2025.07.20

■ 「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート【前編】

「ASUS」本社で見た! “巨大ペガサス”の姿とは?

ゲーミングPCや軽量PC「Zenbook」で世界を席巻する「ASUS」。ここでは5月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2025」および「ASUS」台湾本社の取材リポートを前後編でお届けします!

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写真・文・編集/平井敦貴(Web LEON)

台湾はやっぱりアツい!

「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート
▲ 台北屈指のナイトマーケット「士林夜市」。
やってきました、台湾!

タピオカに小籠包にルーロー飯、「士林夜市」でショッピング♪ 隠れた名所「新北投」の温泉も欠かせません。

……という話はさておき、今回の目的は「テクノロジーの最前線」を知ること。そして、向かった先はゲーミングPCで名を馳せる「ASUS(エイスース)」! この度、台湾本社を訪問する機会を得ましたので、じっくりリポートさせていただきます!

暑い暑い台湾は、現場の空気もアツかった! ハロー、タイペイ! 哈囉台北!
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「ASUS」社名の由来は?

「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート
▲ 台北市北投区に建つ「ASUS」本社。
ということで早速やってきたのがこちら、「ASUS」の本社です。台北の市街地からクルマで30〜40分、北投区の広大な敷地にそびえます。2019年に完成したこの新社屋では、なんと6000人以上の従業員が働くのだとか。ちなみに6000人は夕張市の人口とほぼ一緒。もはやひとつの街ですね。
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「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート
▲ 新社屋はペガサスをモチーフにした造り。
この特徴的な形。なんだか翼に見えませんか?

そう、ご存知の方も多いと思いますが、「ASUS」の社名の由来は「ペガサス(Pegasus)」の最後の4文字。ペガサスの持つ「強さ、創造性、純粋さ」と、空を飛ぶ「飛躍」の意味を込めて名付けられたのだと言います。

この社屋もそんなペガサスをイメージして建てられたのだとか。日本ではここまでコンセプトがはっきりしたオフィスビルをあまり見ないので珍しいですよね。

ちなみに「ASUS」 の呼び名ですが、かつては「アスース」や「エイサス」なんて呼ぶ向きもありましたが、2012年に「エイスース」に統一されました。「アザッス」でもありません、「エイスース」です(笑)。間違えていた方は今すぐ訂正を。
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ペガサスの床がお出迎え

そんな社名を体現すべく、エントランスの床には巨大なペガサスがあしらわれています。吹き抜けの天井からは明るい陽が差し、雰囲気はまるで博物館。周囲には歴代の製品がショーウィンドウのように陳列されています。
こちらはランボルギーニとのコラボレーションモデル。リアスポイラーとテールランプのデザインを取り入れた15.6型で、持っているだけで目を引くことは間違いありません。10年以上前に発売された製品ですが、なかなかにイカツイですね。
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他にも「A BATHING APE®」や「機動戦士ガンダム」など、日本ブランドとのコラボPCも数多く展示。このデザインの思い切りの良さは、シンプルなPCデザインが多い今こそ遊び心があって惹かれます。

よく台湾は親日だと言われますが、こういった日本のブランドやコンテンツとのコラボは日本人としてうれしいですよね。後述しますが「Zenbook」には“禅”の思想が盛り込まれていたりと、日本とのゆかりも随所に感じられます。
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さらに進むと“世界初”のキーボード付きタブレット「Eee Pad Transformer」や、2画面を搭載したPC「Zenbook DUO」など、「ASUS」のデザインの歴史を辿るディスプレイが続きます。

かつては日本メーカーも“世界初”や“世界最小”を謳う製品が数多くありましたが、近頃は海外メーカーにお株を奪われている印象。やっぱりこういった尖った製品を出せる企業は“勢い”を感じさせます。

1989年にマザーボードの製造から始まった「ASUS」がどのように発展してきたのか──もし本社を訪れた際は、これらの展示に注目してみてはいかがでしょう。
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ビリヤードもジムも完備

そんな“勢い”をさらに感じさせるのが社内設備です。休憩スペースにはビリヤード台が並び、ジムやシャワールームも完備。広々とした社員食堂にはスターバックスのほか人気のレストランが揃います。すれ違う社員も活気にあふれ、全体にフレッシュな印象です。

さて、そんな社員の方に話を聞いてみると──。
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デザインチームの面々にインタビュー

「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート
▲ 左より、ASUSデザインセンター アソシエイトヴァイスプレジデントのH.W. Wei氏、Zenbookシリーズのデザインを担当するPonien Chen氏、ROG Allyのデザイン担当Lovelock Chia氏、ProArtシリーズのデザイン担当Mumu Fong氏、デザインプロジェクトマネージャーYitien Hwang氏。
こちらが「ASUS」の精鋭たるデザインチームの面々。全員が海外留学の経験を持ち、語学堪能なエリートです。ちなみにデザイン“チーム”の名の通り、製品デザインは一人のデザイナーが作り上げるというよりも、多くの専門家の視点を持って“チーム”で進められていくのだとか。

そしてそのデザイン哲学は「Simple Made Meaningful(シンプルさに意味は宿る)」だと言います。

アソシエイトヴァイスプレジデントのWei氏曰く、

「Desirability(ニーズ)、Feasibility(実現可能性)、Viability(ビジネス性)の3つの原則を持ってデザインを行なっています。その3つを共存させることからイノベーションが生まれてくるのです」

とのこと。さらに、

「ASUSのPCは主に“ゲーミング”“クリエイター”“一般ユーザー”向けにセグメントされますが、それぞれのユーザーごとにニーズを定義し、開発を進めているのです」

と続けます。
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「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート
▲ 軽量・シンプルデザインの「Zenbook SORA」。17万9800円~/ASUS
また、主に日本市場に向けて開発が進められた「Zenbook SORA」について、デザイン担当のChen氏に話を聞くと、

「日本にはこれまで20回ほど訪れ、東京での市場調査も行いました。朝の満員電車を実際に体験したことで、日本のビジネスマンが毎日大きなストレスを抱えていることも実感。それもあって『Zenbook SORA』では不必要なものをそぎ落とし、落ち着ける、リラックスできるデザインを目指しました」

と答えます。“禅”の哲学をもとに、シンプルさを突き詰めるZenbookシリーズ。なかでも『Zenbook SORA』は約899gと軽量で、ナチュラルなカラーとミニマルデザインを備えた一般ユーザーモデルです。指紋が付きにくい独自素材「Ceraluminum™」を採用し、耐摩耗性、耐傷性にも優れます。

つまり、軽くて、丈夫で、ナチュラル。
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スペック面も妥協はなく、Snapdragon® Xシリーズのプロセッサーを搭載し、AI処理にも優れた「Copilot+ PC」の名を冠します。

「Copilot」をフル活用できるスペックながら1kgを余裕で切り、カラーは大自然にインスパイアされた「アイスランド グレー」と「ザブリスキー ベージュ」の2色。日常使いから重めのデスクワークまで対応する、まさに隙のないモデルです。

実際に手にすると、その軽さとしっとりした質感はまさに大人にぴったり。Windows 10のサポート終了に伴い、次のビジネスPCをお探しの方にもオススメです。
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徹底した品質管理もクリア

本社では製品の品質管理も行なわれ、耐久テストも実施されていました。こちらは「ヒンジテスト」と「ウォーターレジスタンス(耐水性)」のデモンストレーションですが、他にも「落下テスト」や「過酷な気温や湿度の環境下での耐久性」もしっかりとチェックされています。

グローバル企業なので当然と言えば当然ですが、高温多湿の熱帯から氷雪に覆われる寒帯まで、どんな環境でも使えるPCとして品質は厳密に管理されています。

Web LEON読者のジェットセッターの皆さん、アフリカやドバイ、アラスカ、北欧への出張もこれなら安心ですよ。
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ゲーミングPCの市場は爆発的に拡大中

ところで、「ASUS」と言えばゲーミングPCのイメージを持つ方も多いでしょう。今回の取材訪問では「ASUS」が誇るゲーミングブランド「ROG(REPUBLIC OF GAMERS)」の発表会も同時に開催されていました。

ちなみに「ROG」はまだ“ゲーミング”という概念が浸透していなかった2006年にASUSが立ち上げたゲーミングPC専用ブランド。ゲーム好きならずとも一度は聞いたことがあるかもしれません。

家庭用ゲーム機は日本のお家芸ですが、実は世界を見るとゲーミングPCの市場が急拡大中。その市場規模はすでに612億ドル(およそ9兆円)に達し、2033年には1300億ドル(およそ19兆円)になると予測されています。もはやゲーミングPCはニッチな市場ではなく、PC市場を牽引する存在になりつつあるんです。
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「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート
実際に「ROG」の発表会にはアジア・欧米・中東のメディアも多数訪れ、ライブ配信でリポートを行うなど大いに盛り上がっていました。

YouTubeを見てもゲーム実況は世界的に人気で、世代や言語、国境を越えて視聴されています。ゲームのグラフィック性能はもはや実写レベルに達し、「eスポーツ」も世界規模で拡大を続けています──。

そんなゲーミングPC市場でシェアトップを誇る「ASUS」は、台湾から世界へ、まさにペガサスのように飛躍を続けるのかもしれません。

ということで後編では、世界最大級のコンピュータ見本市「COMPUTEX TAIPEI 2025」の模様と、「ASUS」とAIの未来をお伝えいたします!

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