2025.07.20
■ 「ASUS」本社と「COMPUTEX TAIPEI 2025」を現地リポート【前編】
「ASUS」本社で見た! “巨大ペガサス”の姿とは?
ゲーミングPCや軽量PC「Zenbook」で世界を席巻する「ASUS」。ここでは5月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2025」および「ASUS」台湾本社の取材リポートを前後編でお届けします!
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写真・文・編集/平井敦貴(Web LEON)
台湾はやっぱりアツい!

タピオカに小籠包にルーロー飯、「士林夜市」でショッピング♪ 隠れた名所「新北投」の温泉も欠かせません。
……という話はさておき、今回の目的は「テクノロジーの最前線」を知ること。そして、向かった先はゲーミングPCで名を馳せる「ASUS(エイスース)」! この度、台湾本社を訪問する機会を得ましたので、じっくりリポートさせていただきます!
暑い暑い台湾は、現場の空気もアツかった! ハロー、タイペイ! 哈囉台北!
「ASUS」社名の由来は?


そう、ご存知の方も多いと思いますが、「ASUS」の社名の由来は「ペガサス(Pegasus)」の最後の4文字。ペガサスの持つ「強さ、創造性、純粋さ」と、空を飛ぶ「飛躍」の意味を込めて名付けられたのだと言います。
この社屋もそんなペガサスをイメージして建てられたのだとか。日本ではここまでコンセプトがはっきりしたオフィスビルをあまり見ないので珍しいですよね。
ちなみに「ASUS」 の呼び名ですが、かつては「アスース」や「エイサス」なんて呼ぶ向きもありましたが、2012年に「エイスース」に統一されました。「アザッス」でもありません、「エイスース」です(笑)。間違えていた方は今すぐ訂正を。
ペガサスの床がお出迎え
よく台湾は親日だと言われますが、こういった日本のブランドやコンテンツとのコラボは日本人としてうれしいですよね。後述しますが「Zenbook」には“禅”の思想が盛り込まれていたりと、日本とのゆかりも随所に感じられます。
かつては日本メーカーも“世界初”や“世界最小”を謳う製品が数多くありましたが、近頃は海外メーカーにお株を奪われている印象。やっぱりこういった尖った製品を出せる企業は“勢い”を感じさせます。
1989年にマザーボードの製造から始まった「ASUS」がどのように発展してきたのか──もし本社を訪れた際は、これらの展示に注目してみてはいかがでしょう。
ビリヤードもジムも完備
さて、そんな社員の方に話を聞いてみると──。
デザインチームの面々にインタビュー

そしてそのデザイン哲学は「Simple Made Meaningful(シンプルさに意味は宿る)」だと言います。
アソシエイトヴァイスプレジデントのWei氏曰く、
「Desirability(ニーズ)、Feasibility(実現可能性)、Viability(ビジネス性)の3つの原則を持ってデザインを行なっています。その3つを共存させることからイノベーションが生まれてくるのです」
とのこと。さらに、
「ASUSのPCは主に“ゲーミング”“クリエイター”“一般ユーザー”向けにセグメントされますが、それぞれのユーザーごとにニーズを定義し、開発を進めているのです」
と続けます。

「日本にはこれまで20回ほど訪れ、東京での市場調査も行いました。朝の満員電車を実際に体験したことで、日本のビジネスマンが毎日大きなストレスを抱えていることも実感。それもあって『Zenbook SORA』では不必要なものをそぎ落とし、落ち着ける、リラックスできるデザインを目指しました」
と答えます。“禅”の哲学をもとに、シンプルさを突き詰めるZenbookシリーズ。なかでも『Zenbook SORA』は約899gと軽量で、ナチュラルなカラーとミニマルデザインを備えた一般ユーザーモデルです。指紋が付きにくい独自素材「Ceraluminum™」を採用し、耐摩耗性、耐傷性にも優れます。
つまり、軽くて、丈夫で、ナチュラル。
「Copilot」をフル活用できるスペックながら1kgを余裕で切り、カラーは大自然にインスパイアされた「アイスランド グレー」と「ザブリスキー ベージュ」の2色。日常使いから重めのデスクワークまで対応する、まさに隙のないモデルです。
実際に手にすると、その軽さとしっとりした質感はまさに大人にぴったり。Windows 10のサポート終了に伴い、次のビジネスPCをお探しの方にもオススメです。
徹底した品質管理もクリア
グローバル企業なので当然と言えば当然ですが、高温多湿の熱帯から氷雪に覆われる寒帯まで、どんな環境でも使えるPCとして品質は厳密に管理されています。
Web LEON読者のジェットセッターの皆さん、アフリカやドバイ、アラスカ、北欧への出張もこれなら安心ですよ。
ゲーミングPCの市場は爆発的に拡大中
ちなみに「ROG」はまだ“ゲーミング”という概念が浸透していなかった2006年にASUSが立ち上げたゲーミングPC専用ブランド。ゲーム好きならずとも一度は聞いたことがあるかもしれません。
家庭用ゲーム機は日本のお家芸ですが、実は世界を見るとゲーミングPCの市場が急拡大中。その市場規模はすでに612億ドル(およそ9兆円)に達し、2033年には1300億ドル(およそ19兆円)になると予測されています。もはやゲーミングPCはニッチな市場ではなく、PC市場を牽引する存在になりつつあるんです。

YouTubeを見てもゲーム実況は世界的に人気で、世代や言語、国境を越えて視聴されています。ゲームのグラフィック性能はもはや実写レベルに達し、「eスポーツ」も世界規模で拡大を続けています──。
そんなゲーミングPC市場でシェアトップを誇る「ASUS」は、台湾から世界へ、まさにペガサスのように飛躍を続けるのかもしれません。
ということで後編では、世界最大級のコンピュータ見本市「COMPUTEX TAIPEI 2025」の模様と、「ASUS」とAIの未来をお伝えいたします!