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2026.07.12

ニューヨークが生んだ"伝説"が大阪へ。「ウォルドーフ・アストリア大阪」で過ごす特別な夜

エッグベネディクトも、24時間のルームサービスも、実はニューヨークの名門「ウォルドーフ・アストリア」生まれなんです。130年以上の伝説を紡ぎ、数々の"世界初"を世に送り出したホテルブランドが、2025年、日本へ上陸しました。もう行きました? 彼女を誘って、物語の"続き"を見届けに出かけてみませんか。

BY :

文/長谷川あや
CREDIT :

編集/森本 泉(Web LEON)

ラウンジ&バー「ピーコック・アレー」のバーカウンターに据えられた大時計は、創業地ニューヨークのシンボルである時計をオマージュしたもの。"時計の下で会いましょう"――ニューヨークから受け継いだ、新たな物語の起点です。

▲ラウンジ&バー「ピーコック・アレー」のバーカウンターに据えられた大時計は、創業地ニューヨークのシンボルである時計をオマージュしたもの。"時計の下で会いましょう"――ニューヨークから受け継いだ、新たな物語の起点です。

1893年、ニューヨークに誕生した世界最高級のラグジュアリーホテル

初めて行くホテルって、わくわくしますよね。ホテルマンはどんな風に出迎えてくれるのかな。部屋はどんな感じだろう? 絶対にプールに入る時間も捻出するぞ、などなど想像は膨らむばかり。それが世界に名だたる名門ホテルブランドだとすれば、なおさらですよね。「ウォルドーフ・アストリア大阪」を訪れる前日から、遠足前の子どものようにテンションが上がっていました。そして、大阪に向かう新幹線で飲むビールが美味しいこと(笑)。

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1階エントランスを飾る巨大なセラミック彫刻は、世界的アーティスト・金子潤氏の作品。館内のそこかしこでアートに出会えるのも、このホテルの愉しみです。

▲ 1階エントランスを飾る巨大なセラミック彫刻は、世界的アーティスト・金子潤氏の作品。館内のそこかしこでアートに出会えるのも、このホテルの愉しみです。

「ウォルドーフ・アストリア」は、138を超える国と地域に、8300軒以上のホテルを展開する「ヒルトン」の最上級ラグジュアリーブランドです。その歴史の始まりは、アメリカの黄金時代の真っ只中の1893年のニューヨークでした。「ウォルドーフ・ホテル」として誕生し、その後、隣接して建てられた「アストリア・ホテル」と統合し、現在のかたちに。フランク・シナトラやマリリン・モンローが住んでいたことがあるなど、社交界の華やぎとともに歴史を刻んできました。

その由緒正しきホテルブランドが、2025年4月3日、日本に初上陸を果たしました。開業当日は朝6時から人々が列をなしたのだとか。ずっと気になりつつも、なかなか足を運ぶ機会がなかった「ウォルドーフ・アストリア大阪」を、筆者が訪れたのは2026年春のこと。開業1周年直後のホテルは、お祝いムードにあふれた、華やいだ雰囲気でした。

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再開発に沸くうめきたエリア、「グラングリーン大阪 南館」の高層階に位置。夕暮れに浮かび上がる大阪駅周辺の灯かりも、この滞在ならではのご褒美です。

▲ 再開発に沸くうめきたエリア、「グラングリーン大阪 南館」の高層階に位置。夕暮れに浮かび上がる大阪駅周辺の灯かりも、この滞在ならではのご褒美です。

1930年代のアールデコを、日本の自然観を加味して再解釈

ここ数年、大阪駅を訪れるたびにその変貌ぶりに驚かされます。「ウォルドーフ・アストリア大阪」が位置するのは、その再開発の象徴ともいえる「うめきた」エリア。大阪駅からゆっくり歩いて10分ほどでしょうか。目新しい風景にきょろきょろしながら歩いていると、ほんとうにあっという間です。


インテリアデザインを担当したのは、香港を拠点に世界で活躍する建築家アンドレ・フー氏。"relaxed luxury(形式張らないラグジュアリー)"という哲学で知られているフー氏は、「ジ・アッパーハウス」(香港)をはじめ、「ウォルドーフ・アストリア・バンコク」、ヴィルロイ&ボッホやルイ・ヴィトンとのプロジェクトなども手掛けています。日本では、「HOTEL THE MITSUI KYOTO」(2020年11月開業)のデザインや、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」(2026年4月リニューアル完了)の改装などを担当しました。

フー氏は、ブランドの根幹ともなっている、1930年代のアールデコを、日本の自然観を加味して再解釈。フランク・ロイド・ライトが1918年に原設計を手がけ、1924年に竣工した邸宅「ヨドコウ迎賓館」(旧山邑家住宅)をインスピレーション源としつつ、組子細工、和紙パネル、障子の行灯を想起させるディテールを織り交ぜた、まさに"大阪モダン・アールデコ"とも呼ぶべき、華やかでありながら落ち着いた空間を作り上げました。ちなみに「ヨドコウ迎賓館」は芦屋市に現存しています。ホテル滞在の前後に足を延ばしてみてもよろしいかと。

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天井高8メートルのバーラウンジ「ピーコック・アレー」はホテルの象徴ともいうべき存在。天神祭の賑わいに着想を得た4基のシャンデリアが、グラマラスな夜を演出します。テラス席もあります!

▲天井高8メートルのバーラウンジ「ピーコック・アレー」はホテルの象徴ともいうべき存在。天神祭の賑わいに着想を得た4基のシャンデリアが、グラマラスな夜を演出します。テラス席もあります!

「ウォルドーフ・アストリア大阪」を象徴する場所といえば、28階と29階にまたがるバーラウンジ「ピーコック・アレー」。この写真、見たことありません? 「ウォルドーフ・アストリア大阪」を紹介する記事のメインカットといえば、こちら! 天井高8mの壮観な空間です。天井には、天神祭の賑わいにインスパイアされた4基のシャンデリアが輝き、孔雀の羽根模様をモザイクで描いた大理石の床が、古き良きニューヨークのグラマラスな空気を運んできて、俄然、高揚します。夕暮れ時にシャンパンやカクテルで彼女と乾杯すれば、素敵な物語が始まりそう。眼下に広がる、大阪の景観にも目を奪われます。いや~、忙しい(笑)。

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日中も惚れ惚れするような美しさ! 大阪駅エリアを眼下にゆったりと優雅な時間が流れます。

▲日中も惚れ惚れするような美しさ! 大阪駅エリアを眼下にゆったりと優雅な時間が流れます。

中央部の階段は「大阪府庁舎 本館」にある大理石の階段から部分的な影響を受けているのだとか。バーカウンター横には、「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」の象徴である時計をオマージュした、ブロンズ製の大時計が鎮座していました。ニューヨークの「ウォルドーフ・アストリア」では、待ち合わせの定番フレーズとして『時計の下で会いましょう(Meet me at the clock)』が長年交わされてきました(もちろん今も)。ここ大阪でも、新たな物語の起点となることでしょう。

ロビーエリア「パビリオン」と、「ピーコック・アレー」は、アールデコ調のコリドールが繋いでいます。ここで記念撮影に興じているゲストもたくさんいました。絵になりますもんね。

▲ロビーエリア「パビリオン」と、「ピーコック・アレー」は、アールデコ調のコリドールが繋いでいます。ここで記念撮影に興じているゲストもたくさんいました。絵になりますもんね。

その「ピーコック・アレー」と、「パビリオン」と呼ばれるロビーエリアをつなぐのが、全長20mのコリドール。こちらは、「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」のアーケードへのオマージュなのだそう。ニューヨークに行って、見比べたくなってしまいます。両側のガラス箱の中庭には、愛・幸運・守護を象徴する椿の木が植えられていました。

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日本ならではの工藝の意匠をさまざまな場所に盛り込んだ客室

客室は全室46㎡以上、31階以上の高層フロアに配されています。

▲ 客室は全室46㎡以上、31階以上の高層フロアに配されています。

そろそろ客室へと向かいましょうか。31階以上の高層フロアに位置する全252室の客室にも、フー氏のこだわりをビシバシ感じます。全室46㎡以上。壮麗な邸宅の温もりとプライベートな隠れ家のような親密性を融合させつつ、日本ならではの工藝の意匠がさまざまな場所に盛り込まれていました。

窓いっぱいに大阪のパノラマが迫ります。さあ、今日の主役は、あなたたちお二人ですよ!

▲ 窓いっぱいに大阪のパノラマが迫ります。さあ、今日の主役は、あなたたちお二人ですよ!

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例えば、組子細工のスクリーンや絵画のような意匠を施した和紙パネルや障子の行灯を想起させるランプシェード。ベッドフレームには長寿と繁栄を象徴する「松の葉」のシンボルが埋め込まれていました。ピーコックブルーと呼ばれる、光沢のあるセージグリーンとインディゴブルーの色合いも随所に見ることができます。

そのエレメントが移ろう日の光とあいまって、艶めく舞台装置を演出。大人のデートにぴったりじゃありませんか! 窓外の都会の景観に呼応するダイナミックなカラーパレットも、二人の夜を盛り上げてくれることでしょう。

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1920年代のジャズ・エイジをテーマにした隠れ家バー

 1920年代のジャズ・エイジへと迷い込む隠れ家バー「ケーンズ&テイルズ」。フィッツジェラルドの短編に着想を得たカクテルに酔いしれてくださいませ。夜はこれからですよ!

▲ 1920年代のジャズ・エイジへと迷い込む隠れ家バー「ケーンズ&テイルズ」。フィッツジェラルドの短編に着想を得たカクテルに酔いしれてくださいませ。夜はこれからですよ!

LEONなオジさまと、そのお連れの女性には、「ピーコック・アレー」に隣接する隠れ家バー「ケーンズ&テイルズ」に足を運んでいただきたいところ。こちらのテーマは、1920年代のジャズ・エイジ。ランウェイ型の大理石カウンターを囲む壁には、江戸時代の大阪の古地図を焼き付けた陶板タイルを配しています。バーントオレンジのベルベットランプ、テラコッタとマンゴー色の家具、エメラルドグリーンの額縁天井など、五感をくすぐる色彩に、ふわりと浮遊感を覚えてしまうほど。まだ酔っていないはずなのに(笑)。

そんなニューヨークと大阪の今と昔がしっとりと交錯する空間で楽しめるのは、『グレート・ギャッツビー』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などで知られる、F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説から着想を得た、アカデミックなカクテル。ついグラスを重ねてしまいそうです。まだ少しぎこちない関係の彼女とのデートにもオススメ。不思議な魔法がかかったこの場所なら、二人の距離がぐっと縮まることでしょう。

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20mのプール。印象的な勾配の屋根でスカイバンガローをイメージしたもの。ブルーのモザイクタイルが陽光を受けてきらめきます。

▲ 20mのプール。印象的な勾配の屋根でスカイバンガローをイメージしたもの。ブルーのモザイクタイルが陽光を受けてきらめきます。

「ウォルドーフ・アストリア・スパ」の存在もお忘れなく。塗壁、障子紙、クラックルガラス、ブロンズが調和した空間は、日本の伝統的な旅館の作法を現代的な菱形のレイアウトに置き換えたもの。中央の20mプールは、勾配の屋根に覆われたスカイバンガローのような造り。 都会のど真ん中で異空間に没入することができます。朝のリチュアルとして、彼女と並んで朝のスイムを楽しむのもオススメ。1日の最高の幕開けになります。

奇しくも、本家・ニューヨークの「ウォルドーフ・アストリア」は、8年に及ぶ大改装を経て、2025年7月に再び扉を開いたばかり。4月の大阪開業と、7月のニューヨークの再開業——同じ年に、東西の2つの旗艦が新たな歴史を刻み始めました。ニューヨークが放つタイムレスな美しさと、レガシーホテルとしての矜持は、大阪の温度感をしっかりと再解釈したフー氏の才により、大阪でも確かに息づいています。


132年続いた物語の続編は、スタートしたばかり。次のデートでは、彼女に「Meet me at the clock」と伝えてみませんか。ほら、彼女を誘う口実がひとつ増えたでしょ?

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ウォルドーフ・アストリア大阪

■ ウォルドーフ・アストリア大阪

住所/大阪府大阪市北区大深町5-54 グラングリーン大阪 南館

電話/06-7655-7111

料金/1室15万円~(税・サービス料込、朝食別)

HP/https://www.hilton.com/jp/hotels/osawawa-waldorf-astoria-osaka


長谷川あや

長谷川あや

群馬県生まれ、18歳まで前橋で過ごす。サッカー誌の記者を経て、フリーランスライターに。現在は、ホテル、旅、飲食、インタビュー記事などライフスタイル系を中心に執筆をしている。宝物は、11歳になる愛犬(ミニチュアダックスフンド)。ミュージカル観劇。海外を含め、遠征をいとわないミュージカルおたく。目下の悩みは、老いと共に美味しいものが大好きなのに食べられる量が減っていることと、代謝量の低下、老眼の進行。


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