胸元の「ワニ」といえばラコステ。では「チョウ」「ミツバチ」といえば？

他のアイテムだとちょっと気恥ずかしく感じても、ポロシャツに関しては胸にロゴマークがあったほうが好みという人は多いようです。デザインが似通っているだけに、ブランドを主張するポイントは大切です。ただこのロゴですが、ワニやポニーならすぐにどこのものかわかりますが、中には「あのロゴは一体どこのだろ？」なんてものも……。実は誰もが羨む高級メゾンのものだったりしますから、ここで改めて勉強といきましょう。

上の２枚の写真はポロシャツの胸のワンポイントロゴを拡大したもの。さて皆さんはそれぞれどこのブランドのものかおわかりですか？　ヒントを申しますと、右の「チョウ」はイントレチャートの革小物で有名なイタリアのブランド。左の「ミツバチ」はフランスを代表するファッションブランドのメンズライン……。

そう、右はボッテガ・ヴェネタ。左はディオール オムのポロシャツです。実は両ブランドともこれらのモチーフをブランドアイコンとして昔から大切にして使用しているんですね。丁寧な刺繍やリッチな生地の風合いから高そうなブランドであることは伺えたと思いますが、一目でブランドを言い当てられた人はそうはいないのでは？　

でも、この「わかる人だけわかる」感じに琴線を猛烈にくすぐられるオトナも多いはず。あからさまではなく、さり気なく周囲に差をつけるポロをお探しなら、ぜひとも狙ってみてください。

女王蜂を中心に大きな家族を作り、強固な家（巣）を作るミツバチは、古来より繁栄や豊穣の象徴として世界各国でラッキーモチーフとして使われてきました。

フランスにおいてもそれは同様で、かのナポレオンが紋章や所有品にミツバチのモチーフを多用したことは有名です。クリスチャン・ディオールもこの小さな昆虫を愛し、初期の作品からシグネチャーとして取り入れています。ちなみに彼はアトリエでまじめに働く縫い子たちのことを、愛情を込めてミツバチにたとえていました。

ミツバチのワンポイント刺繍に合わせて、襟と袖口に白のライン入り。ベースがネイビーカラーということもあり、とても清涼感があります。白パンを合わせればマリンなスタイルが即完成です。素材はコットン100%。

美しい編み込み革（＝イントレチャート）をはじめ、熟練職人の高度な技術自体がブランドを主張するためか、ボッテガ・ヴェネタは昔からアイコンマークの類いをあまり使用していません。ただ唯一の例外が「バタフライ（蝶）」。1970年代後半に登場して以来、バッグなどのアイテムにたびたび象徴的にあしらわれてきました。

クリエイティブディレクターもそんな歴史に敬意を表して大切にバタフライのモチーフを使用。こちらのポロシャツはそんな一枚。ボディと同系色の糸で刺繍し、あくまでさり気なく配しています。

アッシュピンクのカラーリングがとてもエレガント。いかにも日焼けした肌に似合いそうな色味です。襟はやや大きめで、少しレトロなニュアンスも醸しています。素材はコットン100%。

2013年の秋冬コレクションに突如投入されるや、たちまち大人気となった「バッグ バグズ」。こちらはフェンディが生んだ可愛らしいモンスターのことで、今やブランドの新たなアイコンとも言える存在です。

ご覧のポロシャツではその特徴であるつり上がった目を、ワンポイント刺繍であしらっています。パッと見はなんのマークかわからないくらいのさり気ないあしらいですが、フェンディ好きの女性からは必ず突っ込まれること必至です。

白ベースに黒のラインを効かせたどこかノーブル感漂うポロシャツ。そのなかで怒ったようなモンスターの目が絶妙なアクセント効果を発揮しています。素材はコットン100%。

ミラノのファッション界の帝王、ジョルジオ・アルマーニ氏のイニシャルであるＧとＡを、まるで陰と陽のようにデザインしたロゴマーク。こちらのポロシャツはそれをもっとも目立つ胸元ではなく、あえて裾に配したさじ加減が奥ゆかしい。大人好みの一枚です。

表面は鹿の子ですが、サイドはベロア、背面はメッシュ生地と、3つの素材を使い分けた贅沢な造りもさすがアルマーニ。リッチで艶っぽいポロシャツをお探しの人に絶好です。