小粋なフレンチが女ゴコロをくすぐる! いま代々木上原で人気のビストロはココ

本誌LEONでYULI*YULIとして長きにわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

カジュアルデートにぴったりなお洒落レストランが集まる街といえば、代々木上原。素敵な店を探しによく行くエリアなのだけれど、駅のすぐ側に３階建ての可愛らしい建物を見つけました。こちら、なんだかフランスの片田舎に佇んでいそうな風情じゃありませんか？

１階をデリカテッセン、ワインバーとして営業していた「MAISON CINQUANTECINQ（メゾン サンカントサンク)」が、2019年に完全リニューアル。2階のオープンキッチンが１階のキッチンへ移り、それぞれのフロアで雰囲気の異なるビストロに変貌を遂げました。

オーナー丸山氏が愛するフレンチテイストが店内のあちらこちらにちりばめられており、どこに座ってもとにかく居心地が良いんです。

１階はキッチンと、その横に小さなテーブルが二つ。初めて伺った時はコチラに座ったのだけれど落ち着いた雰囲気で、お気に入りの席です。

１階から階段で上がるとガヤガヤと楽し気な会話が聞こえてきます。２階はカウンターとテーブル席。実は窓際に店名「サンカントサンク（仏語で55）」由来となった、シャルロット・ゲンズブールのアルバム「5:55」が飾られています。音楽好きなオーナーのレコードコレクションもシックな雰囲気に一役買っている感じ。

3階はもともと倉庫だったことを想像できる、天井の低い屋根裏のような雰囲気。テーブル席のみです。なんともしっとりとした、山小屋のような空気感が漂っています。

フレンチベースに、季節の食材を生かす料理がお得意な柿澤シェフにオススメを伺ってみたところ、３品の自信作をご紹介いただきました。

まずは、何と言っても「前菜の盛り合わせ」。キャロットラペ、レバーペースト、カブとガリのマリネ、フェッタチーズが載ったレンズ豆のサラダ、自家製ハムと赤大根ピクルスなどなど、ワインに合う美味しいものがたくさん! ほとんどのお客さまがオーダーするというのも納得の一品は、かつてデリだったお店だからこそ提供できる前菜です。

「牡蠣のソテー キノコのフリカッセ」も、思わずワインを飲みたくなるような一皿です。牡蠣の旨味がたっぷりと溶け込んだクリームソースは王道の味。

キレイな赤色が食欲を誘うコチラは、戻りガツオと燻製ビーツのサラダ。ローリエが香るフロマージュブランの白色が映えます。ソースにはキヌアや南瓜の種が潜んでいて、オリーブとマッシュルームのデュクセルが上に。

ワインはフランスをメインとしたナチュールにこだわっています。左からロワール産白ワイン「パニエ・ド・フリュイ」。サヴォワ産、ピノ・ノワール100％赤ワイン「レ・ゼタップ」。アルザス産、ピノ・グリ100％のロゼ「ファニー・エリザベス」。オーヴェルニュの白ワイン「フェスティジャール」。

美味しい料理とワインを、素敵な音楽が流れるシックな空間で楽しめるビストロ「サンカントサンク」。その日の気分に合わせて、1〜3階のどの席にするかを決めるのも楽しい。静かにふたりの時間を楽しむのなら断然3階がおすすめです。ゆらゆらと揺れるキャンドルの炎がロマンティックで、天井の低さが妙に落ち着くんです。
 
近所にあったら、“絶対に常連になりたい”店作りが上手な丸山氏は、2019年5月には2店舗目となる居酒屋「ランタン」をオープン。ギャラリーを併設したビストロ「アエル」も開業するなど、「サンカントサンク」以降も代々木上原のレストラン作りに精力を注いでいます。