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2026.04.08

【試乗リポート】マニア垂涎! マツダの本気がつまった限定ロードスターはどこが凄いのか?

昨年10月に発表され、限定200台の抽選枠に9500件を超える応募があった「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」と、こちらもすでに完売の2200台の限定車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」に試乗。その反響の大きさからマツダも第2弾について検討を始めたという注目の2モデルの出来栄えを確かめてみた。

BY :

文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/MAZDA 編集/森本 泉(Web LEON)

これまでなかった2ℓエンジンの幌型ロードスター

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER/12R

「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」の2種類の限定車は、シンプルにいえば2ℓエンジンを搭載した幌型のロードスター。これまでRFというハードトップモデルには2ℓエンジンが搭載されていたが、幌型は1.5ℓエンジンのみの設定だった。

2リッターエンジンを搭載し電動格納式ハードトップを備えたロードスターRF。

▲ 2リッターエンジンを搭載し電動格納式ハードトップを備えたロードスターRF。

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パワフルな2ℓエンジンを搭載した幌型ロードスターが欲しいという要望はこれまでにも多くあったはずだ。実際のところ一部の海外仕様には設定がある。しかし、マツダはこれまでそれをそのまま国内で販売することは良しとしなかった。軽量、コンパクトでアフォーダブルであることがロードスターの定義だからだ。

スーパー耐久シリーズに参戦しているMAZDA SPIRIT RACINGのレースカー。車名の12Rはこのゼッケンナンバーに由来するもの。

▲ スーパー耐久シリーズに参戦しているMAZDA SPIRIT RACINGのレースカー。車名の12Rはこのゼッケンナンバーに由来するもの。

マツダはいま「MAZDA SPIRIT RACING」(以下MSR)というサブブランドを使ってモータースポーツ活動を行っており、これらの限定車にはそこで培った技術やノウハウがフィードバックされている。MSRというブランドを冠することによって、コストをはじめとするさまざまな制限から解放され、これまでできなかったあれやこれや開発陣の想いを注ぎ込んだモデルというわけだ。

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トルクフルで乗りやすい大人のロードスターに

2リッターエンジンによって扱いやすくなった「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」。

▲ 2リッターエンジンによって扱いやすくなった「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」。

まずはベースとなるMSR ROADSTERから試乗する。エクステリアはフロントグリルがメッシュタイプとなりそこにMSRのエンブレムが備わる。フロントスポイラー、サイドスカート、リアスポイラーなども専用のデザインとなるが大人っぽくさり気ない感じが好ましい。アルミホイールも専用の鍛造品を履く。

メッシュタイプのフロントグリルにMSRのエンブレムが備わる。

▲ メッシュタイプのフロントグリルにMSRのエンブレムが備わる。

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トランクリッド上のリアスポイラーも大げさでなくさりげないもの。

▲ トランクリッド上のリアスポイラーも大げさでなくさりげないもの。

インテリアではステアリング、シフトノブ、パーキングレバーをはじめインパネ、ドアトリムにもアルカンターラ素材を使用しており上質感がある。シートはレカロ社と共同開発されたもので適度なホールド感が心地よい。

アルカンターラ素材をふんだんに用いたインテリア。

▲ アルカンターラ素材をふんだんに用いたインテリア。

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レカロ製のスポーツシートもアルカンターラとレザーを組み合わせたもの。

▲ レカロ製のスポーツシートもアルカンターラとレザーを組み合わせたもの。

1.5ℓ仕様が最高出力136PS/最大トルク152Nmなのに対して、こちらの2ℓは184PS/200Nmを発揮。それでいながら車両重量はわずか1070kgに抑えられており、トルクがあるためとても発進しやすい。またマメなシフトチェンジが求められる1.5ℓに対して、3速や4速が広い速度域をカバーしてくれるためクルーズしやすい。


足回りには専用チューニングを施したビルシュタイン製ダンパーを採用しており、タイヤはブリヂストンのポテンザS001を組み合わせていた。乗り味としては1.5ℓモデルの延長線上にあるものだが、さらにグランドツーリング性能が高められた印象を受けた。

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開発チームのやりたいことが凝縮された12R

ボンネット上のラインやフロントスポイラーやサイドミラーの赤いアクセントがベースとの識別ポイント。

▲ ボンネット上のラインやフロントスポイラー、サイドミラーの赤いアクセントがベースとの識別ポイント。

一方のMSR ROADSTER 12Rだが、エクステリアでは、ボンネット上の専用デカールがベースのMSRとのわかりやすい違い。それ以外にもフロントスポイラーに赤いアクセントカラーが、アルミホイールのリムにラインが配され、リアに12Rのエンブレムが備わるなどといった点もあるが、オーナーでなければ気づかないほどのさり気ないものだ。

テールにはワンポイントで12Rのエンブレムが備わる。

▲ テールにはワンポイントで12Rのエンブレムが備わる。

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しかし、その中身はまったくの別物。開発陣のこだわり満載である。2ℓエンジンは、吸気ポートの形状を変更し、匠エンジニアの手作業によって吸気ポートの内側を研磨し空気抵抗を低減、吸入空気量を増加させ、出力とレスポンスを向上。カムの形状も変更している。また藤壺技研工業と共同開発した等長4-1排気のエキゾーストマニホールドを採用。フライホイールはトルク伝達性と耐久性を高めたシングルマスのものになっている。


またピストンとピストンリングはレース仕様車と同じ低抵抗品に。これ以外にも数々のチューニングが施されており、最高出力は200PS、最大トルクは215Nmへと高められている。それでいて車両重量は1050kgとベースのMSRから20kgの軽量化を実現している。

レカロ製のフルバケットシート。サベルトの4点式シートベルトはオプション。

▲ レカロ製のフルバケットシート。サベルトの4点式シートベルトはオプション。

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インテリアはベースと同様にアルカンターラが用いられたもので、シートは専用のレカロ製フルバケットタイプが備わっていた。エンジンを始動するとはっきりと音が違う。オプションの藤壺製チタンマフラーが装着されており、乾いたエキゾーストノートを奏でる。エンジンの吹け上がりのよさも相まって高回転までまわしたくなる。ちなみに最高出力を発生するのは7200回転だが、そこまで一気にまわる。気のせいかベースよりシフトフィールもよく感じる。シフトダウンが楽しくなる。

12Rのタコメーターは200馬力を発生する7200回転の位置に小さく▲マークが入っているちょっとした遊び心。

▲ 12Rのタコメーターは200馬力を発生する7200回転の位置に小さく▲マークが入っているちょっとした遊び心。

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足回りはひらりひらりという軽快感がうりの標準的なロードスターとはうってかわってキレキレのシャープな動きをみせる。ストラットタワーバーや強化ブッシュなどで補強し、さらに熟練工による高精度なサスペンションアームの締め付けとホイールアライメント調整を実施するなど、そのチューニングの内容はまさにレーシングカーさながらのもの。


オプションのLSDにヨコハマADVAN NEOVA AD09なんてスポーツタイヤ を履いていたこともあって、コーナーでもぐいぐい曲がる。乗り心地は街乗りができないほどガッチガチというわけではないけれど、やはりこのクルマが本領を発揮するのはMSRの名の通りサーキットだろう。


12Rはメーカーが本気を出すとこうなりますよ、というお手本のようなサーキット仕様のコンプリートカーだ。一方ベースのMSRは街乗りでもより扱いやすい大人仕様のロードスターである。ルックスは似ているけれど、その性格には大きな違いがある。いずれにせよ、第2弾の登場に期待したい。

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER/12R
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MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER/12R

全長×全幅×全高/3915×1735×1245mm

ホイールベース/2310mm

車両重量/1070kg(ベース) 1050kg(12R)

エンジン型式/直列4気筒DOHC

総排気量/1997cc

最高出力/184PS/7000rpm 最大トルク/205Nm/4000rpm(ベース)

最高出力/200PS/7200rpm 最大トルク/215Nm/4700rpm(12R)

駆動方式/FR(後輪駆動)

トランスミッション/6速MT

乗車定員/2


車両本体価格/

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(限定2200台)526万5700円〜

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER12R(限定200台)761万2000円


公式サイト

HP/https://www.mazda.co.jp

藤野太一(自動車ジャーナリスト)
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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