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こんにちは、LEON.JPの吉田です。
 
幸いにも日本国内のコロナ禍が落ち着いている最近は、活況を取り戻しつつあるレストラン業界を取材する機会が増えまして。そんななか今回は、シェフとサービスタッフの情熱がたっぷりと詰まった正統派フレンチレストランをご紹介します。

東京・日本橋のラグジュアリーホテル「マンダリン オリエンタル 東京」を代表するフレンチファインダイニング「シグネチャー」が、コンセプトを一新させて営業を再開したのは、2021年10月末のこと。14年連続1つ星に輝いた名店は、相次ぐ緊急事態宣言の発令により、実に一年半もの休業を余儀なくされていましたが、料理長に就任したニコラ・ブジェマさんが率いる新体制の下、クラシックかつ現代的なエッセンスを加えたガストロノミックなフレンチの提供をスタートしたのです。

シェフ歴25年目のニコラさんですが、「コロナ禍は伝統的なフレンチを一から見直すきっかけになった」と振り返ります。最新のテクノロジーに頼るのではなく、自分がキャリアのなかで培ってきたクラシックな技法と感覚を使って調理するスタイルをようやく確立できた、と。人懐っこい笑顔の奥に強い意志が感じられる話っぷりには、再スタートへの熱い想いが込められていました。

ニコラさんが信条とする調理法の要は「浸透」。例えば、食材の旨味は温度の高いものから低いものへと移っていきますが、そういった物理・化学に基づくフランス料理の伝統的な技法を多用しています。とにかく手間暇を惜しまず、時間をかけて旨味・風味を食材全体に浸透させていきます。スペシャリティのひとつ、前菜の「フォアグラのブリオッシュ」にしても、フォアグラが納品されてから完成までに約20日間もかかるというから驚きです!

メイン料理、A5ランクの和牛のフィレ肉も、大きい塊のままゆっくりとロースト＆しっかりと休ませることによってミディアムレアの仕上がりに。ニコラさんが得意とする力強い風味が生きたボルドレーズソースは約2週間かけて作られていて、ワインのフレッシュな香りまで楽しめます。

またワインは、すべてフランス産。ニコラさんのクラシックとモダンを融合させた奥深いフレンチに合わせて、シャンパーニュ、赤、白、ロゼだけでなく、オレンジワインやイエローワイン、スウィートワインまで、幅広いセレクションです。杯数や銘柄について知識・経験豊富なソムリエさんと相談しながらペアリングも可能。日本酒やクラフトジンなど、ワイン以外のお酒も取り揃えています。ちなみにシャンパーニュは必ずマグナムボトルで提供。より深い味わいと非日常感を堪能できますよ。

スタッフは料理を銀製のトレーでサーブするなど、サービスも適度な重厚感を大切にしています。年末年始のホリデーは、そんな新生「シグネチャー」にパートナーをエスコートすれば喜ばれること請け合い。12月24日〜26日、31日の大晦日、年が明けて元旦、1月2日にランチとディナーで特別コースを用意しているそうですよ。記憶にずっと残るような食体験を、ふたりでぜひ分かち合ってくださいませ。