ジャックナイフから「ちょい不良（ワル）オヤジ」へ【前編】

1832年にフランス・クルーゼで革のタンナー工場として創業し、第一次世界大戦時にフランス空軍にフライトジャケットを提供したり、世界的メゾンの皮革製品の製造を担当したりするなど、その地位を確立。いまや世界最高峰のレザーとも称される「シャパル」。老舗ながら日本への本格上陸は最近のことですが、早くも“本物”を知る御仁たちから熱烈な支持を受けています。

で、今回、日本を代表する芸人である千原ジュニアさんが、シャパルを纏ってLEONに初登場と相成りました。当の本人は「なんでオレなんですか⁉︎（笑）」と恐縮しながら撮影現場に現れましたが、実は両者にはある共通点がありまして。

実はシャパルは、1963年にモータースポーツに強い関心をもった当時の社長ピエール・パルディノンと子息のジャンにより、本格的なプライベート・レーシングサーキットを建設。以降、カーギアグッズの制作にも力を注ぎ、業界トップレベルの地位を得ているのですね。とりわけクラシックカー業界との関わりが強く、旧車愛好家としても知られるジュニアさんはモデルにピッタリというわけでオファー。快諾いただいた次第です。

普段からレザーを着ることが多いとのことですが、実際にシャパルの逸品に袖を通すと「エー、ナニコレ！ めっちゃええ革使うてますね」と驚愕。氏が醸し出す鋭くも人を包み込むような雰囲気にもピッタリとハマり、“ジャックナイフ”と呼ばれた男は、「ちょい不良（ワル）オヤジ」へと変貌したのであります！

バイカーでもあるジュニアさんも多く所有するという黒革のライダーズジャケット。元来、男らしいアイテムですが、シャパルのソレは実にエレガントです。理由は極上のラムレザーがもつ柔軟性や艶感、フランスの職人の手によって作られる温もりや仕立ての良さゆえ。フィレンツェを代表するサルトリア「リヴェラーノ & リヴェラーノ」を合わせて、ジャケット代わりにタイドアップで着こなしても、抜群にカッコいいのです。それにしてもジュニアさん、脚長ッ！

国外初の支店をアメリカに構えたことに端を発する『ブルックリン・ジャケット・コレクション』の最高級ラムレザー製ライダーズジャケット。コンパクトな襟やスマートなシルエットなど、ニューヨークの都会的な精神を体現するようなモダンなデザインが特徴です。真紅の裏地はなめらかなシルク素材で、袖通りも抜群にいいのですよ。

シャパルの製品をパリの直営店に次いで多く展開するのが、東京・蔵前のスペシャリティストア「チャップ」。その店名を大胆にハンドペイントしたタートルネックセーターは、1930年代の「アルファロメオ」公式ドライバーであるタツィオ・ヌヴォラーリも愛用。鮮やかな色味と相まって、視線奪取確実です。そりゃあ、美女も放っておきませんよね。ちなみにこちらの写真はチャップで撮影。

オレンジ色のステッチが印象的なストレートシルエットのセルビッジデニム。肉厚なホーンボタンや、左ポケットに配されたホワイトレザーのロゴパッチにより、ほかとは一線を画すリッチな佇まいです。白のステッチヴァージョンも展開。

数多く展開するレザーアイテムのなかでも、ベストセラーのひとつがこのA-1。ニューヨーク-パリの無着陸横断飛行に成功し、歴史に名を残すパイロットであるチャールズ・リンドバーグがその際に着用したのがこのモデルなのですね。オレンジがかったブラウンのラムレザーは、軽やかでありつつ色気もたっぷり。ちょい長丈で、エレガンスも薫ります。

なめらかな肌触りの上質なコーミングコットンジャージー素材を使ったTシャツ。胸元にはハンドカットされたメリノウール製のロゴパッチがあしらわれており、アイコニックさとともに温もりを感じさせます。ピンクロゴのほかにライトブルーロゴやロンTなど、幅広いバリエーションも魅力です。

母国の文化を大切にするシャパルですが、こちらのブルゾンはフランスが世界的な産地でもあるメリノウールを使用。ふんわりとした素材感と、取り外し可能なシープファーの襟との相乗効果で可愛らしさを演出します。軽量ながら保温性抜群であり、近年の暖冬においては重宝間違いなし。

胸元にはアイコニックなレザー製のロゴパッチ付き。インナーには同じくレザーロゴ付きのロンTを。高所恐怖症だというジュニアさん、ここだけのハナシ、窓際での撮影にめっちゃビビってました（笑）。

レザーに施されることの多いナッパ加工をデニムに採用することで、まるでレザーのような光沢を帯びたセルビッジデニム。見た目に反して柔軟なので、はき心地はノンストレス。細身のストレートシルエットにより、端正なスタイルを完成させます。

── まずはシャパルを着用された感想からお聞かせください。

ジュニア　いや〜、シャパル……。最高ですね！ 初めて袖を通させていただいたんですが、着た瞬間に僕の生活レベルの2〜3個上のものやな、と。着心地が抜群にいいし、これは冬場でも絶対ぬくいやつですから。普段そんな服買わへんのに、まさかアウター2着も自分のワードローブに加えることになるとは思ってませんでしたね（笑）。ホンマに気に入ってまいました。

── 実際に着たうえでアウターを2着も選ばれたのは、本当に気に入られた証拠ですね。普段の服装はカジュアルが多いのでしょうか？

ジュニア　シャツにジーパンのような、シンプルな格好が多いですかね。それと普段からバイクに乗るんで、革ジャンを着ることは多いです。でも冬にバイクに乗っていて、ちょっとお茶しよかなぁなんて時に、いつもの革ジャンはゴツすぎてお店の風紀を乱すことになるんで、脱いでから入るんです（笑）。でも、シャパルの革ジャンは上品やし、脱がんでええんちゃうかな。お洒落なカフェやレストランも、まんま行けますよね。そこも気に入ったポイントです。

── 確かにフランスのブランドらしい上品さがありますよね。

ジュニア　フランスか〜、いいですよね〜。セリーヌとかサンローランとか着てますけど、両方ともフランスですもんね。どこの国かっていうので服を選ぶことはないですけど、オレ、自然とフランスに引き寄せられてるんかなぁ（笑）。旅が好きなので、フランスには何度か行ったことはあるんですけどね。

── 自身のファッションについて、こだわりはありますか？

ジュニア　ただ好きなものを着ているだけで、あんまりこだわりはないんですよ。すみません（笑）。実はテレビは私服で出ることも多いし、YouTubeなんて全部私服なんですけど、そんなに服装には気を遣ってないかな。でも、気に入ったものは10年、20年着てるんで、物持ちはええ方やと思いますよ。シャパルの2着も一生着させてもらいます（笑）。

※ 後編へ続く