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2026.04.08

今年のG.W.は大人の知的好奇心を満たす「神戸建築祭」へ

港町として発展し、西洋文化と日本の伝統が融合した独自の建築物が多く残る神戸。普段一般公開されていない建築物を巡り、神戸の歴史や文化を知ることができる「神戸建築祭 2026」をひと足先に体験してまいりました!

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文/星野真琴(LEON)

ヒトという生き物は、実に罪深い生き物。日々あらゆる欲求と闘い、それをいかに満たすか……。平等にして限られた時間にヤキモキしながらも、その欲求を満たした時にしか得られない快感を知ってしまっては、私たちはもう抗えないわけです。


というわけで、私がとある“欲”を満たしに向かったのは海と山に囲まれた異国情緒あふれる街並み、そしてあらゆる美食が揃う「神戸」でございます。

神戸の歴史と文化を建築から紐解くイベントへ

kobe Kobe Architecture Festival

▲ 今回公開される建築のひとつ重厚な古典様式の「海岸ビルヂング」。国の登録有形⽂化財であり、神⼾市景観形成重要⽂化財にも指定される、神⼾を代表する建築です。

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今回、神戸を訪れたのは、5月8日(金)〜10日(日)に開催される「神戸建築祭 2026」をひと足先に楽しめる貴重な機会をいただいたため。


港町として発展した神戸には、西洋文化と日本の伝統が融合した独自の文化が生み出されてきました。その影響は、西洋風のモダンな建築物にも色濃く表れており、神戸ならではの文化的魅力の最良の資料となっています。さらにそれらの建築物がいずれも戦災と震災を乗り越えてきた、というバックグラウンドを持ち、歴史的価値を今に伝える語り部としても重要な神戸の財産と言えるのです。


この「神戸建築祭」は、普段一般公開されていない建築物を巡ることで、神戸の歴史や文化を広め、後世へこの稀少な建物を繋ぐことを目的としています。開催3回目となる今年は、参加建築91件のうち新規参加建築が33件となり、過去最多を記録。これまで中心となっていたモダン建築のみならず、ジャンルや年代を超えた建築物がラインナップするそうで、注目度の高さも窺い知れますよね。建築祭の期間中は、パスポートを提示することで、30件の公開建築を予約不要で見学可能。建築の専門家によるオーディオガイド付きで、建築の魅力をより深く知ることができるイベントです。

「神戸建築祭 2026」

開催期間/2026年5月8日(金)〜5月10日(日)

※特別イベント・ガイドツアーは2026年4月25日(土)より開催

開催エリア/北野・山手/三宮・元町・港湾/湊川・兵庫/灘/東灘

パスポート販売期間/~5月10日(日)16:30 ※売り切れ次第終了

価格/一般3500円、29歳以下2000円 ※4月30日までは早割価格、一般3300円、29歳以下1800円

HP/https://kobe.kenchikusai.jp

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人々の記憶が宿る貴重な建築を訪問

今回、私は参加建築のうち3箇所を訪問、そのご様子もシェアさせてくださいね。


1軒目は、昭和初期に建築された「加藤海運株式会社」の本社ビルとして使用されていた建物。神戸の歴史を語るうえでは欠かせない港の発展の一端を担ってきたこちらの建物は、いまは倉庫として使用されるほか数々の映画やドラマのロケ地としても活用されています。

kobe Kobe Architecture Festival

▲ 戦前に建てられたコチラ。残念ながら設計者は不明ですが当時の流行や文化を色濃く残す建物です。

直線と曲線を印象的に活かした外観は、アール・デコ風のデザイン。大きな窓からは、目の前に広がる港の風景を見ることができます。今回の建築祭では普段入ることのできない、内部の見学も可能。この周辺は戦災の影響も強く、当時流行したアール・デコ風のデザインが残されたこの建物は歴史を物語る大変貴重な建物なんだとか。さらに中に入ると、映画のセットをあえて残しており過去と現在が重ねてきた複合的な魅力を感じることができます。

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アメリカの巨匠による貴重な住宅建築

2軒目は、アメリカが生んだ近代建築の巨匠 フランク・ロイド・ライドによって設計された名建築「ヨドコウ迎賓館」。国の重要文化財の指定を受けているこちらは、灘の酒造家8代目 山邑太左衛門からの依頼で、1923年に別邸として建てられたそう。日本に現存する唯一のライト設計の住宅建築で、当初の姿を色濃く残す貴重な建物です。


細長い傾斜地に、山肌に沿って階段上に設計された特徴的なこの建築は、その立地からして自然と建物が調和する「有機的建築」を唱えたフランク・ロイド・ライドらしさを実感。外観・内観にも水平線を意識したライン、モダニズムを感じさせる幾何学的な装飾、内外の境界を曖昧にする連続窓など、彼らしさを存分に感じさせるデザインが施されています。

kobe Kobe Architecture Festival

▲ 開放的な応接室は圧巻のシンメトリーデザイン。採光や湿度調整を考えられた空間は想像以上に心地よいです。

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こちらは2階の応接室。暖炉や柱に見られるのは、幾何学的に細工された「大谷岩」で、ヨドコウ迎賓館では、いたるところにこの素材が使用されています。天井に照明はないものの大きなはめ殺しの窓や、壁上部に小さな窓を配することで光と影を綿密に計算した空間に。この小さな窓は、採光と同時に換気の役割も果たしてるそう。


さらに、ご注目いただきたいのは空間のダイナミックさと反する小さなドア。暖炉脇のドアは幅62㎝と、至極コンパクトに設計されているのですね。もちろんこれも計算のうちで、この狭い入り口を通ることで、次の空間を広く開放的に感じさせる、という心理効果を狙っているんです。こうしたあらゆる意図ある仕掛けがそこかしこに潜むヨドコウ迎賓館。話を聞くほどに好奇心が刺激されました。

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巨匠が理想を追求した名建築にも

最後に伺ったのは、大正末期から昭和初期にかけて、住宅や教会、学校、商業施設など1500を超える建築を全国に残したウィリアム・メレル・ヴォーリズが手がけた「神戸女学院」。この岡田山キャンパスは、ヴォーリズが設計した12棟の建物が国の重要文化財に指定されており、いまもなお神戸女学院の学舎として、大切に使用されています。

kobe Kobe Architecture Festival

▲ 学院が掲げるリベラルアーツ教育を体現している中庭。中庭を中心に文学館と理学館、図書館と総務館が向かい合う。

細部にまで施された繊細な装飾や、曲線を多用した柔らかい美しさ。ヴォーリズが手がけたクラシカルな中にモダンな要素を備えたこの建築は、なにも知らずとも眺めているだけでも満足できるほどの完成度。しかし専門家の方の話を聞けば、女性教育の先駆けとして誕生したこの学院の役割、建築に込められたヴォーリズの思い、そして第二次世界大戦と阪神淡路大震災というふたつの大禍をくぐり抜けてきたという事実。空間が訴えかけてくるものの重さに驚かされるとともにこの建築祭の意義というものを改めて実感させられました。

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パスポート見学可能な見ドコロ建築!

普段なかなか見ることのできない建築物に触れることのできる本イベント。中には事前申し込みが必要なツアーもあるのですが、人気がゆえに売り切れてしまっているものも多数……。でも落ち込まないでくださいね。パスポート購入で見学可能な、今からでも間に合うオススメ建築をチラリとご紹介いたします!

さて、冒頭で申した「とある欲」とは、そう「知識欲」のこと。年齢を重ねるたび実感するのですが、新しい知識って本当に刺激的である一方、その機会は自ら探さないとなかなか手に入らないもの。日々あらゆるドキドキを求めるオヤジ様方、たまにはこんな刺激を浴びてみてはいかがでしょう?

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