2026.06.27
実業家:梶原健新
パテック フィリップもクルマも、そして仕事も自己流を突き詰めて
時計はオトナの必需品であり、自身の足跡を雄弁に物語る記念品でもあります。不動産業の傍らアパレルをも手掛けるマルチな実業家・梶原健新さんが手にしたのは、頂点ブランドの鳴り物系や金無垢モデルにダイバーズ。自分らしさをトコトン追求するのが、ゼンマイ紳士の流儀です。
BY :
- 文/長谷川 剛
- CREDIT :
写真/多田 悟(Rooster) 文・構成/長谷川 剛

すべては地道な積み上げが叶えてくれた

▲ 不動産業や飲食業と同時に、アパレル業も営むマルチな実業家である梶原さん。目標に向かって努力を惜しまないタフガイです。
神戸を拠点に不動産業をはじめ、アパレル業、そして飲食業を営む梶原健新さん。ファッションにも深く精通するゼンマイ紳士であり、実は「買えるLEON」ともゆかり浅からぬ人物です。
そもそも梶原さんにおけるキャリアのスタートは販売・営業職から。完全歩合制であったその業種は自身で選んだものでありながら、かなりタフなスタートになったと振り返ります。
苦労が多い日々のなか、ひとつの励みになったのが成功を手にした先輩達のスタイル。特に彼らの腕元で光る高級時計は大いに憧れになったと語ります。
先輩たちのサクセス・ウォッチに憧れて
「先輩たちが行う毎日の努力は相当なもの。ただし、自分への“ご褒美”があるから頑張れると常に話していました。20歳以前の自分には、先輩たちが自ら稼いで手に入れたロレックスなどの高級時計が、非常に眩しく映ったものでした」
そして梶原さんも同じように努力を重ね、20歳の時に念願のサブマリーナー デイトを入手します。思い返すとその時を皮切りに、高級時計の沼にハマっていったとのこと。
自らの不動産会社を立ち上げたのは2013年。18歳の頃からタフな営業畑で地道に経験を積んできた梶原さんは、不動産売買という業務が自身に非常にマッチしており、瞬く間に事業を軌道に乗せることができました。

▲ がっしりした手首にパイロットテイストの時計が良く馴染んでいます。リューズやプッシュボタンの多さが、ただならぬ印象を放つモデルです。
初手のサブマリーナー デイトから現在に至るまで、多くの高級時計を手にしてきた梶原さん。なかでも現在気に入っているのが、パテック フィリップのアラーム トラベルタイム(Ref.5220P)です。
本作は以前にもトラベルタイムとして、Ref.5224Rなどが打ち出されたカラトラバ・パイロットシリーズのひとつ。その後継にあたるこちらのRef.5220Pは、アラーム機能が追加された特別なコンプリケーションです。12時位置にて2つの窓を用い設定を表示するという分かりやすい機能が大きなポイント。

▲ 梶原さんの現在におけるお気に入りであるパテックフィリップの「アラーム トラベルタイム」(Ref.5220P)。デュアル・タイムゾーン表示機能に加え、15分刻みのデジタル・アラーム表示を装備。搭載する新開発ムーブメントCal.AL 30-660 S C FUSは、アラームに関する4件の特許を登録済み。
「パテック フィリップに関しては、以前からカミネさん(神戸を代表する高級時計店)にお世話になっており、その縁から展示会にお招きいただき、このRef.5220Pに出会いました。クラシカルでありながら多機能というスペックがとても気に入りひと目惚れ(笑)。ポイントは何といってもアラームにあります。
もちろん設定は15分刻みであり、任意に鳴らせてしまうアップルウォッチなどには少し負けてしまいます(笑)。しかし、透き通るような打音がとにかく素晴らしい。
また、一般的なアラーム機能は、その終盤にはトルクが弱まり音質が鈍くなるもの。でも、Ref.5220Pのアラーム音は、最初から最後まで均質かつ得も言われぬ清涼感あるトーンをキープするんです」

実際に取材時にもその場で設定作業をこなし、アラームを取材陣に聞かせてくれた梶原さん。
同じ“鳴り物”として著名なリピーターウォッチも当然良いものだけど、使用に緊張感が伴うと説明します。その点、このアラームならガンガン使えて楽しめるところがお気に入りのポイントなのだそう。
3年越しに手に入れた金無垢×コンプリの「ノーチラス」

▲ 世界中のラグスポ好きがこぞって狙う「ノーチラス」。なかでもこちらは、さらに貴重なコンプリケーション。そんな金無垢モデルをサラッと付けるのが梶原流です。
とにかく時計が大好きな梶原さん。現在レギュラーとして使い倒しているのが、同じくパテック フィリップのノーチラス・トラベルタイム・クロノグラフ(Ref.5990)。ご存知のとおり時刻、日付け、GMT、クロノグラフといった機能を搭載した複合モデルです。しかも重厚感漲る堂々のフル金無垢の一本。
「とにかくノーチラスはラグスポの頂点として昔から大好きなシリーズです。Ref.5990に関しては、2021年の新作発表の時に目にして『コレよ、コレコレ!』となり、時計店に飛び込みました(笑)。
しかし、おいそれと買えるワケもなく、3年ほど待つことに。本作のポイントはなんといってもラグスポとしてパーフェクトな一本であること。どこからどう見ても格好がイイ(笑)。
オン・オフどんな装いにも似合ってスタイルにしっかり箔が付くことから、出動回数が自然に増えてしまう時計です」

▲ 梶原さんをして「パーフェクト」と言わしめるRef.5990のゴールドモデル。確かにコレ一本あれば、Tシャツ一枚の着こなしでも圧倒的な装いになります。
「僕は野球選手に仲良くしてもらっており、以前その関係のイベントに参加したことがありました。そこにはメジャーリーグまで上り詰めたスター選手も参加されており、自分と同じRef.5990を着用しているのを見て、なんだかうれしくなったことを覚えています(笑)」

まさに時計マニアの“上がり”とも言える頂点モデルを手にした梶原さん。しかし実は、シンプルかつベーシックなモデルもお好きとのこと。すでに、薄型2ピースケースを特徴とする三針式のノーチラス(Ref.5811)を予約済みとか。……コレはもうホンモノですね。
腕時計とクルマのコンビネーションを楽しみのひとつ
相当な時計好きである梶原さんは、実は生粋のカーマニアでもあり、現在は高級車を複数所有しています。しかしある時計をきっかけに、もう一台狙い出したとのこと。

▲ 休日はアクティブに遊びまわるという梶原さん。そんなシーンでは貴金属ではなくハイテク素材のスポーツモデルを選びます。“遊び時計”とのことですが、どうしてなかなかのチョイスです。
「そのきっかけとなった時計が、パネライのサブマーシブルS ブラバス カーボテックです。名前のとおりベンツを専門にチューンを施す会社、ブラバスとのコラボレーションモデルです。
気軽に扱える時計が欲しくて手に入れました。ケースにカーボン系素材を使用しており、非常に軽い。しかも30気圧防水だから休日のあらゆるシーンに最適です。実は以前にもゲレンデを所有していましたが、この時計によってブラバスのゲレンデがかなり欲しくなっています(笑)」
色合い的にもミリタリーテイストを感じさせるこちらのモデル。その一本に合わせて、梶原さんはマイルドサンセットのウエアを選んでリラックスタイムを楽しんでいます。そう、何を隠そうマイルドサンセットこそ、梶原さんが手掛けるアパレルブランドなのです。

▲ アクティブシーンに使用することが多い、パネライの「サブマーシブルS ブラバス カーボテック」(Ref.PAM01283)。デイ・ナイト表示のGMT機能のほか、300m防水に約72時間のパワーリザーブ、そしてケースバックからはテンプの他、パワーリザーブのインジケーターが確認できる多機能モデルです。
ファッションへのこだわりを詰め込んだ「マイルドサンセット」
「そもそも“ビーチ等のリゾートにて快適かつお洒落に過ごせる”がマイルドサンセットのコンセプト。そういう意味でダイバーズ系のパネライとの相性は悪くないんです。
今日着ているシャツもマイルドサンセット。このシャツはウエスタンデザインですが、本格時計の装いにもマッチするよう、上質素材を厳選しています。カジュアルながらワンランク上のルックスに見えるところがポイントでしょうか」
マイルドサンセットは梶原さんの友人であるデザイナーと、二人三脚にて運営する独立系ブランド。梶原さんはプロデューサーとしてブランドに関わっていると言います。

「始まりは地元の友人である、そのデザイナーと意気投合したことから。すでに彼はマイルドサンセットをスタートさせていましたが、もっと展開を広げていきたいと相談を受け、自分が参加するようになりました。
以前から僕もかなり着道楽を続けており、ハイブランドからストリート系、デザイナー系のウエアなど、多種多様に経験してきました。
そのなかで微妙なこだわりや理想も徐々に生まれ、“もっとココがこうだったらお洒落なのに!”というリクエストが少なからず溜まっていました。その思いをぶつけたいと考え、ブランドを応援する立場になりました(笑)」
ブランドに関わり始めてから、梶原さんが特に力を入れている活動のひとつがPR。知人やショップスタッフ、仕事上の関係者などにアピールすることはもちろん、スポーツ選手や芸能人など、独自の営業網をたどりながら多岐にわたる展開を積極的に行っています。
始まりはバーニーズ ニューヨークのポップアップイベントから
なかでもひとつの転機となったのが、買えるLEONとの出会い。数年前に神戸のバーニーズ ニューヨークで行われたポップアップイベントに梶原さんは訪れていたのです。

▲ 生粋の着道楽である梶原さんは、アクセサリーにも精通しています。お気に入りのひとつがネイティブ・アメリカンジュエリー。しかもゴールドというところにこだわりを感じます。
「神戸のバーニーズ ニューヨークは自分の行きつけのショップなのですが、ある時、面白いイベントがあると聞きつけ覗いてみることに。衣服に加えて小物のコーナーがあり、なかでもネイティブ・アメリカンジュエリーは非常に自分好みが揃っていました。
あまりに気に入ったので、バングルやフェザーチャームの付いたネックレスを一気に大人買い(笑)。その時にLEON編集部の方にアテンドしていただき、いろいろと会話するうちに仲良くなったんです」

▲ バーニーズ ニューヨーク 神戸で行われた“買えるLEON”のポップアップイベントにて購入した「レッドマン」のネイティブ・アメリカンジュエリー(ただしイーグルのペンダントトップは後に買い足したもの)。ポップアップにて「大人買いしたことで編集部と縁が繋がりました(笑)」と梶原さん。
現在、マイルドサンセットが「買えるLEON」にラインナップされているのは、そんな知られざるバックストーリーがあったのです。多方面でさまざまな努力を重ね、現在の地位を得た梶原さん。当面の夢はそのマイルドサンセットを、誰もが知るメジャーブランドに成長させること。
「自分がマイルドサンセットに加わる時に、共同代表者であるデザイナーの小林とは成長の道筋を十分に共有しています。その目標が達成できたら、きっと今まで以上に素晴らしい人生になるはず。その時はまた、思い出になる凄い時計を手に入れたいですね(笑)」

● 梶原健新 (かじはら・けんしん)
1986年、兵庫県生まれ。高校卒業後、販売業を経て不動産業に転身。2013年に自ら健新不動産販売株式会社を興し代表取締役となる。また、アパレルブランド、マイルドサンセットの共同経営者。その他、カフェ等飲食店も複数経営する。
こちらの記事もオススメです













