2026.03.08
【グルメ旅】ハンガリーの古都「ブダペスト」は世界遺産×美食の最強タッグで愛を深めるふたりにこそ最適⁉
中欧の主要都市、ハンガリー。首都・ブダペストは歴史建造物が立ち並ぶ、世界でも指折りの美しい古都として知られますが、実は美食の都でもあるのです。世界遺産の街を歩いて美食を堪能、そんな夢のような街は、食いしん坊の彼女と訪れるのに最適なんです!
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文・写真/岩佐史絵 編集/森本 泉(Web LEON)

さすが世界遺産の荘厳な建造物と美しい街並み
「ドナウの真珠」と称されるハンガリーの首都・ブダペスト。歴史建造物が立ち並ぶ、世界でも指折りの美しい古都として知られますが、実は美食の都でもあるのです。今回は世界遺産の街を歩いて美食を堪能、そんな、食いしん坊の彼女と訪れるのに最適な旅をご提案いたします。
ハンガリーの歴史はローマ帝国時代にさかのぼるほど古くとも、ブダペストという都市自体は19世紀に完成したもの。ドナウ川の西岸と東岸でブダ地区とペスト地区に分かれていたものが1873年に合併して現在のかたちになりました。「ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り」と両地区にまたがって世界遺産に認定されており、街の景観が守られています。

▲ ブダの丘から。有名な「セーチェニー橋(くさり橋)」、対岸左奥のドーム型の屋根が国会議事堂で、ハンガリーで最も大きな建物だそう。世界的にも高く評価されたゴシック・リヴァイヴァル建築は遠目にもその存在感が際立つ。
そんなブダペストの街を一望するのが、ブダの丘。そびえる王宮をバックに、ドナウ川の流れとその向こうに広がるペスト地区を俯瞰することができます。
遠くまで見渡してもスカイスクレイパーがなく、また、河岸にはゴシック・リヴァイヴァル様式の国会議事堂をはじめアールヌーボーやルネッサンス様式の建造物がずらりと並び、その様子をいつまでも眺めていたくなる、まさに世界遺産にふさわしい景観。真珠に例えられるその異名も納得の絵葉書のような景色に心奪われ、旅慣れた彼女もひとめでこの街に恋することは請け合いです。

▲ ブダの丘一帯は現在2030年の完成を目指して改修工事中。宮殿に設置された歴史博物館などは見学可能で、オーストリア=ハンガリー帝国時代の絢爛豪華な様子が再現されている。
フォアグラ料理はハンガリー料理店の定番
ブダの丘まで来たなら、ランチはふもとにある『IDA Bistro』へ。オーストリア人のIDAさんによるオーストリア・ハンガリー料理の店で、宮殿の一部であった建物を改装した瀟洒なたたずまいが魅力です。
メニューにはシュニッツェル(カツレツ)やダンプリング入りコンソメスープなどオーストリアっぽい料理が並びますが、よく見るとシュニッツェルはウィーン風に仔牛肉か、ハンガリー風にポークかのチョイスが。かつては同じ国ではありましたが、オーストリアとハンガリー、似て非なる部分が垣間見えます。

▲ 前菜に「フォアグラのブリュレ」をチョイス。上に乗ったリンゴのおかげでフォアグラがくどすぎず、ふくよかながらさっぱり。つけあわせのブリオッシュがまたふんわりカリカリ香ばしくて至福。
そしてやっぱりあります、フォアグラ! ファインダイニングだから、というよりハンガリーだから、ということでしょうか。なにしろハンガリーはフランスと並ぶフォアグラの産地。フォアグラ料理は多くのハンガリー料理店で定番となっていて、こちらのお店でも前菜とメインの両方にフォアグラメニューがありました。さすが。

▲ ハンガリーらしい一品「チキン・パプリカッシュ」。ハンガリーはとにかくパプリカ推しで、多くのメニューにパプリカが用いられる。つけあわせはハンガリー伝統の生パスタ風ダンブリング「ノケドリ」 。

▲ 天井が高く、エレガントな内装。ドナウ川のすぐ目の前なので、散歩がてら立ち寄るにもいいロケーション。夏場はテラス席を選んでもよさそう。
Ida Bistro
宮殿のように豪奢な佇まいのオペラハウス
世界遺産に登録されているアンドラーシ通りは対岸のペスト地区にあります。ブダ側に対して“新市街”と称されるこのエリアの目抜き通りともいえる通りで、渋滞緩和のために1872年に建設が開始されました。
都市計画の一環で、周囲にはハンガリーが誇る転載建築家・イブル・ミクローシュの指揮のもとに当時最高の建築家たちが結集して設計した邸宅が立ち並んでいます。現在もハイブランドショッピングが楽しめる高級エリアであり、美しい建築群をながめながら散策するのがお楽しみどころです。

▲ オペラハウス。天井のフレスコ画といい、2トン以上もあるというシャンデリア、フランツ・ヨーゼフのための大理石の階段など贅を尽くした内装。グスタフ・マーラーが音楽監督をしていたことでも知られる。
なかでもぜひ立ち寄りたいのは、先述のイブル・ミクローシュの設計で知られる美しいオペラハウス(国立歌劇場)。アンドラーシ通りの敷設に伴って建設が決定し、オーストリア皇帝でハンガリー王でもあったフランツ・ヨーゼフ一世の支援を得て1884年に完成しました。

▲ ホワイエもこの豪華さ。この裏にはかつての喫煙スペースがあり、劇場が秘密の社交場であったことを示しているのだそう。もちろん現在は完全禁煙。
ネオ・ルネッサンス様式でまるで宮殿のように豪奢な佇まいはもちろん、内部の壮麗さにもうっとり。今回は館内ツアーに参加しましたが、ツアーには若手オペラ歌手によるオペラのワンシーンを再現したショーもあり、ちょっと臨場感があります。こんなすばらしいベニュー、ドレスアップして彼女を観劇にエスコートしたら、最高の一夜になると思いませんか。

▲ オペラハウスの前にあるメトロ「オペラ駅」。ヨーロッパ大陸初の地下鉄で、重機を用いず人の手で掘られたため浅い場所に線路があるのだそう。ホームも狭く、こぶりの黄色い電車が走っていた。
オペラハウス
住所/1061 Budapest, Andrássy út 22.

▲ こちらはブダの丘からも見えた国会議事堂に隣接する聖イシュトバーン大聖堂。ハンガリー初代国王・聖イシュトバーンに捧げられたカソリック教会で、なんと彼の右手(のミイラ)が聖遺物として展示されている。
聖イシュトバーン大聖堂
住所/1051 Budapest, Szent István tér 1.
19世紀の面影を纏う華やかなカフェ
19世紀の街並み散歩の合間のひとやすみには、そのイメージを損なわない素敵カフェを選びます。『Parisi Passage Cafe & Restaurant』は、ハンガリー初のショッピングモールだった建物がその前身。1800年に開通したパリの『Passage des Panoramas』を模して建設されたとあってボザール建築を踏襲し、細部にまで装飾がなされとても華やかです。

▲ 『Parisi Passage Cafe & Restaurant』 。美しすぎるカフェでお茶を。カフェ利用の場合は予約不可で、時間帯によっては待ち時間が生じることも。観光客だけでなく、地元の人も通う人気カフェだ。
Passage(=小路)らしく、細長いスペースがカフェになっていて、天井などにもガラスが配されまさにアールヌーボー! という雰囲気。ピアノとバイオリンの生演奏のなか、伝統的なスウィーツをいただくなんて、完璧すぎる演出に感嘆しない女子はいないと言い切れます。

▲ ピスタチオとラズベリーのタルト(手前)と、ハンガリーの伝統的なくるみのケーキ「エスタハージー」。エスタハージー家といえばハプスブルク家に仕えたオーストリアの名門貴族。ここでも帝国の風を感じる。
Parisi Passage Cafe &Restaurant
住所/1053 Budapest, Ferenciek tere 10.
TEL/+36 70 702 4088
営業時間/7:00~23:00 ※カフェは8:00~18:00)
ブダペストのトップレストランが結集
ブダペストでいま最もホットなグルメスポットはといえば、昨年9月にオープンしたばかりの「Time Out Market Budapest」。近年ドバイや大阪などグルメシティに立て続けにオープンしているおなじみTime Out Marketがブダペストにもやってきたということは、ブダペストもまた、世界に誇るグルメタウンであるという証。ミシュランスターシェフのお店はもちろん、街で話題の人気店が一堂に会しています。

▲ もう、迷ったら全部食べちゃう! ハンガリーの“国宝”で固有種「マンガリッツァ豚のグリル」(写真手前)はマストトライ。うそでしょ、というほど柔らかくするりととろける脂肪分にうまみが凝縮している。内陸国は肉がうまい。
ほかの都市にあるタイムアウトマーケットと同じく、フードコートスタイルなので同行者と好みが分かれても無問題。ハンガリー伝統料理からモダンキュイジーヌ、外国料理や魚料理専門店ではお寿司のチョイスも可能と、もうどこにも行かずここだけですべてよし!となってしまいそうなラインナップなのです。
Time Out Market Budapest
住所/Corvin Palace Blaha Lujza Square 1
TEL/+36 20 232 0505
営業時間/11:30~23:30
ロマンティックな景色に酔いしれる
景色を楽しみながらのディナーなら、ドナウ川の水上、観光名所でもある「セーチェニー橋(くさり橋) 」のたもとという最高のロケーションに浮かぶレストラン「Spoon The Boat」へ。窓外にはブダの丘にそびえる王宮が浮かび上がり、ライトアップされた光が水面に反射して揺れる様子にうっとりしましょう。大きなイベントが開催されることもあり、ボールルーム風の船内ゆえ、予約時に窓際の席を指定するのを忘れずに。

▲ 「Spoon The Boat」はドナウ川沿いにある、船型のレストラン 。

▲ 「Spoon The Boat」 のフォアグラよりもあっさり味のレバーパテ。近年では動物福祉の観点からもこちらが注目されつつあるためか、ハンガリーのファインダイニングではよく見かける前菜。
ここではハンバーガーなどのカジュアルなメニューのほか、煮込み料理「グラーシュ」をはじめ、ロールキャベツやチキンのパプリカソース煮といった伝統的なハンガリー料理もそろっています。モダンにアレンジされたハンガリー料理に、オリジナルレシピのデザート、そしてトカイワイン、と、地元っ子をも魅了するメニューが目白押し。ブダペストらしい夜を楽しみましょう。

▲ こちらが「グラーシュ」。牛肉を野菜とともにほろほろになるまで煮込んだシチューで、オーストリアやドイツにも伝わったハンガリーの伝統料理。寒い冬にぴったり。

▲ ハンガリーの貴腐ワイン「トカイ」をぜひデザートに! ルイ14世に愛され「王のワイン」とも称される「トカイ・アスー」は蜜を思わせる濃厚な甘さでありながら、後味さっぱり。兄さんもおすすめ。
Spoon The Boat
住所/1052 Budapest, Vigadó square, Port 3
TEL/+36 30 493 3949
営業時間/17:00~23:00
定休日/無休
宮殿の名をもつホテル
ブダペストの世界遺産巡りはその黄金時代の名残を感じさせ、アールヌーボーの世界観にどっぷりと浸ることができるのが大きな魅力。世界遺産エリアのホテルなら建築の美しさは保証されているというものです。今回は「Four Seasons Hotel Gresham Palace Budapest」にチェックイン。「セーチェニー橋」のすぐ目の前に位置し、ドナウ川の絶景を一望する好ロケーションもさることながら、1906年に完成した「グレッシャム宮殿」 も見どころ。

▲ 「Four Seasons Hotel Gresham Palace Budapest」 の客室からの景色。ドナウ川、セーチェニー鎖橋、ブダの丘にそびえる宮殿と、絵葉書級の夜景が広がる。

▲ 全170室のうち、スイートは17室。136㎡のロイヤルスイートにはバルコニーもついており、2階に位置するためよりくさり橋が近くに見える。
ハンガリーでは愛の証というピーコックが配された鉄格子のエントランスを抜けると、200万枚以上あるというモザイクタイルの敷かれたアイコニックなロビーに圧倒されます。ロビーバーもまた雰囲気がよく、デカダンスな放蕩貴族のように過ごすもよし、ピーコックになぞらえて彼女に愛をささやくもよし、の美空間。どこもかしこも美しく、ハンガリー初のミシュランキー2つ星を獲得というのに大きくうなずけます。

▲ ロビーバー「MÚSSA」。ブダペストでも「Best of the best」と名高いエレガントな空間。クラフトカクテルを楽しみたい。

▲ 朝食はメインをオーダーするハーフバフェスタイルで。パプリカ入りソーセージが載った「ハンガリー風オムレツ」のほか、「フォアグラオムレツ」(写真)も。地産のはちみつやチーズなど、特産品を楽しめる。
Four Seasons Budapest
駆け足で廻ったブダペスト。食のイメージがなかっただけに驚きの連続でした。つぎは電車でチェコへ移動します。
乗り継ぎもスムーズ。世界をつなぐターキッシュ エアラインズ
その美しさはウワサには聞くけれど、日本から直行便がないこともあり、中欧はなかなか気軽に行けるイメージがないのでは。今回利用したのはターキッシュ エアラインズ。実はイスタンブールを拠点に、世界最多の132カ国356路線に就航しているとあって、もちろん中欧もばっちりカバーしています。日本からイスタンブールまでは羽田/成田/関空線があり、13時間から13時間30分ほどのフライト。イスタンブールでの乗り継ぎ時間はどの便でも1時間20分から2時間程度と、なかなかスムーズなのです。

▲ 成田空港第一ターミナルにできたターキッシュ エアラインズラウンジ。シャワールーム。プレイヤールーム、リラクゼーションエリアなどを備えているが、さらに広くなる予定。
しかも今回は美食の旅、往路は成田線を利用します。というのも、昨年2月に成田空港にターキッシュ エアラインズの専用ラウンジがオープン。現在800㎡で稼働しており、ゆくゆくは1500㎡にまで拡張されイスタンブール以外では最大規模のラウンジとなるのだそう。ビジネスクラスにはフライング・シェフが乗務し、バラエティ豊かな機内食をサーブするという“食の鬼”ターキッシュ エアラインズのラウンジですから、本格的なトルコ料理がサーブされることは必至。これはぜひ早めに立ち寄って体験したいものです。

▲ 成田発便な午前10時台。朝食メニューにもトルコ定番の卵料理「メネメン」(写真)やトルコ風ピザ「ピデ」などが並び、楽しい食体験に。メニューはランチごろに変わる。
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