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2022.03.26

技アリ! プロの着こなしテクを拝見【吉田 聖編】

毎シーズン現われる魅力的なニューアイテム。ですが、どのように取り入れるべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢たちが、トレンドを踏まえたコーディネートテクニックを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/多田 悟(Rooster) 文・構成/長谷川 剛(TRS)

実ははきやすい太めカーゴパンツの本格派

本格ミリタリーワークな英国ブランドとして、コアなファンを得ているナイジェル・ケーボン。吉田聖さんは、その実力派ブランドにおいてグローバル展開を支える主要スタッフです。

PR活動からカタログ製作、輸出やグローバル企画のハンドリングまで手掛けています。もちろん、いち早くナイジェル・ケーボンの新作を身に着ける役目もご担当。

そんなエキスパートが惚れ抜いた一着として、今回ピックアップしていただいたのが、同ブランド定番である太めのアーミーカーゴパンツです。
パンツ3万1900円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ)
▲ 定番のアーミーカーゴパンツ。機能的かつ随所まで念入りの仕上りがポイントです。パンツ3万1900円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ)
「この一本は米軍のM-43と、カーゴパンツの傑作であるM-51、そして英国陸軍ヴィンテージの要素を取り混ぜたもの。

ご存知のようにミリタリーウエアは、国家が莫大な資金を投じて作らせたアイテムです。機能性や耐久性、時に人命を守るアイテムとして、民間のレベルとは異なる完成度こそ最大の特徴。

ナイジェル・ケーボンではそういった特性を十分に生かしつつ、ブラッシュアップを加えて仕上げています。
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長年続く定番パンツですが、この本作では日本製のコットンサテン地を使用しており、しっとりとした光沢感が味わえます。ブランドとしては購入いただいたご自身はさることながら、そのお子さんにも引き継げるモノであるよう、万全を期して作り込んでいます」
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タイドアップで自分らしくキレイめに

ジャケット6万3000円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ) 他のアイテムは私物
▲ ネクタイを締めたラギッド・シックなコーディネート。「僕の場合は、こんな着こなしで働くことも少なくありません」。パンツは上と同じ。ジャケット6万3800円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ) ほかのアイテムは私物
そんな至極のミリタリー・カーゴパンツをベースに、吉田さんはシックな着こなしを披露してくれました。

「太めのカーゴパンツというと、ラギットに泥臭くはくのが似合うと思われがち。ですが、タイドアップにも手軽に着回すことが可能です。とはいえビジネススーツの上着のようなものに合わせるのではなく、リネンやヘンプ、それにツイードのように野趣ある素材感のジャケットがベター。

3パッチフラップ式のポケットを持つカジュアルな上着、それにネクタイもニットタイなどを選ぶのが、カーゴパンツのテンションを崩さないコツだと思います」
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▲ 男らしいワイド幅のシルエット。馴れるとやめられなくなる一本だと吉田さん。
確かに近年、ファッションシーンを中心に注目を浴びるワイド幅のパンツ。しかし、一般の人が上手く着こなすには、ちょっとハードルが高めな気もします。

「そんなことはないハズです。パンツが太めの場合は、トップスをタイトにしてもメリハリあるルックスになりますし、同じようにたっぷりめのアウターの合わせであれば、今季っぽいトレンド感あるルックスに仕上ります。

カジュアル系のものなら大抵のアイテムが合わせられますので、だから太めパンツは一回はき馴れてしまうとヤメられない、と言われているのです(笑)」
▲ ベルベットスリッパは英国チャーチのもの。キツネの刺しゅうがカントリーな雰囲気です。
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▲ 腕元にはネイティブアメリカンのシルバーアクセサリー。「デイヴィッド・リスターという作家のシルバーです。アリゾナに行った時に手に入れました」
こともなげに着こなし方をレクチャーする吉田さん。しかし、随所に達人らしい感度の高いテクニックがちりばめられています。

「ちょっとキレイめな雰囲気を狙う場合の足下は、スニーカーよりもドレスシューズのほうが良いでしょう。ただし普通のプレーントゥでは面白くありません。同じ英国製のベルベットスリッパなどを合わせることで、シックでありつつ個性を匂わせることが可能です。

またこのようなカジュアルスタイルには、アクセサリー等で積極的に“重み”を加えたいもの。僕の場合はデコラティブなネイティブ系のシルバーアクセサリーを添えています」

肩肘張らずでも個性はしっかり主張して

パンツは上と同じ。ジャケット4万7300円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ)) 他のアイテムは私物
▲ ナチュラルでありながら無国籍かつどこかミステリアスなスタイル。小物選びにまで吉田流が込められています。パンツは上と同じ。ジャケット4万7300円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ)  ほかのアイテムは私物
無骨が身上のミリタリーカーゴですから、もちろんその真骨頂はラギッドな着こなしにあります。次に吉田さんは、打って変わってナチュラルかつ寛ぎ感ある装いを披露してくれました。

「ソフトな印象を打ち出す場合は、トップスをオフホワイトなど清潔感ある淡色系にすると良いでしょう。このトップスはリネン製のフレンチワークジャケット。麻ゆえの素朴な風合いに加え、衿なしデザインがリラックス感を引き立てます。

僕の場合は粗野な印象のレザーショルダーやブリム(つば)の広いフェルトハットにて仕上げるのが今の気分。カジュアルにして自分らしいエッジもさり気なく加えています。出張の行き帰りなどは、こんなスタイルで出掛けることが多いですね」
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 ▲ その人の印象を変えるのに最適なアイテムであるハット。ブリム広めのハットはメタルの丸眼鏡とも相性抜群。手だれな雰囲気です。
▲ パンツの専用ボタンを利用し、レザー製のサスペンダーにて吊っています。チラっと見えたときに感度の高さが垣間見えるディテールです。
ざっくばらんに見えて随所にベテランならではのこなし技が仕込まれている吉田スタイル。たとえばパンツにはベルトを使わずサスペンダーを起用。サッとポケットに手を突っ込んだ時など、自然にディテールがチラ見えするところなど、実にニクいこなし方です。

また、足元は先ほどの貴族的なベルベットスリッパに替わって、革製のマウンテンブーツをチョイス。ヘビーデューティな足元にすることで、軽快感ある上着とのバランスを巧みに取っています。

さり気ないのに洒落て見えるのは、そういったひと手間をアレコレ組み込んでいるから。ぜひ参考にしてみてください!

● 吉田 聖 (アウターリミッツ 海外事業&PRシニアマネージャー)

ナイジェル・ケーボンやフィルソンといった歴史あるブランドを展開するアウターリミッツ。そこの立ち上げメンバーであり

PRから海外事業まで幅広く担当する。特にナイジェル・ケーボンに関しては、英国のスタッフと連携しグローバルプロジェクトも手掛けるキーパーソン。

■ お問い合わせ
アウターリミッツ 03-5413-6957

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