葉野菜）を生ハムで巻いた前菜。
「ケータリングを利用するのはたしかに豊かな方が多いですが、それでも富裕層ばかりというわけではありません。誰にも聞かれない環境でビジネスの話をしたい方や、パパ友同士の集まりもよくあります。ぼくのお客様に共通しているのは、東京の美味しい飲食店には行き尽くしてしまっているから、ウチで気取らずに美味いものを食べようよというくつろいだ雰囲気でしょうか」
たしかに最近のレストランのイノベーティブな料理にはくつろげないという人も多いかと。ちなみにこの日、経営者同士の集まりという一夜に長谷川シェフが用意したメニューは……。
たしかに最近のレストランのイノベーティブな料理にはくつろげないという人も多いかと。ちなみにこの日、経営者同士の集まりという一夜に長谷川シェフが用意したメニューは……。
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▲ ある日のケータリングメニューより、サトイモのゴルゴンゾーラソースがけ。ねっとりしたサトイモがニョッキのような食感で美味！
●手羽先のフリット
●ブラータチーズとラディッキォ タルディーボを生ハムで巻いた前菜
●カルネサラータ（牛肉のマリネ）
●里芋のゴルゴンゾーラソース
●ジャージー牛のヒレカツ
●黒毛和牛のスネ肉と新タマネギの煮込み、黒トリュフがけ
●カルボナーラ（パスタ）
●ティラミス
という8品のラインナップ。う～ん、美味しそう！
カルボナーラはお客様からのリクエストだったそうですが、こうしてメニューにわがまま言えるのもケータリングならではの醍醐味でしょう。気になるお値段はひとり3万円（ワイン含む）だったそうです。
●ブラータチーズとラディッキォ タルディーボを生ハムで巻いた前菜
●カルネサラータ（牛肉のマリネ）
●里芋のゴルゴンゾーラソース
●ジャージー牛のヒレカツ
●黒毛和牛のスネ肉と新タマネギの煮込み、黒トリュフがけ
●カルボナーラ（パスタ）
●ティラミス
という8品のラインナップ。う～ん、美味しそう！
カルボナーラはお客様からのリクエストだったそうですが、こうしてメニューにわがまま言えるのもケータリングならではの醍醐味でしょう。気になるお値段はひとり3万円（ワイン含む）だったそうです。
ユーザーの感想
「恵比寿にお店があった時代から長谷川シェフのお料理のファンだったので、あの味にもう一度出会えるなら、と迷わずケータリングをお願いしました。自宅には高齢の親がおり、コロナ禍でなかなか外出もままなりませんでしたが、シェフのお料理を久々に一緒に囲むことができて感激！ ワインは自宅のセラーにあったものから、シェフと相談のうえ選びました。お料理への満足度と自宅でいただけるという安心感、リラックス度は抜群」（ファッションPR・女性、40代）
長谷川 慎（はせがわ・まこと）
ケータリング人数／6名～8名
費用／ひとり2万2000円～＋交通費などの実費
ワインとのペアリング／可能
調理器具／原則的にケータリング先のものを使用
器／持参可能
ケータリング範囲／応相談。過去にはサンフランシスコへのケータリングも！
予約・お問合せはEメール（golosita.cateringchef@gmail.com)から。
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■ 蒼の鮨（静岡県袋井市）
東は熱海、西は名古屋までカバーする、鮨シェフは元消防士
さて、お次は鮨のケータリング。「蒼の鮨」は元消防士という異色の経歴を持ちながら、ミシュラン店で鮨の修業を積み、独立した鮨職人・青島 聡さんによるケータリングサービスです。
▲ 「蒼の鮨」のケータリング風景。持参する行灯がお店っぽくて好評。
「独立した時に実家（静岡県袋井市）に戻ろうと思い、その時点でケータリングをやろうと決めていました。東京のようにたくさんお店がある都会と違い、地方都市はどこか美味しいお店に食べに出かけようと思っても、どこへ行くにも遠いんです。それでも美味しい、本格的な鮨が食べたいというニーズは必ずあると考えていました」と語る青島さん。その狙いは見事的中し、現在は東海～中部地方を中心に、一般家庭でのケータリングから会社での大規模なイベントに呼ばれるなど引っ張りだこ。
▲ ある日のケータリング風景。くつろいだ雰囲気が伝わってきます。
「ここはリゾートホテルかな？ と見まごうような大豪邸に伺うこともあれば、ごく一般のお宅に伺うこともあります。先日は足の不自由な方のいるご家庭に伺ったんですが、『美味しいお鮨を久しぶりに食べた』と言っていただき、ケータリングをやっててよかったなと改めて思いました」
ユーザーの感想
「自宅を引っ越したので、新居でのハウスウォーミングパーティーにお願いしました。日本人でお鮨が嫌いな人ってあんまりいないですよね。自宅のくつろいだ雰囲気で、このレべルのお鮨がいただけるのはありがたい。今度は会社の新年会や記念日などにも来てもらおうかと考えています」（会社経営・男性・50代）
▲ 「蒼の鮨」ケータリングメニュー。
蒼の鮨（あおのすし）
ケータリング内容／写真（上）を参照
ケータリング範囲／静岡県袋井市からクルマで2時間距離圏内
調理器具／持参
器／持参
酒／静岡県産日本酒は持参可能
予約・お問合せはHPから。
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■ 井上遊太さん（神奈川県鎌倉市）
生産者の声を語り広める、鎌倉野菜の達人シェフ
ラストを飾るのは神奈川県で「イノチェンザバイスタジオーネ」（鎌倉市）、「スタジオーネ」（大船市）と2軒の創作料理店を営む井上遊太さん。このパンデミック期を利用して、日本の食材生産者のもとを訪ね歩き、その声をもっと伝えたいと考えるようになったそう。
▲ 井上遊太さんによる、ある日のケータリング風景。
「ここ数年は海外へ出ることもできませんでしたが、そのおかげで日本の食材の良さを再認識することができました。生産者に直接会って、そのお話を聞くうちに、お客様にもその想いを伝えたいという気持ちが強くなり……店が休みの日や、空いている時間を利用してケータリングに出かけています」
▲ 井上遊太さんのお店「イノチェンザバイスタジオーネ」（神奈川県鎌倉市）。
「野菜ひとつとっても、“走り”や“名残り”は極力使わず、味濃く栄養価も高い旬のものにこだわります。切り置くことはせず、お客様のお宅で召し上がる直前に洗い、切るのでみずみずしい美味しさ。1食でだいたい20種ほどの野菜を使うかな」と井上さん。お客様の眼の前で野菜をカットするので、その処理の仕方にちょっとしたお料理教室の様相を呈することも多いとか。
ユーザーの感想
「もともとケータリングをやっていなかった井上シェフですが、コロナ禍で外食できなかった折にウチへ来てくれない？ とダメ元でお願いしたところ、快く受けてくださったのがきっかけ。我が家ではオープンキッチンを囲んで4名、ひとり1万円でお願いするのが定例となっています。私は葉山に住んでいるのですが、リモートワークが進んで会食の機会が減ったことから、なかなか人に会えなくなっていました。井上シェフに来ていただくことを口実に、気のおけない友人たちとくつろぎながら食卓を囲むのは最高に楽しいんです。食材の生産者の話を聞けるのも学びの機会となりますし、また井上遊太さんという一料理人を応援していきたいという気持ちもあります」（外資系企業マーケティング職・女性・40代）
井上遊太（いのうえ・ゆうた）
ケータリング人数／3名～20名
費用／ひとり1万円～
調理器具／持参可能
器／持参可能
＊詳細は下記店舗いずれかを訪問のうえ、相談を。
イノチェンザバイスタジオーネ
住所／神奈川県鎌倉市御成町11-2 ヤノヤビル 1F
電話／050-5463-3928
スタジオーネ
住所／神奈川県鎌倉市大船1-12-6 チコ・コート 3F
電話／0467-55-9281
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「お招き上手」のホムパにこんな料理はいかが？
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