• TOP
  • STAY&TRAVEL
  • ラグジュアリーホテルのおもてなし戦略は、モテの極意と共通する⁉

2026.02.15

ラグジュアリーホテルのおもてなし戦略は、モテの極意と共通する⁉

ホテルは、“ホスピタリティ産業”とも言われています。つまり、“おもてなし”のプロ。ラグジュアリーホテルグループが富裕層の心をつかむべく尽力しているサービスは、モテたいオヤジさんが彼女の心を射止めようする努力と、いわばニアリーイコール⁉ そこで一流ホテルグループのおもてなし戦略を探ってみました。

BY :

文/古関千恵子
CREDIT :

編集/森本 泉(Web LEON)

ILTM(国際ラグジュアリー・トラベル・マーケット)の会場。

▲ ILTM(国際ラグジュアリー・トラベル・マーケット)の会場。

2025年、訪日旅行者はついに4000万人を超えました。どおりで、街中に外国人が溢れ、隠れ家レストランや地元民しか知らないようなスポットにも外国人を見かけるようになったわけです。海外富裕層のこうした動向は、実は富裕層向けホテル界隈が仕掛けるサービス指針と重なっていたりします。


ホテルは、“ホスピタリティ産業”とも言われています。つまり、“おもてなし”のプロ。ラグジュアリーホテルグループが富裕層の心をつかむべく尽力しているサービスは、モテたいオヤジさんが彼女の心を射止めようとする努力と、いわばニアリーイコール⁉


そこで、ILTM(国際ラグジュアリー・トラベル・マーケット)やIMM(国際メディアマーケットプレイス)、そして旅パーツのメタサーチ「スカイスキャナー」のラウンドテーブルで旅行者の傾向を聞き、今、ホスピタリティ産業が仕掛けていることを探ってきました。ホスピタリティ業界のトレンドを知り、意図を踏まえたうえでホテルを利用することで、彼女との旅行もより濃密で満足度の高いものになりますよ!

シンガポールで開催された、世界最大の富裕層向け旅行の展示会「ILTM(International Luxury Travel Market) Asia Pacific」。

▲ シンガポールで開催された、世界最大の富裕層向け旅行の展示会「ILTM(International Luxury Travel Market) Asia Pacific」。

PAGE 2

「自分をわかってくれている」そう思わせることで、親密感をアップ

「アナタはその他大勢とは違う。私はちゃんと見ていますよ」。そんな態度で異性にアプローチされたら、否が応でも相手を意識しちゃいますよね。同様に(?)ラグジュアリーホテルのサービスにおいても、ゲスト一人ひとりの好みをきちんとわかった上で提案をすることが大切なのだそう。


今年日本に初上陸する「1 Hotels」を運営する「Starwood Hotels」のChief Marketing Officer、トニー・ストックル氏いわく

「ゲストがどんな人なのかを深く理解した上で体験を提供することが大切です。1 Hotelsでは、ロイヤリティプログラムをゲストの興味・関心・好みを把握することを目的として設けています。


ゲストへの質問内容には、例えばあなたは朝型か夜型かといったことまで含まれます。朝型の方には早朝のヨガセッションを、夜型の方には夜のアクティビティを案内するなど、好みに応じて体験をカスタマイズしています。多くのゲストが滞在していても、一人ひとりを理解する姿勢こそが私たちの目指すところです」

今年東京にもオープンする「1 Hotels」のフラッグシップリゾート、「1 Hotel Hanalei Bay」。そのコンセプトは、まずサステナブルであること。

▲ 今年東京にもオープンする「1 Hotels」のフラッグシップリゾート、「1 Hotel Hanalei Bay」。そのコンセプトは、まずサステナブルであること。

PAGE 3

ちなみに、「1 Hotels」はあの“Wホテル”を立ち上げたバリー・スターンリヒトが創業した新進気鋭のホテルブランド。サステナブルであることを基軸に、環境を守りながら美しい自然に抱かれるステイが、米国を中心としたセレブの間で人気です。

 「1 Hotels」を運営する「Starwood Hotels」のChief Marketing Officer、トニー・ストックル氏。

▲ 「1 Hotels」を運営する「Starwood Hotels」のChief Marketing Officer、トニー・ストックル氏。

また、ハイアットセールスフォース  アジア太平洋地域グローバルセールス担当副社長のケイト・アトキンソン氏 こう言います。


「プライベート感のある体験を重視し、積極的に提供しています。というのも、すべてのゲストに、“自分のことをわかってくれている”“自分の好みを理解してくれている”と感じていただきたいからです。いわば、パーソナライズされた体験です」

PAGE 4
ハイアットセールスフォース アジア太平洋地域グローバルセールス担当副社長のケイト・アトキンソン氏 (右)と、パークハイアット京都の総支配人マシュー・キャロル氏(左)。

▲ ハイアットセールスフォース アジア太平洋地域グローバルセールス担当副社長のケイト・アトキンソン氏 (右)と、パークハイアット京都の総支配人マシュー・キャロル氏(左)。

いわば自分だけに用意された、スペシャルな体験。これも多くの女性にとって大好物。ますますもって、ホテルのおもてなしには学ぶべきところがあるのでは? 


「ハイアット」といえば、ここ数年、Alila(アリラ)やThe Standard(ザ・スタンダード)といったラグジュアリーおよびライフスタイル系の独立系ホテルを傘下に収めてきました。この方向性はこれからも続くそうです。

ゲストの嗜好を理解し、先回りして把握するため、各ホテルの現場で運用されるゲストプロファイルシステムが活用され、そこでは、個々の好みやフィードバックが、厳格なプライバシーおよびデータ保護基準に則って記録・管理されています。ホテル内レストランできらいな食べ物を伝えたら、以後出てこなくなったこと、ありませんか?それです。


「サービスがどれほど高度な技術で支えられていても、ゲストにはただ自然で、まるで魔法のように感じられることが理想です。 ラグジュアリーとは、“あなたのために仕立てられた魔法”なのです。」と、1 Hotelsのトニー氏。

PAGE 5
近隣寺院の非公開エリアの特別拝観や、座禅など、スペシャルな体験ができるパークハイアット 京都。

▲ 近隣寺院の非公開エリアの特別拝観や、座禅など、スペシャルな体験ができるパークハイアット 京都。

ウェルネスやサステナブル、旅に出る“目的”があると誘いやすい、かも!

今、富裕層のツーリストが求めるのは、いわゆる観光スポット巡りではなくて、訪れた土地とのつながりを感じられる体験なのだそう。


「例えば、地元の人たちと一緒にランニングやヨガセッションを行う、地元の生産者を招いたサステナビリティのトークイベントなど、地域との関わりを実感できるプログラムを開催するようにしています」と、1 Hotelsのトニー氏。


思えば、コロナ禍前の頃から、“ネイバーフッド体験”という地元の人が、地元の人しか知らないようなスポットを回るアクティビティを開催するホテルグループもありました。その今時の進化形がいわゆる“パーパスドリブン”な、持続可能性やウェルネスといったコトを地元の人と共に体験する方向性なのでしょう。

PAGE 6
 旅先で早起きして地元の人々とランニング。

▲ 旅先で早起きして地元の人々とランニング。

また、目的をもった旅がトレンドになることは「スカイスキャナー」の2026年の予想にも上がっています。すべてに予算を投入するのではなく、目的のもののために、お金をかけるべきところにかけ、節約するところには控えめにと、割り振る傾向にあるそう。


そして、ILTMポートフォリオ・ディレクターのアリソン・ギルモア氏いわく、コロナ禍を経てウェルネスに関する意識が変わってきているとのこと。「もっと健康的になりたい」など、日常生活にウェルネスを採り入れる富裕層が増えてきているそうです。多くの富裕層がウェルネス目的の旅を事前に計画し、一方、「予定していなかったウェルネス体験をその場で予約したことがある」と回答した人も半数以上もいたとか。

ウェルネスにおいてもパーソナルな体験を求め、客室内にバイクやマシーンを置いてほしいという要望も増えてきているそう。IMMで話を聞いた「スイスホテル ザ スタンフォード シンガポール」の「シグネチャー ヴァイタリティ」ルームにはウェルネスウォールも備えています。


「カラダを鍛えに旅に出ない?」「たまにはスパでリラックスすれば?」そんなウェルネス目的を誘い文句にするのも、彼女とのお泊りデート計画にはアリなのかもしれません。

 ヨガステーションに加え、ウェルネスウォールも備えた「スイスホテル ザ スタンフォード シンガポール」の「シグネチャー ヴァイタリティ」。ミニバーにはヘルシーなジュースやスナックが。

▲ ヨガステーションに加え、ウェルネスウォールも備えた「スイスホテル ザ スタンフォード シンガポール」の「シグネチャー ヴァイタリティ」。ミニバーにはヘルシーなジュースやスナックが。

PAGE 7

ホテルはしっぽり小ぢんまりが心地いい!?

これからの傾向として、JOMO(Joy of Missing Out)という考え方も広がりつつあるといいます。情報過多の社会から距離を置き、混雑した場所を避けたい――そんな思いから、小規模ホテルやブティックホテルを選ぶ傾向が見られるそうです(ハイアットのケイト・アトキンソン氏)。

SLHのメンバーである、ベトナムのホイアン「ナミア・リバー・リトリート」。バスケットボートのパドリングツアーなど、ご当地ならではのユニークな体験を用意。

▲ SLHのメンバーである、ベトナムのホイアン「ナミア・リバー・リトリート」。バスケットボートのパドリングツアーなど、ご当地ならではのユニークな体験を用意。

平均客室数が50室という、独立系のラグジュアリーブティックホテルのコレクション、スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)では、“スモール”であることが“ラグジュアリー”を深める、と考えています。


スパの枠を超えた滞在体験に焦点を当てた「ウェルビーイング・コレクション」、サステナビリティを軸とする「コンシダレート・コレクション」、それ自体が目的地となるような卓越したホテルを紹介する「ファイネスト・コレクション」、そして親密なヴィラやプライベートな滞在を特徴とする「プライベート・コレクション」という4つのテーマでサブコレクションを展開し、 ゲストの目的に沿った、そして“その土地に触れる、心に響くパーソナルな体験”を提案する方針。

このように、ラグジュアリーホテルが考える富裕層の傾向をまとめると、何も言わずとも自分のことをわかっていてくれて、万人向けのイベントよりもスペシャルな本物の体験を好み、サステナブルやウェルネスなどに興味あり。これって、社会的地位のあるデキる女性たちが好みそうなことじゃないですか? 世の中は女性を中心に回っているのかもしれません⁉

PAGE 8

取材協力


スカイスキャナー https://www.skyscanner.jp

ILTM https://www.iltm.com/asia-pacific/en-gb.html

IMM A TRAVMEDIA EVENT https://travmedia.com/immasia

古関千恵子

● 古関千恵子(こせき・ちえこ)

ビーチライター。月1~2回、世界のビーチに通うこと30年以上。リゾートやダイビング、エコなどを軸に、ビーチにフォーカスして取材&寄稿。このところは南方ばかりでなく、東西南北、全方位で訪問中。目指せ、伊能忠敬(測量はしないけど)。この夏の目標は、小笠原のケータ列島! 先日の沖永良部島でケービングにも夢中。やっぱり南方が多い⁉ instagram(@chieko_koseki/)でも海情報をお届け中。


著者記事一覧

こちらの記事もいかがですか?

PAGE 9

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        ラグジュアリーホテルのおもてなし戦略は、モテの極意と共通する⁉ | 旅行 | LEON レオン オフィシャルWebサイト