意外に似ている!? 韓国と日本の道路事情

今回の訪韓の主たる目的はBMWによる「BMW MINI JHON COOPER WORKS」のサーキット試乗会で、使用されたサーキットはソウル市内を出て北東へ2時間ほどに位置する『INJE SPEEDIUM』。あまり聞き馴染みのないサーキットなのですが、以前は国際レースなども行われていたという、コンドミニアムやホテルも完備した本格的サーキットです。

ところでLEONには『LEON KOREA』という韓国版があり、それもあって今までにも何度か訪韓はしているのですが、すべて打ち合わせやイベントへの参加などで、移動範囲はソウル市内のみ。しかも観光する時間などほぼなきに等しいほど。もちろん郊外へ足を延ばすことなどできるわけもありませんでした。

というわけで試乗記は追って掲載いたしますが、ここではソウル市内を出て、サーキットまでの韓国の道路事情をお伝えします。

韓国と聞いてその地形をイメージできない方も多いと思いますが、その国土の大半は山間部で、そういう点では日本のそれに近いようです。近年は高速道路が相当に整備されつつあるようで、国内旅行ブームも手伝い、郊外の観光地化も急ピッチで進んでいるそう。

その高速道路の路面はとてもスムーズで、かなり整備が行き届いている様子。今回の移動は大型バスによるものでしたが、ほぼ揺れを感じないレベルでした。

サービスエリアは書かれている文字がハングルというだけで、その作りはほぼ日本のそれと同様なのにはちょっとびっくり。ヨーロッパやアメリカの道路は、それぞれの国ごとに個性があって、その違いがまた面白いのですが、韓国のサービスエリアはレストランや喫煙所、お土産物屋さんからガソリンスタンドの配置まで日本のサービスエリアと瓜二つ！  韓国をクルマで旅行してもさほど困ることはなさそうです。

ちょっとマニアックな話ですが、トンネルが明るいことにも驚かされます。近頃は日本のトンネルも新しいものはそうなのですが、路面がコンクリートで出来ており、LEDの照明と相まって全体に明るい印象を受けます。アスファルトと比べてコストのかかるコンクリートは、一方で耐久年数が長いのですが、建設時に相応の技術が必要ということもあり、導入には予算と技術の両面が揃っていることが前提ということを聞いたことがあります。とすると、韓国の高速道路整備への行政の気合の入れようがそんなところからも垣間見えてくるようです。

景色もやはり日本の山間部を走っているような感じ。山間に点在する小さな村落は、むしろ都会の景色よりもずっと生活感があり、親近感を覚えます。

大きく違うのは通行区分が日本とは逆の右側通行というところ。どうやら第二次対戦前、日本による占領時は左側通行だったそうですが、朝鮮戦争後に右側通行に変更となったそう。沖縄もそれとは逆の歴史があったことを鑑みると、通行区分の差異にもその国の歴史が刻まれているのですね。

そうそう、オートバイは日本が数年前までそうだったように、高速道路の通行は禁止されています。高速移動時の重大事故の可能性が大きいことがその理由だそうで、そこも日本と同様ですが、韓国では大型バイクの普及がそれほど活発ではないところを見ると、まだまだオートバイでの国内移動は高速道路でというわけにはいかなさそう。

路面の状況、サービスエリア、トンネルの整備状況に通行区分、そんなところからも自分が訪れている国の事情が見えてくると思いませんか？

次の訪韓の際にはクルマを借りて、数日間のドライブ旅行も楽しいかも。