2018.11.29

長澤まさみちゃんがヘッドバンギング!? ロックなシェイクスピア劇を観た！

超久々に観た演劇は劇団☆新感線の「メタルマクベス」。360度回る客席や巨大スクリーンなど、最先端の舞台装置が、ダイナミックな演出とロックな音響に拍車をかけ、まさしく「こんなの初めて〜！」な体験でした！

CREDIT :: 文／吉田奈緒子(LEON.JP)

皆さんはふだん、気分転換するとき何をされますか？ロック好きの吉田にとっては、ライブに行くことが最もお手軽な発散方法。最近は、2005年頃に彗星の如く現れたUKの4人組バンド、アークティック・モンキーズに改めてハマっており、来日を心待ちにしながら楽曲をストリーミングで聴きまくっています。

で、気づいたのは、音楽性の根幹をなすガレージロックだけでなく、ちょいアメリカンなハードロックやヒップホップ的な歌い回しなど、実に多彩なサウンド作りをしているということ。でもさすがに、ヘヴィメタルまで振り切った曲はないかぁと思っていたところ、タイムリーにも気になる演劇情報が飛び込んで来まして。

それは、劇団☆新感線の「メタルマクベス」なる舞台作品。シェイクスピアの四大悲劇「マクベス」を、あの宮藤官九郎氏の脚本で大胆アレンジしつつ、メタルバンドの生演奏を用いた作品と知り、即チケットを購入しました。

PAGE 2

「こんなの初めて〜！」な舞台装置

会場は、2017年にできたばかりのIHIステージアラウンド東京。観劇当日は、LEON GOLF TROPHYのお手伝いで観られなかったライブの分まで発散するぞ！と意気揚々と足を運んでみたものの、あれ!? お客さんのなかにメタルっぽい雰囲気の人はゼロじゃん……。少々出鼻をくじかれましたが、客席に入るやいなや、驚きましたよ！

360度、ぐるりと客席全体が巨大スクリーンに囲われており、「どんな風に使われるのかしら!?」とワクワクしていたら、その実力がよ〜く分かりました。

浦井さんと、妻役の長澤まさみちゃんの、時にコミカルで時にシリアスな掛け合いも見どころです! ©︎2018『メタルマクベス』disc3【撮影：田中亜紀】

西暦2218年の退廃した近未来都市を、SFのRPGのような躍動感あふれる映像で表現しながら、よどみのない舞台転換を実現。さらにビックリしたのは、それだけではありません。最初は気のせいかな？と疑っていましたが、やっぱり動いているよね！

全客席が配置された巨大な円盤が右に左に回転することも、スムースな場面転換に貢献していたのです。これら２つの装置により、いままでになかったダイナミックな臨場感で、お客さんたちをぐいぐいと作品の世界観に引き込んでいました。あ、新しい〜っ!

PAGE 3

ロックな歌劇は、コミカルかつシュール

もちろん、ヘヴィメタルな生演奏でキャストが歌い、踊るのもとても楽しくて! 主役のマクベス役を演じる浦井健治さんが、高音でメタルな曲を歌い上げたり、意外にも暗殺される王役のラサール石井さんの歌唱力が素晴らしく、歌声に聞き惚れてしまったり。

ふたり、ちょっぴりセクシーな場面もあります。©︎2018『メタルマクベス』disc3【撮影：田中亜紀】

そして、やはり冴えていたのは宮藤さんの大胆不敵な脚本ですね。下ネタあり、ブラックジョークありと、重苦しいシェイクスピア劇に軽妙なウィットが加えられている一方で、破滅へと向かうシリアスな場面もきちんと描かれている。あ、長澤まさみちゃんも歌も演技も上手いし、何よりキレイでした❤ メタルな演奏の場面で、頭振っていたし！